楽しい工作教室「心をいやすオルゴールを作ろう」
小学生とその保護者にポケットオルゴールを制作してもらい、完成品を障害者施設や高齢者施設に寄贈するワークショップ「楽しい工作教室 心をいやすオルゴールを作ろう」を2025年9月27日(土)、科学技術館第3会議室にて開催しました。教室には13組・計28名のご家族が参加し、受け取る人の笑顔を思い浮かべながら、一緒にオルゴール作りを楽しみました。

オルゴールを福祉施設に寄贈。贈る側も心豊かに
このポケットオルゴールの制作・寄贈活動は、特別支援教育を専門とされる南九州大学の山之内幹教授が、学生たちと共に、地元・宮崎県を中心に実践している取り組みです。今回、その活動が東京の科学技術館において、小学生とそのご家族を対象の工作教室として実現しました。講師は、山之内先生が務め、今回は公益財団法人中山隼雄科学技術文化財団と日本科学技術振興財団との共催により実施しました。
ポケットオルゴールとは、山之内先生と学生たちが考案した、カプセルトイ・ケースにオルゴールのムーブメントを固定した玩具です。重度の障害がある子どもや高齢者の方でも、思わず手に取りたくなるような形をしており、ポケットに入れて歩きながら音楽を楽しめます。

子どもたちも晴れやかな顔で「面白かった!」
教室では、冒頭で、このオルゴールが福祉施設に届けられた時の映像を参加者に観てもらい、制作開始。今回は1組につき2つのオルゴールを制作し、1つは持ち帰り用、もう1つは全国の福祉施設への寄贈用としました。
最初は、ドライバーなどを恐る恐る使って組み立てていた子どもたちも、山之内先生の的確なアドバイスや明るい励まし、保護者の方々との協働作業によって、次第に自信を持ち、2個めは手際よく仕上げる姿が見られました。完成後、寄贈用オルゴールを提出する際は、みな晴れやかな表情に。「面白かった! 贈ることは、とてもいいことだと思う」と話すお子さんもおり、ものづくりを通して、思いやりの心が育まれた様子でした。
最後には、山之内先生から参加者全員に、バイオプラスチック製のオルゴールが贈られ、温かな雰囲気の中で締めくくられました。
この活動は、山之内先生が代表を務めるボランティア団体「都城にこにこクラブ」を中心に2020年10月からスタート。2025年9月までに、全国220以上の福祉施設へ2,000個を超えるオルゴールを届けています。作る人も受け取る人も、共に心が癒されるこの温かな取り組みが、さらに全国に広がっていくことを願っています。
〈経営企画室/人財育成部〉