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第8回「自転車」編 2/2

誰でも簡単に乗れる電動アシスト自転車のすごさ

電動アシスト自転車に乗ったことがありますか?
上り坂で若者が息を切らせながら自転車を立ちこぎしている横を、電動アシスト自転車で涼しげに追い越して快感をおぼえた人も少なくないでしょう。

電動アシスト自転車は、単に自転車にモーターとバッテリーを付けただけではありません。ペダルをこぐ力をモーターが自然にアシストするように、さまざまな工夫が凝らされている、日本が世界で初めて製品化した技術なのです。


まず、自転車の速度を検知するスピードセンサーとペダルをこぐ力を測るトルクセンサーからの情報が、常にコントローラーに伝えられます。それに基づいて、必要な推進力を瞬時に計算してモーターを駆動。その力を、ハイブリッドユニットによって人間がペダルをこぐ力にスムーズにミックスさせています。

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1993(平成5)年、日本のメーカーが世界で初めて電動アシスト自転車を発売しました。
(写真:科学技術館2階 自転車広場 展示室)

日本の公道では、時速24kmに達するとモーターのアシストがゼロになるよう決められているので、そのコントロールも行っています。下り坂やブレーキング時に回生ブレーキというメカニズムを使って、走りながらバッテリーを充電できるタイプもあります。また、モーターを前輪や後輪の車軸に組み込んだハブモーターも、一部の機種に使われています。

いっぽうで、普通の自転車に取り付けて手軽に電動アシスト自転車に改造できるキットも、開発が進んでいるようです。

高度な技術の存在を感じさせずに誰でもすぐに乗れるところが、電動アシスト自転車の真にすごい点なのかもしれませんね。


100年以上前に軍用として使われていた折りたたみ自転車

折りたたみ自転車は新しいタイプのような気がしますが、実は100年以上前に作られていました。
軍用としても活用され、実際に自転車部隊があったのです。知っていましたか?

強度を損なわずに車体のどの部分をどのように折りたたむか、そのメカニズムやデザインはいろいろなタイプが発表されてきました。特に近年は、工業デザインとして優れたものや個性的な形をしたものも多数見られます。


折りたたみ自転車は、まさに目的に応じて生み出されたものといえます。かつて、自転車を持ち運ぶには、サイクリング用自転車の前後の車輪を取り外して輪行袋に入れて列車に乗るという使い方がほとんどでした。

現代では、例えばたたんだ自転車を車に積んでドライブやキャンプに出かけ、目的地で活用するとか、自転車をたたんでエレベーターに乗り、オフィスやマンションの自室に保管するとか、コンパクトにたたんで袋に入れた自転車を持ってバスや電車に乗る人も見かけます。折りたたみ自転車を、自分のライフスタイルにうまく取り入れて活用する人が増えていますね。また、折りたたみタイプの電動アシスト自転車も発売されています。
これからも、いろいろな使い方にあわせた折りたたみ自転車が生み出されていくことでしょう。


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国産初期(1950〈昭和25〉年頃)の代表的な折りたたみ自転車。フレーム中央とハンドルの付け根部分の2か所で大きく分割されて、とてもコンパクトに収納できます。この自転車は当時、日本の大学生が考案したものが製品化され、海外にも多く輸出されました。
(写真左:自転車文化センター特別展示「自転車が語る昭和」展より、写真右:科学技術館2階 自転車広場 展示室)