自然と友だち


初秋、不思議さと感動に満ちて

 自然の生きものは、いつも違った顔、生き方をしており、不思議と驚き、感動を覚えます。好奇の目と気持ちで身近な生きものたちに接し、カメラを向けています。初秋のカメラ・アイをお届けします。


撮影・解説:加納巌

加納さんに質問やメッセージをどうぞ。
http://www3.jsf.or.jp/mlmaster/



 

ミヤマカラスアゲハの吸水 ミヤマシジミの観察会 ナミアゲハの蛹 美しいイモムシが蛹になるまで キアゲハの幼虫をわけていただく
ミヤマカラスアゲハの吸水 ミヤマシジミの観察会 ナミアゲハの蛹 美しいイモムシが蛹になるまで キアゲハの幼虫をわけていただく
カラタチの葉を補給 アメンボの観察 蜂に刺される 夜行性のオニグモ カタツムリの交尾
カラタチの葉を補給 アメンボの観察 蜂に刺される 夜行性のオニグモ カタツムリの交尾



 





【ミヤマカラスアゲハの吸水】
2018.8.11
 連日の猛暑続きに、山路の湿地にミヤマカラスアゲハが何頭か集まって吸水をしています。そっと近づいても逃げようとせず、盛んに吸水をし、吸水した水をお尻から放水しています。ミネラル補給と、体温調整をしていると言われます。


▲写真を選ぶ▲


 


【ミヤマシジミの観察会】
2018.8.25
 今日は、辰野町荒神山で「辰野いきものネットワーク」主催による「荒神山に舞うミヤマシジミの観察会」があり、信州大学名誉教授中村寛志氏の講演と、田淵行男記念館学芸員中田信好氏の「昆虫の写真を撮ろう」の写真指導を受けた後、ため池のたつの海周辺でミヤマシジミの撮影を行いました。幸い雨のやんだ後なので、ミヤマシジミがコマツナギの花の周りを、これまで見られなかったほど沢山舞っていて皆さんいい写真が撮れたようです。
羽根を開いた雄 羽根を閉じた雄
羽根を開いた雌 羽根を閉じた雌
交尾中
コマツナギの花に産卵 コマツナギの茎に産卵
トビイロケアリと共生する幼虫 クロオオアリと共生する幼虫


▲写真を選ぶ▲


 

【ナミアゲハの蛹】
2018.9.10
 飼育中のナミアゲハの幼虫18匹が、8月末までにすべて蛹になり、来春の羽化を想定していましたが、9月4日までに、内8個のカラタチの葉を補給してしまい(写真の赤丸は羽化した蛹)、1組は羽化直後交尾までしました。台風の去った9月5日に、羽化した蝶すべてを外に放ちましたら、3日後1頭のナミアゲハが庭のカラタチの葉に産卵しているのを目にしました。この時期産卵したものが、果たして孵化、幼虫、蛹にまでなれるか、またひとつ観察課題が増えました。


▲写真を選ぶ▲

 



【美しいイモムシが蛹になるまで】
2018.8.13〜25
 8月13日:林の中で写真を撮っていたら、クヌギの木の幹に1匹のイモムシが這っているのが目にとまりました。よく見ると、とてもカラフルで美しく、これまで見たこともないイモムシでしたので、箱に入れて家に持ち帰り図鑑で調べたところ「ホソバシャチホコ」蛾の幼虫とわかりました。「食樹はクヌギなどのブナ科とあり、幼虫の体の紋様は複雑で美しく、蛹で越冬する」とありましたので、クヌギの枝を採ってきてビンに挿し与えたところ、お腹が空いていたのか早速食べ始めました。
 8月20日:ネット内で飼育していたイモムシは、食欲旺盛でクヌギの葉を一日2枚ほど食べ尽くしてしまいますので補給をしてきたところ、体の色が赤みを帯びて蛹化が近いと思い、その環境作りをしました。蛹で越冬ということですが、蛹になる場所が地上なのか、土の中なのかわかりませんので、いずれでもよいように、クヌギ林から土を掘ってきて鉢に盛り、落ち葉などを散らす一方、蛹になる際移動し行方不明になることを懸念して、鉢ごとダンボール箱に収容しました。
 8月22日:イモムシがツクバネの枝から降り、鉢の中の土の上をあちこち這い回り始め、間もなく柔らかい土に頭から潜り始め、あっという間に体全体が土の中に入り、見えなくなりました。
 8月25日:土の中に入ったイモムシが、どんな蛹になるか確かめようと、土をそっと掘ってみました。深さ5センチほどの所に、土くずを丸めた1.5センチほどの繭状のものを作り、頭を少し出していました。この中で蛹になって越冬し来春羽化することになる事でしょうから、大切に保管します。


▲写真を選ぶ▲

 



【キアゲハの幼虫をわけていただく】
2018.8.19
 町内の朝の一斉清掃があり、集まったところで一人の農家の方が、「畑のにんじんの葉に大きな青いムシが何匹もいますが何のムシでしょう」と聞かれました。「多分キアゲハの幼虫でしょう」と答え、清掃が終わった後、畑に案内してもらいました。もう間もなく蛹化を控えた大きな幼虫が何匹もいました。農家の方は「気持ちが悪いので土の中に埋めていました」と言うので、「飼育してみます」と話してにんじんの葉と共に10匹いただいてきました。ネット囲いの中で飼育して、蛹化、羽化を待ち、そのときには農家の方に連絡をして見に来ていただく予定です。


▲写真を選ぶ▲


 


【カラタチの葉を補給】
2018.8.21
 鉢植えのカラタチで、ナミアゲハの幼虫を飼育していましたが、幼虫12匹が1ヶ月でカラタチの葉ほとんどを食べ尽くしてしまいました。もう間もなく蛹化する終齢幼虫になっていますが、最後の食欲を満たしてあげるため、新たなカラタチの枝を調達してきて補給してあげました。補給したカラタチの葉で幼虫たちは元気づいた様子です。数日で蛹化することでしょう。


▲写真を選ぶ▲

 



【アメンボの観察】
2018.8.10
 林の中の小さな池に、アメンボが沢山泳いでいたので、休憩しながら観察しました。水の上をすいすいと歩くことが出来るのは、長い後ろ脚と中脚全体に細かい毛が密生しており、水の表面張力を利用して水面に立ち、中脚で水を蹴って進むと言われています。アメンボの名前は体から飴のような甘い匂いを出し、体が棒のようだからとも言われています。


▲写真を選ぶ▲

 



【蜂に刺される】
2018.8.21
 林の中を歩いていたら、いきなり頬を蜂に刺されました。何故だろうと振り返ってみたら頭の高さの木の枝の先きに蜂の巣があり、不用意に帽子が触ったのでしょう。数匹が体の周りを舞っていましたので、急いでその場を離れ、蜂が静まったのを見計らって、近づき巣の写真を撮りました。コアシナガバチの巣のようでした。幸い痛みはすぐになくなりました。


▲写真を選ぶ▲


 


【夜行性のオニグモ】
2018.8.14
 軒下から庭木にかけて、今年もオニグモが大きな網を張りました。従来このクモは、夜に網を張り、朝には一本の命綱を残して網を撤収すると言われてきましたが、最近では朝網を撤収せず、クモ本体だけは軒下に入って昼のうちじっとしており、夕方出てきて網の破れたところを補修して獲物のかかるのを待つようになっています。
 この夜は午後9時に、張られた網の側に脚立を立て、クモの観察を行いました。補修した網の中央にいるところから撮影を始めたところ、1羽の蛾がやってきて網にかかりました。クモはすぐに走りより、麻酔を注入した後、尻から出す糸でぐるぐる巻きにし、網の中央に運んで行き食べ始めました。食べている最中に緑色のクサカゲロウが網にかかりました。するとクモは食べるのを中断し急遽その場に急行し麻酔をかけ、糸でぐるぐる巻きにしてその場に置き、網の中央に戻り、食べかけの獲物を再び食べ始めました。次に別の蛾が網にかかりましたが、同じ動作を繰り返しました。2時間ほどの間に小さな虫2匹と蛾が2匹、カゲロウが1匹網にかかりました。


▲写真を選ぶ▲


 


【カタツムリの交尾】
2018.9.5
 台風一過、倒れた植木の細い枝に1匹のカタツムリが巻き付いていました。よく見たらお腹のあたりに小さな小さな赤ちゃんカタツムリがいました。また倒れた枝の下のソーラーランプの上にはもう1匹のカタツムリが脱糞していて、枝の上のカタツムリが枝先まで達したら、その重みで垂れ下がり下のカタツムリと接することになりました。2匹は植木鉢に移動し交尾をし始めました。カタツムリは雌雄同体なので自家受精も可能ですが、多くは2匹の交尾によって産卵すると言われています。しかしカタツムリの交尾の現場を見ることは極めて稀だと言われますので、偶然の好機でした。それにしてもお腹の上にいた赤ちゃんカタツムリはどうしたのだろうと探したところ、元気に角を伸ばして枝先にぶら下がっていました。


▲写真を選ぶ▲





『自然と友だち』バックナンバーはこちら
『北の丸公園の自然HP』バックナンバーはこちら
『自然との出会いHP』バックナンバーはこちら




このサイトのすべての画像・記事について、無断使用・転載を禁止します。
Copyright (C)2007 Science Museum Tokyo, ALL RIGHTS RESERVED.