所沢航空発祥記念館の運営管理
わが国初の飛行場として1911(明治44)年に開設された「所沢飛行場」は、現在埼玉県によって所沢航空記念公園として整備され、県民・市民の憩いの場となっています。所沢航空発祥記念館は、「日本の航空発祥の地」を記念した航空系博物館として、埼玉県により1993(平成5)年に同公園内に設置されました。この館の建設にあたり当財団は、基本構想にはじまり展示設計・展示施工監理等を担い、その後開館以来30年間運営に携わってきました。現在は指定管理者として運営にあたっています。
展示・大型映像シアターの運営管理
展示館の運営
飛行機やヘリコプターといった実物の機体や体験装置などを分かりやすく解説します。また、科学技術館の運営実績を活用して、来館者とのコミュニケーションを軸としたワークショップコーナーを運営しており、工作や実験を通じて参加者の興味を引き出し、関心をもって展示を見ることができるよう工夫をしています。深い思いやりと丁寧なおもてなしで心地よい空間と学びの時間を提供しています。
大型映像館の運営
航空に関連したテーマの作品やファミリーで楽しめるアニメーション等の作品を上映し、老若男女が親しめる施設を目指しています。また、上映作品と連動してミニクイズラリーや講演会を開催するほか、当財団他部門と連携した科学技術映像祭入選作品上映会等も行い、シアター設備を最大限に活かした企画開催をしています。
教育普及活動
子どもやその保護者を対象として、自然科学や工作の教室を開催しています。航空に関する博物館であることを生かし、模型飛行機をつくる「ひこうき工作教室」のほか、電子工作や化学実験、自然や生き物など多彩なテーマを取り扱う「キッズ・チャレンジ倶楽部」があります。特に、「ひこうき工作教室」は工作完成後に公園内でテストフライトができる利点を活かして、子ども達が楽しく参加できる工作を足掛かりに、航空機及び航空分野への興味・関心に繋げます。
航空に関するイベントの企画運営
多くの県民・市民に航空への興味・関心の拡大・普及を目的としたイベントを企画開催します。航空輸送、航空機製造、整備、航空管制など、すそ野の広い航空に関する分野の企業等との共同催事を計画・実施することで広く話題やニーズを提供します。さらにイベント企画を通じステークホルダーとの関係を強化し、相互に協力し合い新たな付加価値を創生できるよう心掛けています。近年では、航空に深く興味を持つ方々だけでなく、子どもたちや一般の方々に飛行機や航空技術への興味関心を喚起できるテーマを選び、展示パネルや資料を利用した特別展や、専門家を講師として招き講演いただく公開講座など多彩なイベントを企画・開催しています。
施設の運営保守と安全管理の徹底
常設展示はもとより、建屋および付随した設備や機器等の日常的保守など、営繕管理を滞りなく実施するとともに、来館者が安全に施設を利用できるように多方面の安全管理を徹底しています。各種サイン掲示や巡視等による事故の未然防止、防犯カメラや警備員、機械警備等の配置など、保安と安全管理に努めています。また、定期的な消防訓練を実施し、正しく実践につながるようスタッフの訓練と教育を行っています。
資料の収集・保存・活用
所沢航空発祥記念館や所沢飛行場に関する資料の収集と保存、併設された格納庫や収蔵庫の管理と運用を行っています。展示をしていない実物の機体やエンジン等の資料を格納庫に保管し、また航空に係わる収集資料は収蔵庫に保存しています。保管している資料は、格納庫内を見学できる公開イベントのときや展示館で実施する特別展などのイベントの際に展示活用され、多様な収蔵資料を広く公開できるよう心掛けています。
ボランティア
当館では、ひこうき工作教室やYS-11特別公開、格納庫公開などのイベントや展示物の修理、実物の機体の移設などの場面でボランティアスタッフが活躍しています。活動は来館者の受付、誘導、案内や解説、安全管理などを担当し、特にボランティアスタッフの豊富な経験と有用な知識を活用してより詳細な解説を提供し、航空への興味の輪を地元地域と共有しています。
自治体や他団体との連携
埼玉県及び所沢市をはじめとする周辺の自治体・関係団体・関連企業等ステークホルダーと連携し、相互に協力してイベントを企画実施しています。また、航空系博物館同士の情報交換、展示物・収蔵資料の館間貸借、またそれらを基とした特別展の開催等に繋げていくため積極的な連携に努めています。この他、埼玉県博物館連絡協議会、全国科学博物館協議会、全国科学館連携協議会、日本ジャイアントスクリーン協会に加盟しており、他館との連携・情報交換を行うとともに、研修等に参加することで活動の質的向上とスタッフの能力・資質の向上を図っています。