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第7回「身の回りの家電製品」編 1/2

「まめ知識」へ、ようこそ!

えっ、ハンドルを手で回して洗濯物を絞った? 電球の芯は日本の竹? いったいなんのこと? ふだん見慣れた家電製品も、昔は違う形でした。さらに、見たことがない新しいものも次々に出てくるから、楽しみですね。

では、さっそく見ていきましょう!

いまの家電製品は何がどうなっていて、どこが違うの? どんなふうに便利なの?

紙パックがいらない掃除機やお掃除ロボットも !

電気掃除機は、たいていの家庭にある代表的な家電製品の一つです。明治時代にアメリカで発明され、日本にも輸入されていました。また、1931(昭和6)年には日本製の第1号が発売されています。
その後、長年にわたって、モーターでファンを回して空気を吸い込み、フィルターでゴミを取るという構造はほとんど変わりませんでした。


しかし、いまから約30年前にサイクロン式の家庭用掃除機が登場。これは、吸い込んだ空気を本体内で高速回転させ、その遠心力でゴミと空気を分離するというもので、ゴミを回収する紙パックなどが不要で、大きな話題になりました。
その後、いろいろなメーカーから、この方式の掃除機が出されています。


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1931(昭和6)年に発売された、米国社製をモデルに開発された日本初のアップライト型真空掃除機。当時は、給料の何倍もするような高価な家電でした。
(写真:東芝未来科学館提供)

さらに2000年代に入ると、人間が操作しなくても全自動で床掃除をしてくれるお掃除ロボットが発売されました。部屋の中を走り回り、障害物や階段はセンサーで感知して衝突や落下を避けながら掃除をして、内蔵バッテリーの残量が少なくなったら自分で充電ドックに戻るという「おりこうさん」ぶりに、多くの人が驚きました。

こうして、私たちの暮らしは少しずつ変わっていくのですね。


洗濯機は一槽式から二槽式へ、再び一槽式へ

今から約50年前の昭和30年代、一般家庭で使っていた洗濯機の多くには手動式の絞り機が付いていました。これは、洗い終わった衣類などを2本のローラーの間に挟み、ハンドルを手で回して水分を絞り出すという仕組み。押しつぶされてペッタンコになった衣類が出てくるので、それを広げて干したものです。


その後、電気洗濯機はいろいろな機能が進化し、洗濯槽と脱水槽の二槽式が出て、さらに全自動タイプでは一つの洗濯脱水槽で洗濯からすすぎ・脱水までできるようになり、現在は乾燥機付洗濯機も普及台数が増えています。


洗濯機には、大きく分けて洗濯槽が縦型のタイプと横または斜めになっているドラムタイプの二つがあります。ドラムタイプは洗濯物の出し入れが楽ですが、洗い方そのものが縦型タイプとは異なっています。すなわち、洗濯槽の中で洗濯物を持ち上げては落として洗う「たたき洗い」方式なのです。使う水の量も少なくてすみます。

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1997(平成9)年に発売された、新開発のダイレクトドライブモーターの採用で騒音と振動を飛躍的に低減させた全自動洗濯機。ライフスタイルが変化する中、集合住宅や深夜でも気がねせずに使える洗濯機として開発されました。
(写真:東芝未来科学館提供)

また、2000年代の半ばころには「空気で洗う」という機能を持った洗濯機(実際にはオゾンを利用)が発売されたこともありました。


かつて、洗濯は家事の中でも重労働のひとつでした。洗濯機が登場したころの広告に、1年間の洗濯物の重さは動物園のゾウに匹敵すると謳われたほどです。けれども、電気洗濯機が普及し始めて数十年の間に、家事における洗濯の大切さは変わらないものの、時間に占めるウエイトはだいぶ減りました。これには、洗剤の発達なども大きな役割を果たしていますが、何より洗濯機の技術的な発展が貢献したことは間違いありません。