自然と友だち


春を待ちながら

 我が家の中へ入ってくる小鳥を見たいと訪ねて来られる方がおり、一緒に見ながら、日々変わったしぐさをする小鳥の写真を撮っています。それらの写真と、春待つ気持ちの早春賦と、諏訪湖の御神渡りの今昔をご紹介させていただきます。


撮影・解説:加納巌

加納さんに質問やメッセージをどうぞ。
http://www3.jsf.or.jp/mlmaster/



 

ジョウビタキが家の中へ 沢底の福寿草 小鳥の餌場の変化 早春賦 セツブンソウの花が咲く
ジョウビタキが家の中へ 沢底の福寿草 小鳥の餌場の変化 早春賦 セツブンソウの花が咲く
サンルーム内が大賑わい キッチンに入るメジロ キッチン内のヤマガラ 結氷しない諏訪湖
サンルーム内が大賑わい キッチンに入るメジロ キッチン内のヤマガラ 結氷しない諏訪湖



 





【ジョウビタキが家の中へ】
2020.1.13
昨夜、サンルームのカーテンを閉めたら、ジョウビタキが家の中に入ってきていました。ジョウビタキが家の中に入ってきたのは、これまで一度も無く大変珍しいことです。ライトを点けて驚かさないようそっと写真を撮りました。
 朝7時30分、ジョウビタキは朝日を浴びて止まり木に止まっていました。8時過ぎになって、ヤマガラが入ってきたら、2羽は縄張り争いでしょうか、口を大きく開けて対峙しました。その後はお互いに近づかないよう離れて、花の上や花棚で過ごし、昼頃には2羽とも外へ出て行きました。


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【沢底の福寿草】
2020.1.17
暖冬と言われ、各地で春の花が咲き始めているとの情報がありますので、今日は辰野町の福寿草の里、沢底へ行ってみました。日陰にはまだ雪が残っていましたが、南向きの土手の枯れ草の中には、数株の福寿草の花が咲いていました。黄金色の花をいっぱいに開いた株を撮って来ました。福寿草祭りは、来月中旬と言われますので、日ごとに開花が進むことでしょう。福寿草の咲く土手の近くには乳房の大きな山羊が立っていて、ふれあいセンターの軒下には福寿草祭りに使われる、氷り餅が沢山吊るされていました。


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【小鳥の餌場の変化】
2020.1.26
小鳥が餌場を巡る行動で、最近は少し変わった様子が見られるようになりました。
 従来庭で一番威張っていて、他の小鳥達を追い払い餌場を占有していたヒヨドリが、最近は集団で来るツグミやムクドリにその場を追われ、餌場を明け渡す傾向が見られるようになったこと、メジロが体の大きな鳥に追われずに、安心して食べられるように用意した、棒を立てた串刺し餌場や、ブランコ餌場、花篭の中の餌場を積極的に活用して餌を食べる傾向が増えてきたこと、ヤマガラ、シジュウカラがヒマワリの種を咥えて枝の上で皮を剥いで食べていたものが、ヒマワリの種を咥えてもその場を離れることなく鉢の縁などで皮を剥ぐようになったことなどの様子が多く見られるようになりました。又、これまであまり口にしなかったリンゴの串刺しを、スズメが頻繁に食べるようにもなりました。
 こうした行動の変化は、小鳥の物真似行動の一端であり、餌をよりたやすく確実に得ようとする進化の過程かと思われますので、興味深く観察していきたいと思います。
ツグミに餌場を譲る
ムクドリに餌場を奪われる
串刺し餌場
ブランコ餌場
花鉢の餌場
ヤマガラ、シジュウカラが、餌を咥えて木の枝などで皮を剥いで食べていたが最近は餌を置いた鉢を離れずに、その場で皮を剥いで食べる


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【早春賦】
2020.1.29
気温15度、暖かい昼下がり、サンルーム内で本を読んでいたら、開いているページにオツネントンボがきて止まりました。その後近くにある梅の花に移動したのを見て、この分だと春の訪れを見られるかもしれないと、春一番の撮影ポイントである、荒神山の南向きの土手へ行ってみました。
 黄色いロウバイとマンサクの花が咲き始めていました。足元のオオイヌノフグリの花にはミツバチが気ぜわしく走り回っており、タンポポの花にはキタキチョウが止まっているのを見ることが出来ました。立春前の早春賦、暖冬のためでしょうか。


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【セツブンソウの花が咲く】
2020.1.31
暖冬のためでしょうか、昨年雪の中で咲き始めたセツブンソウを撮影したのが2月17日だったのに、今年は半月も早く、今日1月31日、雪のない土の中から真っ白いセツブンソウの花が4輪咲いているのを見かけました。可憐な花に、心温まる思いで写真を撮ってきました。


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【サンルーム内が大賑わい】
2020.2.5
この日は、私の主催する高齢者の集いがあり、午前中家を留守にしましたが、昨夜メジロが4羽サンルーム内に泊まっていたので、いつでも外に出られるようにと、サンルームの戸を少し開けておいたところ、帰ってきたらサンルーム内は大変なことになっていました。体の少し大きなヒヨドリが2羽とツグミが2羽、それにいつものメジロが2羽入ってきていて、テーブルの上の食べ物は食い散らかし、コーヒーカップはひっくりかえしになっており、床には大きな鳥の糞が落ちていました。早速戸を全部開け、鳥たちを外に出し、サンルーム内の大掃除を行いました。1時間程かけて掃除を終えたら、これまで大きな鳥に追われて食事が出来なかったのでしょう、早速メジロがなかに入ってきて、テーブルの上で食事をしました。


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【キッチンに入るメジロ】
2020.2.5
立春も過ぎ、今年は庭に来る数の少なかったメジロが、ようやく10羽ほどになりました。家の中に入ってくるメジロも4羽になりました。今日は4羽のうち1羽がキッチンにまで入りこみ、ガサゴソと食べ物を探していました。


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【キッチン内のヤマガラ】
2020.2.7
今日は、メジロ4羽に続いてヤマガラが2羽サンルームに入ってきました。そのうち1羽のヤマガラはサンルームから居間に入ってきて、部屋の中をあちこちと移動した後、夜になるとキッチンに入り込み、食べ物を探し始めました。どこで見つけたのかヒマワリの種を咥え水道のパイプの上で皮を剥いで食べたり、コップの水を飲んだりしていました。居心地がよいのか、そのままキッチン内で眠りました。


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【結氷しない諏訪湖】
2020.2.9
今年の湖上の水鳥たち

諏訪湖が、今冬は全く凍らないというので出かけてみました。湖面が全面結氷すると諏訪湖にいる水鳥たちは泳ぐことが出来ず、唯一氷の張らない岡谷市を流れるの横川が湖に流れ込む河口の一画に集結し、沢山のカモ類をはじめ、シベリアから渡ってくるコハクチョウも何十羽と見られ、諏訪湖の冬の水鳥鑑賞地となっているところへ行ってみましたが、今年は諏訪湖が凍らないため、水鳥たちはあちこちに分散し、ここには少ない数の水鳥しかいませんでした。コハクチョウも6羽しか見ることが出来ませんでした。
2013年2月、7年前の湖上

左の写真は、今から7年前、2013年2月に撮影したもので、メールマガジンの当コーナー『自然と友だち』の創設者である故松田邦雄先生が、科学技術館のスタッフの皆さんと、諏訪湖のハクチョウを観察に見えられたときに同じ場所で撮影したものです。ハクチョウが沢山来ていました。
2018年2月の御神渡り

一方、諏訪湖の冬の名物である「御神渡り−おみわたり」については、気温が−10度以下の日が数日続くと湖全面が結氷し、厚さを増した氷がせり上がって出来る高さ1メートル余、全長4キロに渡る氷の山脈現象です。伝説では、諏訪市にある諏訪大社上社にいる男の神様が、下諏訪町の下社にいる女の神様のところへ通われる道筋とされていることから御神渡りと名付けられていますが、今冬は氷が張らないため御神渡りは見られませんでした。
 この写真は、今から2年前、2018年2月、この年は異常寒波の襲来で、久し振りに諏訪湖が一時全面結氷したと言うので、出かけて撮った御神渡りの写真です。これ以後結氷は見られず、御神渡りの貴重な最後の記録写真になるだろうと思われます。
今年の撮影では、湖面に氷は全く見られず、湖面全体にさざ波が立っていました。半世紀あまりの間に、地球の温暖化が、諏訪湖の氷にもこんな大きな変化を及ぼしていることを痛感させられた一日でした。
2020年2月の諏訪湖。さざ波が立っていました。


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