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第6回「家電の技術1」編 1/2

「まめ知識」へ、ようこそ!

スイッチを押すだけでおいしいご飯が炊けたり、掃除をしてくれたり、部屋の中を快適な温度に保ってくれたり。いまの家電製品はとても便利だけど、実はマイコンというものが入っているからなんだって !

マイコンって、なんのこと? さあ、さっそく見ていきましょう。

ボタンを押すだけで、あんなことやこんなことも。それって、マイコンのおかげです!

ほとんどの電気製品に使われているマイコン

「マイコン」って、聞いたことがありますか ? 「パソコン」に似ているけど、違うのかな・・・。
普段、私たちがマイコンを目にすることはほとんどありませんが、実は身の回りに既にたくさんあるのです。


マイコンとは、電気製品などの中に組み込まれて、演算処理や制御など多彩な機能を発揮する半導体チップのこと。メモリーに入っている専用のプログラムに応じて、いろいろな働きをしています。

1970年代に登場したマイコンが最初に使われたものの一つが電卓でした。マイコンによって、電卓の小型化・高機能化・低価格化が急激に進んだのです。その後、1980年代ころからいろいろな電気製品に続々と使われるようになりました。

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マイコン(中央の黒いチップ)が基板に実装され、家電製品などの中に入っています。
(イラスト:ルネサス エレクトロニクス株式会社提供)

いまでは、ちょっと家の中を見回しただけでも、電気で動くもののほとんどにマイコンが使われています。例えば冷蔵庫や洗濯機、電子レンジ、テレビ、照明器具、デジタルカメラ、スマートフォン。外に出れば、自動販売機や駅の券売機、ビルのエレベーターや空調機、オフィスの多機能コピー機、自動車やバイクや電動アシスト自転車、金融機関のATMや病院の医療機器、工場のロボットなど、限りがないほどです。

マイコンは、こういったものを使いやすく、しかも多機能・高機能化や小型軽量化するために役立っています。私たちの暮らしは、マイコンによってずいぶん便利で快適なものになっているのですね。


マイコンでこんなに便利に、こんなに省エネ !

マイコンによってどんなふうに便利になったか、具体的に見てみましょう。

例えば、電気炊飯器。米のうまみを十分に引き出した、ふっくらとしたおいしいご飯を炊くための微妙な火加減の調整を、マイコンが行っています。また、普通の白米だけではなく、玄米やおかゆ、雑炊やケーキまで作れるのもマイコンのおかげです。最近では、お米の品種によっておいしく炊き分ける機能を持ったものも登場しているそうです。


次はお風呂。50年前を振り返ってみると、薪や灯油、ガスを使って、ときどき湯加減をみながら風呂を沸かし、家族の誰かが大声で「お風呂が沸いたよ ! 」と叫んだものでした。今は違います。設定した時間に沸き上がるよう自動的にお湯が出て、浴槽がいっぱいになったら停止し、そのうえ「お風呂が沸きました」と優しい音で知らせてくれます。もちろん、湯加減はぴったり。これらはすべて、マイコンによって可能になった機能です。


いっぽう、マイコンは省エネにも大きく役立っています。ムダを減らして効率的に動作させるとともに、そのために使う人が何かをがまんしたり不便になったりすることがないよう、きめ細かく配慮しています。

マイコンがたくさん使われているものの代表が自動車です。ECU(Electronic Control Unit)と呼ばれるマイコンが、1台の車に50~100個以上も使われています。一つ一つのマイコンが、例えばエンジンを制御したり、ABS(アンチロック・ブレーキシステム)をコントロールしたり、ドアミラーを制御するといったように異なった役割を果たしており、それらがネットワークでつながっています。いまの自動車は、マイコンで走っていると言えそうですね。