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第8回「自転車」編 1/2

「まめ知識」へ、ようこそ!

みなさんは、初めて自転車に乗れるようになったときのこと、おぼえていますか?顔に当たる風の気持ちよさや、行動範囲が広がり、遠くまで行けるワクワク感!その後、あなたが成長していったように、自転車の形や機能も時代とともに変わり続けてきたんです。

では、さっそく見ていきましょう!

知ってるようで知らないことも多い! 自転車はもっとも身近なのりもの!

ライトが流れるように光る自転車が、少年たちに大人気!

自転車の形は比較的シンプルで、あまり変わっていないような気がしますが、実は時代に応じてさまざまな流行がありました。


例えば1960年代末~1970年代には、「電子フラッシャー(ウインカー)付きで「セミドロップハンドルの自転車が少年たちに大人気でした。後ろの荷台の下に、まるで自動車のような赤やオレンジ色のライトが並んでおり、例えば左折するときにハンドルにあるスイッチを入れるとライトが順番に左に向かって流れるように点滅し、電子音まで出るというデラックスなもの。前照灯も、ロービームとハイビームが左右2個ずつのタイプもありました。ハンドルとサドルの間のフレーム(トップチューブ)には大きな変速レバーが付いており、シティサイクルのアップハンドルを上下逆さまにつけたような独特のセミドロップハンドルも特徴的でした。


また、子どもに人気のテレビ番組の主人公やかわいいキャラクターが描かれた、補助輪付きの子ども用自転車は、自転車をおぼえる最初の1台として買ってもらった人も多いことでしょう。
少年と宇宙人(地球外生命体)の交流を描いた映画のヒットがきっかけで、BMX(バイシクルモトクロス)自転車がはやったこともありました。実は、あの映画の自転車は日本のメーカー製だったんですよ。


現代の日本には、いろいろなタイプの自転車があります。スポーツ用のロードレーサーを通勤に利用する人が増えたり、大規模災害などで自動車や公共交通のシステムがマヒした際に自転車の利便性が再認識されるなど、これからも自転車は人々の生活にとって欠かせない存在であり続けることでしょう。


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左右の大きなヘッドライト、トップチューブに付けられた大きな変速レバー、そしてセミドロップハンドルが特徴の電子フラッシャー付き自転車は、1960年代の末から1970年代にかけて少年たちに大人気でした。ハンドルにあるスイッチを入れると、電子音とともにランプが点滅しながら右や左に流れる電子フラッシャー(ウインカー)に、男の子たちはあこがれました。
(写真:自転車文化センター提供)

フレームにはさまざまな最先端の素材を活用!

自転車はいつの時代も人気があるので、その時々の最先端の技術が取り入れられてきました。
例えばフレームひとつをとってみても、最初は木製、次いで鉄製でしたが、やがて軽量化のために中空の鉄製パイプが使われるようになりました。かつて、均一なパイプの製造は技術的に難しく、当時の最先端テクノロジーである鉄砲鍛冶の技術が生かされたそうです。


フレームの素材は、根強い人気のクロムモリブデン鋼、高張力鋼やアルミニウム合金、チタン合金、さらにそれら合金の配分割合を変えたもの、そして非金属のカーボンファイバーなど、軽量で強度のある先端素材が次々に取り入れられてきました。新しい素材は性能的に優れているものの高価で、しかも高度な加工技術が求められるために、自転車は複数の領域にわたるその時代の新しい工業技術を組み合わせて作られてきたのです。


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新しいタイプのフレームも開発されています。力学的にもっとも合理的といわれる、パイプを組み合わせたダイヤモンド形(左)と、全体を一度に成形して作るモノコック形(右)。(写真:科学技術館2階 自転車広場 展示室)