第4回「自動車の技術2」編 1/2
「まめ知識」へ、ようこそ!
いま、自動車が大きく変わっているよ!
外から見ただけではあまり気付かないかもしれないけれど、新しい技術がどんどん取り入れられているんだ。
じゃあ、さっそく見ていきましょう!
自動車に新しい技術が使われて、いま大きく変わり始めているよ!
電気自動車の発明はガソリン車よりも早かった?!
省エネ・省資源や環境保護、地球温暖化対策などに対する関心が高まるに連れて、電気自動車(EV)などの環境に優しい自動車が注目されてきました。いまや街なかを電気自動車が走っているのも珍しくない光景です。では、電気自動車が初めて作られたのはいつごろでしょうか? 30年くらい前かな、それとも40年以上前?
実は約180年前、正確な年は不明ながら1830年代にはイギリスで電気自動車が発明されていたのです! しかも、ガソリン車よりも電気自動車のほうが台数が多い時代があったというから驚きですね。
その後、ガソリン車の性能向上や大量生産による価格低下によって、電気自動車はいったん市場から消えます。時を経て、1960年代に深刻化した大気汚染や1970年代の石油ショック、排出ガス規制の強化などへの対応策として電気自動車が有望視され、世界中で新たな開発競争が行われてきたというわけです。
電気自動車は走行中に排出ガスを出さず、騒音も少なく、ランニングコストが安いなど多くのメリットがあります。しかし、最大のネックが走行可能な距離やパワーに直結するバッテリーでした。2000年代に入って、いまではスマートフォンやノートパソコンなどに広く使われているリチウムイオンなどの電池の性能が向上した結果、バッテリー問題が大きく改善され、電気自動車がクローズアップされたのです。
バッテリーの改善は、モーターとガソリンエンジンを搭載したハイブリッド自動車の普及にも追い風となり、現在では、自宅でも充電可能なプラグインハイブリッド自動車、モーターだけで走る電気自動車、水素と酸素で発電してモーターで走る燃料電池車など、それぞれのタイプの開発が活発に進められています。
これからも人々が自動車に求める機能や役割が拡大し、それに応じて自動車を動かすしくみももっと大きく変わっていくことでしょう。
見えないところで、排出ガス対策
自動車の排出ガスによる大気汚染を防ぐための規制は各国で行われており、しかも年々厳しくなっています。この規制をクリアするために、自動車メーカーは技術開発を重ねてきました。ガソリンが燃焼した後の排出ガスには、微量の大気汚染物質が含まれてしまいます。これをなるべく発生させず、また発生したものは取り除いて大気中に出る量を抑えることが目的です。具体的には、エンジン内の燃焼効率の向上や、排出ガスに含まれる大気汚染物質を触媒やフィルターで減少させたり、排出ガスの一部を再びエンジン内へ送り込んで再燃焼させるなど、さまざまな技術が組み合わされています。
いま急速に普及が進んでいるハイブリッド自動車は、モーターとガソリンエンジンの得意なところを生かし合ってエコにつなげる仕組みです。また、信号待ちなどの間にエンジンを止めるアイドリングストップ機構の付いた車を最近よく見かけますが、これもガソリンの消費が減って排出ガスの減少に役立つ技術です。
ほかにも、都市部や高速道路などの渋滞が解消されれば排出ガスの削減に大きく影響します。これらの対策として、効率よく案内してくれるカーナビや前後の自動車と情報交換しながら走る自動運転技術の進歩などが貢献するでしょう。
私たちは、ふだん自動車に乗っていて、これらの仕組みを意識することはほとんどありません。しかし、自動車の持つメリットをなるべく損なわずにマイナス面を抑える努力が、世界中で続けられています。
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