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第7回「身の回りの家電製品」編 2/2

新白熱電球からLEDライトへ、急速に移行中 !

白熱電球は、アメリカの発明王・エジソンの数多い業績の中でも代表的なものの一つです。電球の中にはフィラメントという光る部分がありますが、エジソンはより長持ちするフィラメントの材料を世界中に探し求めた結果、なんと日本の竹を使うことで、ようやく実用的な白熱電球を作ることに成功しました。


さて、最近、白熱電球が切れたのでお店に買いに行ったら、LED電球しか置いていないと言われた経験はありませんか。白熱電球は、急速にLED電球に置き換わりつつあります。

LEDは、発光ダイオードという半導体素子の一種です。その特長は、何といっても消費電力が少なく長寿命であること。これは地球温暖化の抑制や省資源など、時代の要請に大きく貢献します。

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二重コイル電球(左)やガラス球の内面をツヤ消しにした電球(右)は、いずれも日本で発明された世界初の技術。(写真:東芝未来科学館提供)

さらに、2014年のノーベル物理学賞を受賞した青色LEDの発明と実用化により白色光が得られるようになったことで、テレビやパソコンの液晶ディスプレイのバックライト、道路の信号機や自動車のヘッドライトなど、さまざまな分野に用途が広がっています。ノーベル賞の選考委員会は、「20世紀は白熱電球の時代だったが、21世紀はLEDによって照らされる時代になった」とコメントしています。

LEDはとっても長持ちするので、「電球が切れる」という言葉や「電球を交換していた」ということさえ、私たちはいつか忘れてしまうかもしれませんね。


「エジソンゆかりの竹」

エジソンは1879(明治12)年、竹をフィラメントに採用して電球の実用化に成功。その時の竹は、京都の石清水八幡宮内に生えていたものでした。

1890(明治23)年、日本で初めて製造に成功した実用電球(白熱舎:現東芝)にも同じ竹が使われました。東芝未来科学館には、石清水八幡宮から贈られた竹が植えられています。

(写真:東芝未来科学館提供)

「エジソンゆかりの竹」

見慣れた扇風機に、いろいろなタイプが登場 !

エアコンの普及によって、扇風機を使う家庭が減りましたが、東日本大震災などをきっかけに、エアコンよりはるかに省エネな扇風機が見直されています。

扇風機はモーターで羽根を回すものと誰もが思っていたので、数年前に羽根のない扇風機が登場したときには驚かされました。一見すると、輪の中心の何もないところから風が吹き出してくるように見えたからです。


実は台座の内部に羽根車が入っていて、吸い込んだ風を輪の縁の細い隙間から吹き出しているのですが、周囲の空気も巻き込んで送り出すので、風量が何倍にもなるという仕組みです。普通の羽根タイプよりも消費電力が少なく、騒音も抑えられています。


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1894(明治27)年に開発された、直流エジソン式電動機の頭部に電球をつけた日本初の電気扇風機。(写真:東芝未来科学館提供)

いっぽう、昆虫の翅(はね)など自然界から学んだ特徴ある形の羽根や、7~14枚もの羽根を備えた扇風機も登場しました。これらは、微風時の消費電力が数ワットという超省エネタイプだったり、より多くの風を送るよう工夫された羽根の構造をもっていたり。

このような新しいタイプの扇風機の基本原理の多くが、日本で生まれているそうです。扇風機に限らず、家電には日本発のアイデアがたくさん生かされています。これからも、驚くような扇風機、いや家電がたくさん登場してほしいですね。