春休みミニイベント「もっと知ろう! 火災と消防」開催
2024年3月、科学技術館の春休みミニイベント「もっと知ろう! 火災と消防」を2階イベントホールで開催しました。このイベントは、「火災と消防」をテーマとした新しい巡回展示物のお披露目と、今後の運用に向けた展示物の検証を目的としています。一週間という短めの開催でしたが、会場には延べ約7,000 人の来場者が訪れ、子供から大人までが、火災の原理や消防の技術を多角的に学びました。「火災と消防」をテーマとした展示物は、今年度も第2期の製作を進め、お披露目も予定しており、2025 年度に運用を開始する予定です。
火災の原理から消防の技術まで
2024 年3 月25 日(月)から3 月31日(日)まで、2024 年春休みミニイベント「もっと知ろう! 火災と消防」を、2 階イベントホールで開催しました。 当館では、科学を身近なものに感じられるよう「巡回展示物」という可搬型のパッケージ展示を、現在は10 テーマほど展開し、科学館・博物館などの公共施設やショッピングセンターでのイベント向けに、全国各地へ貸し出しています。本イベントは、2023 年度日本財団より助成を受けて制作した新たなテーマ「火災と消防」の巡回展示物のお披露目と、巡回展示物としての運用に向けた、展示物の検証を開催目的としました。
火災は、現代においても尽きることなく発生しています。日頃からの防災訓練や注意喚起のニュースを見る機会は多いですが、そもそも火災という現象そのものを深く知る・学ぶ機会は多くありません。そのため、火災の科学的原理や、消防活動の場で活用している技術とその仕組みなど、さまざまなカテゴリーから「火災と消防」を多角的に学べる展示物の必要性を強く感じ、本テーマでの展示物制作が始まりました。 展示物は、「火災を知る(原理関係に関する展示)」、「技術を知る(火災現場で使われる技術の紹介に関する展示)」、「器具を知る(救助器具に関する展示)」、「行動を知る(避難するための行動を紹介する展示)」の4つにカテゴリーを分けて25 点、パネル14 点を制作しました。
子供だけでなく大人も驚く展示物の数々
イベント開催時期は春休みとも重なり、連日多くの来館者でにぎわいました。会場の入退場者数も1,000 人を超える日が多く、1 週間という短いイベント期間ではありましたが、累計では約7,000人もの来館者に来場いただきました。
会場では、家族や友人同士で、一緒に話し合いながら見学している姿をとても多く見かけました。中でも印象的だったのは、ほとんどの大人が、火災の原理や消防現場で使われる技術について「知らなかった」と、驚いていたことです。 会場のアンケート結果でも、全体の約6 割が、展示内容について、ほぼ知らない、または半分知らないと回答していました。ですが、来館者一人一人によって、「知らなかった」内容はさまざまです。展示物が面白かったかどうかについての回答結果も、どれか一つの展示物に突出せず、横に並びました。それらの結果から、目的であった「火災と消防」を多角的に学べる展示物として、十分に効果があると実感できています。
2024 年度にも日本財団の助成を受けて、脱出ゲームのような要素も取り入れたシミュレーション体験型の展示物を、本イベントの続編として制作しています。2025 年度には、それらを併せて巡回展示物の一つとして運用する予定です。2025 年3 月頃には、本イベントと同様の形でお披露目できるよう、準備を進めていきたいと思います。
〈 科学技術館運営部 蔵居 悠〉