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第2回「自動車の技術1」編 2/2

車の軽量化を科学技術館で実体験!

自動車の機能や構造とともに、材料や素材もさまざまに進化してきました。たとえば車のボディは、塗装されているため素材自体を見ることはできませんが、金属をはじめとしていろいろなものが使われています。
なかでも、高張力鋼は重要な素材です。これは鋼(はがね)に熱処理や別の元素を付加したもので、一般の鋼材よりも引張強度が高いため、同じ強さでも薄くできるので、車を軽量化することができます。軽量化は省エネにつながるだけではなく、「走る」「曲がる」「止まる」という自動車の基本的な性能すべてにプラスに働くため、各メーカーが常に研究を続けてきました。

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厚さが0.2mm違うだけで重さがかわる?!を実体感。科学技術館の展示です。(写真:科学技術館4階 鉄の丸公園1丁目「鉄鋼」展示室)

現在では、アルミやプラスチックだけでなく、カーボンファイバーなどさまざまな新素材をボディのさまざまな部分に使った車種が開発されています。
科学技術館では、1975年頃の国産セダンのボンネット板(厚さ0.9mm)と、2000年頃の薄くなったボンネット板(厚さ0.7mm)を展示し、実際に持ち上げて重さの違いを確かめることができるようになっています。ぜひ、体験してみてください。


いろいろな分野の先端技術が満載のカーナビ

1990年代に入ったころから急速に普及が進んだ、カーナビゲーションシステム(カーナビ)。とても便利なものですが、カーナビにはいったいどんな技術が使われているか、ご存じでしょうか。最近のカーナビはいろいろな機能を備えていますが、それらはGPS衛星や車に取り付けたさまざまなセンサーや、さらにネットワーク通信などから得た情報をもとにして実現されています。まず自動車の現在位置を求めるためには、GPS衛星からの電波を利用するほか、車の走っている方向を知るためのジャイロセンサー、走る速さや距離を知るための加速度センサーおよび車速センサーが組み合わされています。また、より正確な位置を求めるために地図情報などによる補正もしています。


地図の情報は、DVDやカーナビ内の大容量ハードディスク、最近ではフラッシュメモリーなどで大きなデータを扱えるようになたことに加え、インターネットなどのネットワークと双方向のつながりができるようになったことで、常に最新かつ詳細な情報を利用できるようになりました。
また、街中の道路沿いに設置されたビーコンから刻々と発信されるVICS情報を受信して、渋滞情報や工事情報なども得ています。カーナビには、ほかにも「走行ルート検索」や「駐車場情報」など多彩な機能がありますが、これらもカーナビとネットワークの相互通信によってさまざまな情報を活用するテレマティクスの技術が進み、さらに機能が向上しています。いずれも省エネや省資源、そして安全にもつながる先進のテクノロジーです。


そして、これらの情報を表示するタッチ式の液晶ディスプレイですが、スマートフォンが登場するまで、身近なタッチ式ディスプレイの普及や技術の向上にもカーナビが一役買ったと言えるかもしれません。
さまざまな先端技術を組み合わせたカーナビが、初めての道でも快適にドライブを楽しめるようにしてくれました。


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日々進化するカーナビゲーション(写真:日本自動車工業会「日本の自動車技術」より)

<関連情報>

科学技術館 メールマガジン 第376号
【2】科学技術館ラボラトリー 科学・技術よもやま話 「プローブ・カー・システム」と「テレマティクス」

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