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第2回「自動車の技術1」編 1/2

「まめ知識」へ、ようこそ!

自動車ってとても身近なものだけど、あらためてよく見てみると、

けっこうすごい技術が使われているみたい。

それに、日々進歩してきているって聞くけど、どこがどんなふうに変わったのかな?

じゃあ、さっそく見ていきましょう。

自動車って、見えないところでも進歩してる! 科学技術館で体験もできるよ!

キャブレターから燃料噴射装置へ、燃費も向上!

映画でこんなシーンを見たことはありませんか。追われている主人公が車で逃げようとするが、エンジンがなかなか始動しない。迫り来る追っ手、むなしくキュルキュルと回るスターターの音...。
自動車のエンジンがかかりにくい原因として、かつてはバッテリー弱りと並んでキャブレターの不具合が多かったものです。そんな時はボンネットを開けてキャブレターのスロットルをいじってみたり、点火プラグをはずして、ガソリンで濡れていないかどうか確かめたり。


キャブレターは、エンジンが空気を吸い込む力を利用して燃料を霧状にし、空気と混合して燃焼室へ送り込む装置です。自動車や航空機などに、長い間使われてきました。しかし、燃料があふれたり、冬の朝には空気中の水分がキャブレター内で凍りついたりしてエンジンがかかりにくくなることも珍しくありませんでした。燃料と空気(酸素)を混合する比率は、エンジンの回転数や吸気圧などによって変化するため、常に最適な比率にするには細かな調整が必要です。そこに、1970年代後半の排出ガス規制も加わり、機械式のキャブレターに代わって電子制御式キャブレターが使われるようになりました。さらに、現在ではほとんどの自動車に電子制御式の燃料噴射装置が使われています。


燃料噴射装置は、燃料ポンプによって霧状の燃料を噴射する装置です。これを電子制御式とすることで、キャブレター特有の手間やトラブルが減るだけではありません。センサーからの情報をもとに、車に搭載されたコンピュータ(ECU)が燃料と空気を常に最適な比率に調整するため、効率よく燃焼させることができ、燃費の向上などの省エネや排出ガスのクリーン化にも役立っています。最近ではさらに高効率を追及した、気筒内直接噴射(直噴)エンジンも普及しています。追いかけられている映画のシーンでも、いまの自動車ならキャブレターが燃料噴射装置に置き換わっているので、車のエンジンがすぐにかかるから安心ですね。


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○のところが電子制御燃料噴射装置。燃焼室のすぐ手前で燃料を霧状に吹き出します。
(写真:科学技術館2階 ワクエコ・モーターランド 展示室)
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気筒内直噴エンジンは、燃焼室の内側に直接燃料を噴射します。従来の燃料噴射に比べ高効率に燃焼させることができ、燃費の大幅改善とともに、CO2排出量の抑制にも役立ちます。
(図:日本自動車工業会「日本の自動車技術」より)