「くすりの部屋-クスリウム」に大型展示物 新登場


日本製薬工業協会出展による科学技術館3階展示室「くすりの部屋―クスリウム」で、約5年ぶりに大型新展示物を追加し、2025 年3月21 日(金)にお披露目しました。今回登場した3つの新展示についてご紹介します

「ミクロアドベンチャー くすりの旅」 カプセル型の体験装置を体重移動で動かすことで、各ステージ全4問のクイズに体の中を探検しながら回答する

「くすり」の世界への扉を子どもたちに開く

 科学技術館3階「くすりの部屋―クスリウム」展示室は、2016 年の公開以降も、情報の更新や展示の追加が行われています。今回、約5年ぶりに大型の新展示物追加があり、2025年3月21日(金)に公開しました。

 研究開発志向型の製薬企業が加盟する日本製薬工業協会(製薬協)の出展協力による「くすりの部屋―クスリウム」は、子どもたちにくすりの研究者・医療やくすりに関わる職業を目指してもらう意欲を育むことも目的とした常設展示室です。コロナ禍を経て、ますますその重要性が認識されたこの分野について、次代の研究者や職業人になるかもしれない子どもたちに一層の興味を持ってもらえるよう、新展示を科学技術館側から企画・提案し実現に至りました。

「創薬パズル 新しいくすりができるまで」 同展示室で以前から紹介している創薬のプロセスについて、既存の展示パネル背面を活用してパズルを新設

くすりへの関心を育む3つの新展示の魅力

 目玉は「ミクロアドベンチャー くすりの旅」。展示室全体の意匠と同様、外観はカプセルになっており、ここに乗り込むことができます。トロッコが走る演出のクイズ番組のように、体験者がカプセル型の体験装置を傾けて出題される問題に回答していく展示物です。体の中の探検を通じて、体験者はくすりの吸収や排泄、免疫やワクチン、オーバードーズへの注意喚起などを学びながら“ クリスタル” をゲットし、“ クスリウムマスター” を目指す構成としました。

 また、以前から紹介している創薬のプロセスに関連した新展示「創薬パズル 新しいくすりができるまで」を設置しました。円形の数字パネルを並べることで、新薬ができるまでのプロセスである基礎研究から臨床試験、承認申請などの流れが分かります。

 併せて、正面からフラッシュ撮影すると文字や画像が浮かび上がるフォトスポットも設けました。白衣も貸し出し、研究者気分でくすりの世界への入口をくぐってもらえる場所としています。

〈科学技術館運営部 松浦 匡〉