自然と友だち


冬の信州から。皆さん、よいお年を

 今年も残り少なくなり、この1年間「自然と友だち」をご覧いただきありがとうございました。冬になると信州では昆虫との出会いが少なくなりますので、冬の信州らしい被写体を見つけてお伝えしたいと思っています。
 皆さん、よい新年をお迎えください。


撮影・解説:加納巌

加納さんに質問やメッセージをどうぞ。
http://www3.jsf.or.jp/mlmaster/



 

庭の小鳥たち スズメの水浴び ジョウビタキがやって来た 落ち葉のシンフォニー 熊棚(くまだな)
庭の小鳥たち スズメの水浴び ジョウビタキがやって来た 落ち葉のシンフォニー 熊棚(くまだな)
しだれ栗の造形美 サイカチの実 卵嚢とカマキリ ワタムシの仲間(雪虫) ジョロウグモの産卵
しだれ栗の造形美 サイカチの実 卵嚢とカマキリ ワタムシの仲間(雪虫) ジョロウグモの産卵



 





【庭の小鳥たち】
2019.12.4
庭に面したガラス戸を水洗いしたので、ガラスの汚れ、曇りがなくなり、家の中から庭に来る小鳥たちの様子がよく見えるようになりました。午後2時半、スズメが集団でやってくると、続いて他の小鳥たちもやってきます。
 メジロが2羽、餌台の熟し柿を啄み、ヒマワリの種を置いた餌台にはヤマガラとシジュウカラが交代でやってきて、ヒマワリの種を咥え近くの木の枝でコツコツと皮を剥いで食べています。ジョウビタキのためにと木株に挿して置いた、マムシグサの赤い実をヒヨドリが咥えて丸呑みにしています。食べるものが違うので、今のところ争いはなく、少し食べると次の餌場へと飛び立っていきます。


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【スズメの水浴び】
2019.12.5
気温9度、淡い晩秋の陽射しの庭先きで、1羽のスズメが水を飲みに来ました。すると何羽かが集まってきて水浴びを始めました。びしゃびしゃと競って水しぶきを飛ばしての水浴びです。周りにも何羽かが寄ってきて交代で水浴びをしていました。冷たかろうと思いましたが、意外と気持ちよさそうに水浴びをしており、何羽も入って水を飛ばすので、器の中の水が少なくなってしまいました。


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【ジョウビタキがやって来た】
2019.12.9
待望のジョウビタキが今日庭に姿を見せ、マムシグサの実を啄みました。これまで毒があるからと言ってジョウビタキ以外の鳥は食べなかったマムシグサの実を、今年はヒヨドリが食べるようになり、ジョウビタキは来ると一粒咥えては飛び去り、一日4〜5回来るだけですが、ヒヨドリは大食漢なので一度に数粒を丸呑みにしてしまいます。マムシグサの実はジョウビタキ専用の食べものにし、ヒヨドリには熟し柿、ヒヨドリジョウゴ、カンボク、サルトリイバラなどの実を置いてあるので、それを食べてほしいと思うのですが、自然の小鳥達、自然は自然にと見守るしかありません。
 一方、メジロは今日から花かごの中に好物の熟し柿を入れたので、体の小さいメジロは、その中に入って、他の鳥に邪魔されることなく食べています。


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【落ち葉のシンフォニー】
2019.11.20
モミジの赤、イチョウの黄、雑木林の混色、木々の枝を飾っていた葉が落ち葉となって、下に錦のジュウタンを敷く沢川に落ちた葉は、小さな淵で回転しながら、水底、水面に美しい絵模様を描き、川の流れの中の岩の上に載った葉は、しぶきに濡れながら岩を飾り、波に打ち寄せられた葉は、幾重にも重なりあって束となっています。
 カラマツの林の中で耳を澄ますと、風もないのに黄色く細かな葉が、さらさらと降り散るかすかな音が、時雨音のように聞こえ、雑木林の中に足を踏み入れると、長年の落ち葉が堆積した腐葉土が、柔らかい弾力を、快く靴の底に感じさせます。 しばし、悠久の時を感ずる、午後のひとときでした。


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【熊棚(くまだな)】
2019.11.18
辰野町王城山の山路をバイクで走っていたら、目の前に大きな『熊棚』がありました。今年はあちこちで熊の出没があると聞き、この山路にも「熊に注意」の看板が出ていました。熊が木に登り、ナラ・ドングリ・クリなどの実を、枝ごと折って食べ、その枝を尻の下に敷いて出来たのが熊棚だそうです。熊の一時の休息所にもなっていると言われますので、写真を撮って早々に立ち去りました。


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【しだれ栗の造形美】
2019.11.17
今日は、辰野町小野の「しだれ栗」自生地へ、奇木撮影に行ってきました。葉が落ち裸となった老木が、奇妙な姿を見せていました。何故こんな樹形になったのか不思議ですが、自然のつくりだした造形美と言うべきでしょう。


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【サイカチの実】
2019.11.30
サイカチの実がなっているというので、案内してもらい小横川沿いの林に行ってみました。樹高15メートルほどの大きな木に、茶褐色の莢が沢山ぶら下がっていました。サイカチの木は珍しく、これより上流に「宿の平」という地籍があり、そこに辰野町の天然記念木に指定された樹齢200年とも言われるサイカチの古木があり、その実が流れ下って根付いたと言われます。その古木には花は咲けども実のなるのは10年に一度くらい、しかもサイカチの種子は堅い莢に包まれている「硬実種子」で、莢を破るか腐植しない限り、何年たっても発芽しないと言われるので繁殖の難しい樹木とされています。サイカチの幹、枝には鋭い棘があり猿などの獣も木に登ることが出来ません。落ちている莢を拾ってきて、振るとカサカサと音がしますので、中にある種を見ようと、硬い莢を鋏で切って開いて見ました。1センチ足らずの黒く小さな種子が莢の中に並んでいました。サイカチの実を見るのは初めてです。花は6月頃咲くというので、来年は花を撮影したいと思います。


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【卵嚢とカマキリ】
2019.11.18
庭の冬支度をしていたら、今年も木の枝にカマキリが卵を産み付け、力尽きたのか、産み付けた卵嚢のすぐ近くで死んでいる姿が見られました。死んでも尚、自分の産んだ卵を守っているかの様子に、感動と哀れさを覚えます。


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【ワタムシの仲間(雪虫)】
2019.11.24
秋の終わりになると、庭先にワタムシの仲間が舞うのを見かけます。今朝は数匹のワタムシが舞っていましたので、そっと捕らえ黒い板のうえに置き写真を撮りました。
 ふわふわと綿くずが舞っているように見えますが、捕らえるとき注意しないと、すぐに潰れてしまいます。そっと手のひらの上に載せ、黒い紙の上に置き、接写レンズで撮りました。アブラムシの一種で翅が生え、体から出る蝋物質の真っ白い綿毛を腹部に付けています。綿を沢山付けているもの、少ないものもあり、このワタムシがでると雪が降るといわれ、別名・雪虫ともいわれますので、近く雪が降るかもしれません。


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【ジョロウグモの産卵】
2019.11.29
小鳥の餌台を作ろうと、昨日庭先に置いた板に、今朝見たらジョロウグモが卵を産み付けていました。板面に糸を張り詰め、その真ん中に丸い卵嚢を作ってあり、産卵したクモが側に付き添っていました。折角産卵したのだから、鳥の餌台には違う板を使うこととし、そっとしておいたら午後には、クモが居なくなっており近くを探したら、庭木の枝に糸を張って、そこにじっとしていました。


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