公益財団法人日本科学技術振興財団

ご挨拶

理事長
公益財団法人 日本科学技術振興財団
理事長 榊原定征
 2011年4月に公益財団法人として、新たな一歩を踏み出した日本科学技術振興財団は、1960年(昭和35年)4月に科学技術振興に関する諸事業を総合的に推進する民間の財団として設立されて以来、科学技術の理解増進と社会への啓発に努力してまいりました。その中核的施設である科学技術館は、青少年を対象とする社会教育施設として、毎年60万人以上の入館者を迎えており、2012年2月には開館以来、延べ2,800万人の入館者実績を記録するに至っております。
現在、日本経済は円高、電力等のエネルギー問題をはじめとするいわゆる、「六重苦」や少子高齢化への対応など、社会的な課題が山積しています。資源の乏しい日本が、こうした目の前にある課題を解決し乗り越えるためには、「ものづくり」立国として科学技術や産業技術の向上によってイノベーションを推進し、貿易立国としての国の形を強固にすることが欠かせないと強く感じています。一方、次代を担う青少年の理科離れが進行すると、わが国の「ものづくり」が立ち行かなくなる恐れがあります。

 私は高校生の時、ある科学雑誌で「夢の新素材・将来は飛行機の材料に!」という小さな囲み記事を読んだことが、自らの人生を決めるきっかけとなりました。日本人が発明した「炭素繊維」という未知なる素材が世界を変えるかもしれないという記事に心が高揚したことを今でも鮮やかに覚えています。そしてこの思いが、化学メーカーへ入社し、その実用化に向けて自分も携わりたいとの動機になり、40年近くかけて最新鋭の航空機や自動車に採用を広げるなど、その夢を叶えることができた経験を持っています。
 日本の「ものづくり」が世界をリードし続けるためには、高い志を持った科学者や技術者が多数必要です。そして、そのような人々を育成するためには、社会的教育の場でのきっかけ作りや動機作りの機会が不可欠です。そのような場を提供するため、当財団が果たす役割は非常に大きいと感じています。当財団の事業を通じて、青少年の皆さんが科学技術の面白さ、「ものづくり」の楽しさを体験して科学技術に憬れ、理数系の高等教育課程へ進んで、自らの将来に夢と目標を持ち、それを実現することを願っています。
 当財団は、時代の進む方向を視野に入れながら、財団創設以来の理念に基づいて青少年をはじめ広く国民全体の科学技術、産業技術に対する関心と理解を深めるための環境づくりを推進し、社会が必要とする人材の育成に貢献したいと念願しております。また、この目的を達成するため、政府が推進する科学技術振興事業との連携を図りながら、産業界の積極的な支援を仰ぎつつ、国際社会への関わりも深めてまいる所存であります。
 今後とも当財団の活動をご理解いただき、一層のご支援とご協力を賜りますようお願い申しあげます。


公益財団法人日本科学技術振興財団


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