自然と友だち


自然の生きものへの慈しみを

 各地に、ゲリラ的に発生した豪雨による惨状には、心からのお見舞いを申し上げるとともに、私たちが追い続けている自然の生きものにも大きな懸念が生じています。今まで普通に見られていたチョウが姿を消したり、種類・数ともに減少、水鳥やスズメの姿も見られなくなっています。自然を大切に、自然の生きものへの慈しみを大事にしていきたいと思います。


撮影・解説:加納巌

加納さんに質問やメッセージをどうぞ。
http://www3.jsf.or.jp/mlmaster/



 

チョウの吸水 ヤママユガ アシナガグモ アゲハ蝶に挑戦したコカマキリ 見慣れぬ昆虫との出会い
チョウの吸水 ヤママユガ アシナガグモ アゲハ蝶に挑戦したコカマキリ 見慣れぬ昆虫との出会い
昆虫たちの態様を撮る しゃくとり虫 クサグモ 見られなくなった水鳥
昆虫たちの態様を撮る しゃくとり虫 クサグモ 見られなくなった水鳥



 





【チョウの吸水】
2019.8.14
台風の接近が予報されるお盆の14日、今年もあの美しいミヤマカラスアゲハの集団吸水場面に遭遇いたしました。小横川の上流、道が狭くなり、山肌から水が浸みだし少し平らになったところに湿地が出来、そこに10数頭のミヤマカラスアゲハが集まっていました。じっと静止して吸水しているもの、小さく翅を震わせながら吸水しているもの、ゆっくりと周りを舞っているものなどがいましたが、間近でよく見ると、口吻を地面に伸ばして吸水しながら、お尻からピュッピュッと放水しています。冷水を体の中を通して体を冷やしているようにも見えます。少し離れたところにオナガアゲハが1頭だけで吸水しており、またスミナガシが2頭、真っ赤な口吻を伸ばしていました。あまり近づくと舞い立ってしまいますので、2メートル程離れたところで、1時間ほどゆっくりと観察、撮影をさせてもらいました。まだ心残りはありましたが満足して帰りました。


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【ヤママユガ】
2019.8.27
前夜に入ってきたのか、今朝、オスのヤママユガがカーテンに止まっているのを見つけました。カーテンを開けたら床に落ち、翅を広げてじっとしていましたので写真を撮りました。触角が見事なので、アップでこれを撮り、また正面から顔も撮らせてもらいました。なかなか貫禄のある風貌の蛾でした。


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【アシナガグモ】
2019.8.13
庭木に見慣れないクモがいました。今まで見たこともないクモなので図鑑で調べたらアシナガグモとありました。名の通り足が長く、特に前足は長く、異常に発達した上顎が特徴とありました。多くは水辺に住むとありましたが、水辺とは無関係の庭の植木の枝に、網を張らずに歩いていました。頭部に突き出ている一対の触角かと思われる突起が上顎だということに驚きました。


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【アゲハチョウに挑戦したコカマキリ】
2019.8.29
ブットレアの花で吸蜜しているキアゲハに、コカマキリが近づきました。そんな大きな獲物は無理だろうと思ったのに、コカマキリは鎌を振りかざして飛びかかろうとしました。そして翅の部分に飛びつきましたが、案の定、チョウは羽根を大きく羽ばたかせ、コカマキリを払いのけました。翅で飛ばされたコカマキリは、危うく花から落とされそうになりました。


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【見慣れぬ昆虫との出会い】
2019.9.3
庭の草取りをしたり、道ばたの草むらの中を注意して見て歩くと、見慣れない昆虫に出会う楽しみがあります。この2〜3日に見かけた珍しい昆虫をご紹介します。ただ、一応図鑑では調べましたが名前の判らないものがありますので、お判りの方がありましたらお教えください。
ベッコウガガンボ
アカハナカミキリ
キバラヘリカメムシの幼虫(腹部が黄色)と成虫(翅がある)
アカスジキンカメムシの幼虫


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【昆虫たちの態様を撮る】
2019.8.9
台風一過、山路を歩いていて目にした昆虫たちの、一瞬の様子をスナップしました。
①葉の上にじっとしている赤とんぼの仲間、真上から照りつける太陽の光に、広げた翅まで赤く染まっていました。
②ドングリの木の葉先から舞い立とうとするゴマダラカミキリ。
③直線型隠れ帯にじっとしていたナガコガネグモが、網にかかった昆虫に走り寄り、一瞬目にもとまらぬ早業で、糸でぐるぐる巻きにした後、すぐに元の隠れ帯に戻り、何事もなかったように静止していました。
④網の中で子グモが誕生し動き回る側の葉の上にいました。
⑤前夜に羽化したのか、セミの抜け殻が2個、草の葉の上に並んでいました。




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【しゃくとり虫】
2019.9.2
キアゲハの食草ボウフウに一匹のしゃくとり虫がいて、キアゲハの幼虫と一緒に葉を食べていました。体全体は白い粉を塗ったような白緑色で、体長4センチ程、静止する際には体を真っ直ぐに伸ばして、茎と紛う姿勢をとっています。イモムシ図鑑で調べましたが何の幼虫か判りませんので、様子を見ていくこととします。


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【クサグモ】
2019.8.14
この日は近くの農道脇の林の入り口で、大きな木の葉を2枚、糸で引き寄せて真っ白な多角形の巣がつくられているのを発見しました。何の巣だろうと触ってみたらクモが顔を出しました。随分変わった巣を作るクモなので、クモの全体像をみたいと棒でつついたらクモは巣の外に出てきました。動きが緩慢でじっとしているので写真を撮って家に帰り図鑑で調べたらクサグモと判りましたが、巣だと思ったのは卵嚢でした。見事な多角形の卵嚢で、この中では秋に子グモが誕生し、そのまま来春まで卵嚢の中にいて、春になると卵嚢を破って出てくると書いてありましたので、持ち前の好奇心、早速同じ場所に戻り卵嚢の作られている枝を折って家に持ち帰り、来春まで観察を続けることとしました。どんな子グモが出てくるか楽しみです。


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【見られなくなった水鳥】
2019.9.5
久しく小鳥の写真を撮っていなかったので9月4日、天竜川へ水鳥の写真を撮りに行きましたが、いつもあんなに沢山いたカモの姿は1羽も見ることが出来ず、1時間ほど河畔を歩いて、アオサギ1羽、コサギ1羽、カワウ1羽を見るだけでした。天気の具合なんでしょうか、天竜川に水鳥の見られないのは寂しい気持ちです。
 そこで9月5日、諏訪湖の水鳥を見に出かけました。冬の間、白鳥やカモなどが沢山見られる岡谷市諏訪湖ハイツ裏の湖岸へ行ってきました。しかしここでも水鳥はほとんど見られず、湖畔を2キロほど釜口水門まで歩きましたが、カモを数羽見かけただけです。ここでも、アオサギとコサギを1羽づつ見かけ、以外と身近で写真を撮ることが出来ました。地元の年配の方にお尋ねしたところ“このところめっきりカモの姿は見えなくなった”との答えでした。あんなに沢山いた水鳥たちは、一体どこへ行ったのでしょう。気になります。
天竜川のアオサギとダイサギとカワウ
 
諏訪湖のカモの仲間。左はカワアイサと思われます。右はカルガモ
諏訪湖のアオサギとダイサギ


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