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第3回「オーディオ・ビジュアル」編 2/2

オーディオはレコードからCDへ、アナログからデジタルデータへ

音楽を楽しむ環境は、この50年で大きく変わりました。
約50年前、音楽再生のメインはレコード。LPレコードや小型のEPレコードを可搬型の電蓄(ポータブルレコードプレーヤー)という小さなプレーヤーにのせ、トーンアームの針を注意深く置きます。そうすると、ピシピシッというわずかなノイズとともにスピーカーから音楽が聞こえてくるのでした。


レコードの盤面にキズやほこりが付いたり、指紋や手の脂が付くとカビが生えて、いずれもノイズのもとになります。さらに、レコード盤自体も割れたり熱で歪んだりするので、取り扱いには注意が必要でした。また振動によって針が飛ぶこともあるので、レコードをかけている時に室内を歩く際は、そうっと気をつけなければならなかったほどです。


やがて、小型で取り扱いが容易、しかも高音質というCDがレコードに取って代わり、いまでは家の中でもDVDでライブコンサートを見ながら音楽を楽しんだり、デジタルオーディオプレーヤーやスマートフォンでいつでもどこでも気軽に音楽を聴くことができます。
いっぽうで、いったんは消滅するかと思われたレコードが再評価され、レコードプレーヤーが相変わらず店頭に並んでいるのはおもしろいですね。


録音再生は、かつてはオープンリールのテープデッキでしたが、それがカセットテープになり、ラジオとカセットが一体となったラジカセが若者の必需品と呼ばれ、日本のメーカーが開発した携帯型ステレオカセットプレーヤーが世界中で大ヒットし、やがてMDも登場。いまでは、デジタルデータ化された音楽とインターネットが融合してさまざまな形で楽しめるようになっています。
さて、これから50年後の人々は、どんなふうに音楽を楽しむのでしょうか。


映像機器は小型化・低価格化で一般家庭に普及

かつて、録画再生ができるビデオテープレコーダーは、放送局用など非常に高価で大型のプロ用機材しかありませんでした。
テープ自体も、オーディオと同じようにオープンリール方式だったのです。それがエレクトロニクス技術の発展と、日本をはじめとした各国のメーカー各社による絶え間ない技術革新で小型化・低価格化が進み、テープも取り扱いがしやすいカセット方式になって一般家庭にも広く普及していきました。


カセット方式になったことで、民生用のビデオカメラへの応用も進み、さらに小型軽量化と低価格化があいまって、それまでの8mmフィルムカメラに取って代わりました。

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1996(平成8)年に発売された、世界初のDVDプレーヤー。CDと同じ直径12cmのディスクに映画1本分を収録できるうえ、高画質・高音質・多機能を実現するという画期的なものでした。(写真:東芝未来科学館提供)

また、音楽の分野でアナログのレコードがデジタルのCDに置き換わったように、ビデオテープへの記録方式もアナログからデジタルへと移り、さらにDVDやBD(ブルーレイディスク)、パソコンと同じようにハードディスクや、デジタルカメラに使われているSDカードにも記録できるようになり、それに応じてレコーダーも次々に新しいタイプになりました。
いまでは、自分で放送番組を録画したり映画や音楽のDVDを買ったりレンタルしなくても、好きなときに好きなコンテンツをネットワークを通じて楽しむことができるビデオ・オン・デマンドのサービスが既に始まっています。オーディオ・ビジュアルの分野は、これからもどんどん進化していくでしょう。