第9回「磁石とのりもの」編 1/2
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磁石とのりものと聞いて??と思ったかもしれません。
磁石を使った代表的なものというと、モーターですね。モーターだったらのりものと関係ありそう?!
では、さっそく見ていきましょう!
日本で作られた超強力磁石が世界中ののりものや機械で使われているって、どういうこと ?
強力な磁石で部品や装置が小型化・高性能化 !
磁石と聞いて懐かしさを感じる大人の方も多くいらっしゃると思います。小学校の理科の実験で砂鉄をくっつけたりしましたよね。
普段の生活の中でよく目にするのは、事務用品や文房具かも知れません。とても身近な磁石ですが、産業技術にとって欠かせないものとして、より強い磁力を持った磁石の研究が世界中で続けられているのです。磁石が強力になれば磁石の部分をより小さくすることができるので、例えばモーターや発電機のように磁石を使った部品や装置そのものの小型化や軽量化、高性能化、出力アップにつながります。
日本で開発されたネオジム磁石という世界最強レベルの磁石が、いま世界中で使われています。私たちの身の回りのものから産業用の機械まで、さまざまな工業製品に採用されている、日本の大発明のひとつといってもいいでしょう。
ところで、モーターと発電機の違いをご存じですか ? この二つは基本原理は同じで、電気を流して回転運動を作り出すのがモーター。逆に、回転運動によって電気を作るのが発電機で、どちらも磁石が大きな役割を果たしています。
磁石がモーターを変える、のりものを変える !
モーターは、磁石の引きつけ合う力と反発する力を利用して回転しています。扇風機はモーターに羽根をつけて回転させることで風を起こす家電製品で、モーターが使われていることがすぐにわかると思いますが、携帯電話やスマートフォンにもモーターが入っているのを知っていますか?いったい何を回転させているかというと、超小型のモーターがおもりを回転させて、バイブレーターの振動を作っているのです。こんなに小さいモーターが可能になったのも、小さくても超強力な磁石が作られたおかげなのですね。
その他にも、パソコンのハードディスクドライブやエアコンのコンプレッサーといったものから、医療用のMRIや大型の発電機など、さまざまな機械で強力な磁石が大活躍。MRIの場合、ネオジム磁石のおかげで装置がコンパクトになり、移動検診車に乗せて使うことができるようになりました。
もちろん、電車をはじめハイブリッド自動車や電気自動車などいろいろなのりものにも、ネオジム磁石によって小型で強力になったモーターが使われています。
エレベーターやエスカレーターも、人を乗せて運ぶという意味ではのりものの一種ですね。これらに使われているモーターも、主流はネオジム磁石を使った小型で強力なものになっています。超高層ビルのエレベーターでは、なんと1分間に1kmも上昇できる速さのものもあるそうです。
ところで、電気自動車やハイブリッド自動車に走行用のモーターが載っているのはもちろんですが、普通の自動車にもスイッチひとつで動かせるドアミラーやパワーウィンドウ、その他見えないところも含めると100個以上のモーターが使われているんですって !
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