特別展「スポーツを科学する」開催 スポーツを“科学”し、体験する喜びを子供たちに

科学技術館の2023年夏休み特別展「スポーツを科学する」は、人気巡回展示物の久しぶりの当館開催とあって連日大盛況。体を存分に動かしながら科学する喜びを、子供たちに届けました。

「これぞ体験系」といった展示がズラリ

科学技術館では夏休み期間中の2023年8月5日(土)~ 27日(日)の23日間、特別展「スポーツを科学する」を2 階イベントホールにて開催しました。

当館では、他館の企画展やショッピングセンターのイベントなど、科学を身近なものに感じられるよう「巡回展示物」という可搬型のパッケージ展示を全国各地に貸し出しています。今回の特別展は、現在10テーマほどパッケージ化されているこれら巡回展示物の中でもトップクラスの人気を誇る「スポーツを科学する」のパッケージを科学技術館での展示としては18年ぶりに展開することとなりました。
会場には、バスケットゴール、ボルダリングの壁、陸上競技のトラック、エアーホッケーならぬエアーカーリング、スピードガンで投げたボールのスピードが測れるコーナー、3Dのゴーグルをかけて立体映像を前にバッティングが体験できるコーナーなどが出現し、お子さんはもちろん、大人も興味を引くような「これぞ体験系」の展示がズラリ。来館のお客様も、「なにここ? 面白そう!」と、足を止めていただき会場は毎日多くのお客様で賑わいました。

随所に盛り込まれた科学的要素

体験自体は「スポーツそのもの」であるため、一見スポーツとサイエンスは結びつかなさそうなイメージですが「100m走に挑戦」のコーナーの展示のトラックはたったの数mちょっと。「こんなのでなぜ100m走なの?」と、首をかしげるお客さん。実はトラックのゴール付近で2mの区間タイムを計測し、50倍に換算、つまり100m相当のタイムが測れる仕掛けとなっています(もちろん息切れせずにそのスピードで走り切れれば……の話ですが)。世界記録に向けて何度も挑戦するお子さんや、ドタドタと大きな音で走る人がいるな、と目を向ければ、全速力で走るお父さんまで、多くの皆さんにお楽しみいただけたようです。

また、スキージャンプの実験装置では「V字ジャンプ」の効果を実際に風洞装置で実験できるなど、随所に科学的要素が盛り込まれています。

室内で存分に体を動かせる満足感

科学的要素以外にも、スポーツの起源や走り幅跳びなどの世界記録を等身大パネルで表現したコーナー、アスリートからのメッセージを紹介するコーナーなどの解説バナーを展示として展開したほか、会場内でひときわ目立つボルダリングの展示では、手や足をかける「ホールド」(壁に取り付けられた石)のカラフルな色に込められた意味をお客様にご説明すると、「ボルダリング自体は知っていたけれど、ルールは初めて知った!」とおっしゃる方も多く、競技としての魅力を再認識していただく機会にもなりました。

今年はコロナ禍が明けて初めての夏。しかしながら、過去に例のないほどの猛暑日続きで外に出ることさえはばかられる中、涼しい室内で体を動かせる展示に皆さん満足そうでした。

また、展示最終日に近づくと「楽しかったから、どうしても最後にもう一度遊びたくてまた来た」という嬉しいお言葉もいただき、大盛況のもとでイベントを終えることができました。                        

〈科学技術館運営部/経営企画室〉

〈巡回展示物について〉

  • 巡回展示物は「スポーツを科学する」のほか「科学捜査展」「マグネット展」など、さまざまなジャンルの展示を用意し全国各地への貸し出しに対応しております。詳しくは当館ホームページをご覧ください。下記のURLからも巡回展示物ページをご覧いただけます。なお、これらの巡回展示物は貸し出し用に最適化しているため、通常はご来館いただいても常設展示としてご覧いただくことはできません。
  • 今回展示に用いた巡回展示物「スポーツを科学する」は日本財団の助成により製作されました。
  • 巡回展示物のご案内(貸し出しのご案内)