第1回「キッチンの家電製品」編 1/2
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みなさんのお家のキッチンには、たくさんの家電製品がありますよね。
便利なものばかりだけど、それらは最初からいまの形や機能だったわけではありません。
じゃあ、昔はどんなふうだったの?そもそも、いつ頃から使われるようになったの?そんなギモンに、さっそくお答えしましょう。
昔はこんなふうだったの? ずいぶん変わった! 便利になった! キッチンの家電たち
昔の冷蔵庫は、いまの1/4の大きさだった!
冷蔵庫が一般家庭で使われ始めたのは、高度経済成長期といわれる1950年代後半からのことです。当時はテレビ(白黒)・冷蔵庫・洗濯機が「三種の神器」と呼ばれ、豊かさの象徴として大人気でした。初期の冷蔵庫は容量が100L(リットル)程度。現在、4人家族で400L以上といわれるのに比べて、1/4くらいの大きさだったのです。
その後、研究開発が進み、便利な機能が付け加えられていきました。例えば、自動霜取り機能。以前は、冷蔵庫の内部で霜が凍って氷が付き、冷却能力が落ちてしまうので、その度に氷を取らなければならず苦労したものでした。それが一気に解決されたのです。
また、冷凍機の小型・高性能化や断熱材の保温性・耐久性も向上したことで、外側の大きさは同じでも中の容量が大きくなりました。さらに、冷蔵庫のドアが2つに増え、冷凍食品やアイスクリームを入れておくことができる冷凍冷蔵庫が登場。マイカーでスーパーマーケットへ行って食品をまとめ買いするというライフスタイルが広がり、同時に電子レンジが普及するにつれて、冷凍食品の消費が増え、冷蔵庫も大型化していきました。
いっぽうで、冷蔵庫を廃棄処分した際に出るフロンガスの問題に人々の関心が高まった結果、代替フロンが開発され、新しい製品はすべて切り替わりました。省エネ性能も年々向上し、消費電力は最近の10年間で約半分になっています。
難しい火加減も自動で。電気炊飯器が大人気に!
「はじめチョロチョロ、なかパッパ…」ということばを聞いたことがありますか? これはかまどなどでご飯を炊くときの火加減のコツで、火を点けてしてしばらくは弱火、沸騰してきたら強火にして、という意味です。このように、電気炊飯器が使われる前は薪や練炭、灯油やガスなどの火でご飯を炊いていたので、常に様子を見ている必要がありました。そのうえ、火加減を間違えると芯の残ったかたいご飯になってしまったものです。
1950年代後半からの高度経済成長期に入る頃、技術者の創意と工夫によって火加減を自動的に調節してくれる電気炊飯器が登場すると、たちまち大人気に。その後、次々に改良を重ね、タイマーで炊きあがる時間を設定できたり、保温機能がついたり、マイコン制御によって好みの炊き加減が選べたり、おかゆや玄米ご飯も炊けたり、内釜の素材を変えて遠赤外線を利用したりといったように、新しい技術や材料が次々に取り入れられてきました。
いまでは、「はじめチョロチョロ、なかパッパ…」が理解できるのは、昔ながらのかまどや土鍋、またキャンプのときに飯ごうを使って、薪やガスでご飯を炊くときくらいで、今のライフスタイルではなかなか少なくなってきました。
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