自然と友だち


野山に“涼”を求めて

 暑い!暑い!が日常語になっていますので、少しでも“涼”を求めて野山の散策をすることにしています。せっかくの信州の自然に浸り、楽しむとともに、周りに気を配り、足元に注意して、目にするもの、感じるものを写真に収めています。


撮影・解説:加納巌

加納さんに質問やメッセージをどうぞ。
http://www3.jsf.or.jp/mlmaster/



 

廃屋のオオムラサキ アケビコノハ ウラギンシジミが蝶になるまで ムモンアカシジミの来訪 蛾の産卵
廃屋のオオムラサキ アケビコノハ ウラギンシジミが蝶になるまで ムモンアカシジミの来訪 蛾の産卵
蛹が羽化 ムクゲの花 納涼の山路散策 カエルの姿態を見る ムクドリの群れ
蛹が羽化 ムクゲの花 納涼の山路散策 カエルの姿態を見る ムクドリの群れ



 





【廃屋のオオムラサキ】
2018.7.17
 今年も、小横の廃屋の中にオオムラサキが1頭いるのを見かけました。写真を撮りガラス戸を開けて外へ出してあげました。30分ばかり廃屋の軒下で様子を見ていたら5頭のオオムラサキが舞うのを見かけ私の近くに降りて口吻をせわしく伸ばすのを見ました。
 最初にこの廃屋の中にオオムラサキが数頭いるのを偶然見かけたのは、今から14年前の2004年7月6日、それから毎年この時期に、この廃屋でオオムラサキを見てきました。不思議なのは、この廃屋の周りを探してもエノキが見当たらないことと、すでに30年以上も人が住まず、所々壊れてはいるもののガラス戸等で囲われている廃屋の中に何故、どうやって入っているのか不思議でなりません。エノキ以外で幼虫が育つのか、廃屋の中から外に出られずに死んで床におちているものも見られるのに、羽化した蝶が何故この廃屋の中にいるのか、原因、理由を確かめたいと思い続けてきましたし、今後も検証を進めていきたいと思っています。
廃屋の中にいるオオムラサキは、いつも戸を開けて外に出してあげていましたが、2008年7月18日には、オオムラサキがパインの汁を好んで吸うということを知り、パインの切れ端を与え外に誘い出しました。人が触っても逃げないくらい夢中でパインにとりついていました。


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【アケビコノハ】
2018.7.11
 友達が、アケビコノハという蛾の幼虫が庭のアケビの木にいたからと言って持ってきてくれました。アケビの蔓にいて、静止するときは頭部を曲げ尾を高く上げる姿勢が、シャチホコの形に似ている事と、大きな目を見開いているような眼状紋が特徴なこのイモムシは、写真の被写体としては格好の生き物ですので、早速撮影したあと、2匹は庭のアケビの茂みに放してあげました。成虫の蛾も図鑑で見ると、後ろ翅に渦巻き状の紋様があり、なかなか綺麗です。


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【ウラギンシジミが蝶になるまで】
2018.7.23
 6月25日、庭の藤棚の蔓にウラギンシジミが産卵しているのを見かけました。7月10日に孵化した幼虫が藤蔓のなかにいるのを発見、よく探したら5匹の幼虫が見つかりましたので、蔓と一緒に家の中に取り込み観察を続けることとしました。7月13日、蔓の上で鉢合わせをした2匹の幼虫が、尻にある突起の穴から毛を出してヒラヒラと振る様子が見られました。近づいた相手を牽制する仕草のようです。7月14日、幼虫は蛹になるため蔓から離れて囲いのダンボールに這い上がり体を固定しました。7月15日、尻の突起がなくなり、背中に小さな菱形の紋様がある蛹になりました。7月22日の早朝3頭のウラギンシジミが羽化しました。いずれもメスでした。その他の蛹は、黒く変色し死んでしまったようなので、殻を割ってみましたら一つはメス、一つは翅の色が赤いのでオスと思われます。残念な事でした。3頭のウラギンシジミは外に放してあげました。


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【ムモンアカシジミの来訪】
2018.8.26
 6月26日に、我が家の庭にアカシジミが初来訪しましたが、今日はこれも初来訪のムモンアカシジミが見えました。最初は前回のアカシジミかと思い、近づいてよく見たら、翅の裏側の暗色条が2本しかなく、図鑑と照合したらムモンアカシジミと判明しました。お腹が大きく産卵を控えたメスかと思われます。幼虫は半肉食性でアブラムシなどを食べると言いますが、成蝶は葉の上で口吻を伸ばしていましたので、やはり花の蜜を吸うだろうと思い、蜂蜜を浸した果肉を近づけたら、口吻を伸ばし暫く吸密した後、舞い立ちました。


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【蛾の産卵】
2018.7.28
 公園の桜の幹に、大きな灰白色の蛾(体長3センチ、翅の長さ4センチほど)が止まっているのが眼に入り、近づいて見たら産卵中の蛾でした。体の下に茶色い塊が見えたので、蛾を少し横にずらしたら、幹の柔らかい真綿状の不規則な塊に張り付いていて、大きなお尻を付けていました。一旦少し離れましたが、すぐに元の所に戻り、翅を広げて卵を隠すかのような仕草をしました。鱗粉が落ちてしまっていますが、おそらくカシワマイマイのメスだと思われます。


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【蛹が羽化】
2018.8.1
 7月27日に、荒神山のくさむらの葉に、茶色の蛹がぶら下がっているのが目につき、何の蛹か確認するために家に持ち帰り観察を続けていたところ、8月1日午後4時頃、外出先から帰ってきたら羽化していました。カシワマイマイのオスでした。触角が羽根状に広く、体は鮮やかなオレンジ色、足に長くふさふさとした毛が生えているのが特徴です。


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【ムクゲの花】
2018.8.3
 真夏の花として、暑い太陽の下、樹上に大輪の花を咲かせるムクゲの花。朝開いて夕方には萎む一日花のはかなさを、茶道に通ずると、茶花としても多く用いられてます。
 今日は我が家の庭に咲くピンクと、白い花の中心に赤のある底紅種、近くの家の庭に咲く純白種と赤色種、公園内で真っ赤な八重咲き種のほか、町内のあちこちを探して見つけた紫色種の花色6種を写真に撮りました。


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【納涼の山路散策】
2018.7.21
 連日の猛暑に、涼を求めて林の中を流れる沢川に沿って細い山道を歩きました。暑さは何処と言わんばかりの涼気、全くの別天地です。途中、沢川に小さな淵があったのでのぞき込むと、体長20センチほどのヤマメが1匹、ゆうゆうと泳いでいました。さらに上流に行くと高さ2メートルほどの砂防提があり、水が滝のように流れ落ちていましたので休憩。ひんやりとした沢風が心地よく肌をなでます。目の前の青葉の枝にアオイトトンボがハート形に連結して交尾しているのが見られました。沢川に沿った細い道はそこで終わり、山肌をジグザグに10メートルほど登ると少し広い林道に出ました。道は昨今の雨水が流れたのでしょうか、路面は荒れていて、一般の車は通れないようでした。道の両側には高い木立があって陽は射し込まず暑さは感じませんでした。少し歩いていると、道の中央に大きなアズマヒキガエルが、でんと居座っていました。“此処は俺の道だ”と言わんばかりの面構え、カメラを近づけると、ぐっと体を乗り出してにらみ返してきました。横をそっと通り抜けました。少し明るいところへ出ると、道の片側にオオオバユリが、花はまだでしたが数本立ち並んでおり、その蕾の先に見慣れないバッタが一匹じっとしていました。よく見るとミヤマフキバッタのようで、後ろの長い足が片方無いようでした。アキアカネが強い陽射しを避けるかのように尾を上げて止まっていました。
 3時間ばかり、納涼の山道散策でした。


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【カエルの姿態を見る】
2018.7.29
 台風一過、公園の湿地にアマガエルの子が沢山いて、近づくとピョンピョンと跳ねて草の葉に飛び移り、それぞれよじ登る格好が面白く、暫くその様子を見ることにしました。湿地ですので座ることは出来ず、幸い木立の日陰でしたので腰をかがめて1時間ばかり見て写真を撮りました。数えたら150枚ほど撮りましたが、その中の一部、変わった格好のカエルの姿をご覧いただきます。
正座 こんにちは、誰かいますか
にらみ合い
おっと、あぶない 覗き見
よじ登る 落っこちる
いないいない ばぁー


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【ムクドリの群れ】
2018.7.28
 ミヤマシジミを守る「いきものネットワーク」が、今年2回目となる食草のコマツナギの周りの草刈りを実施しました。草刈りが終わって子供広場で休憩していたら、近くの芝生に沢山のムクドリがあつまってきて、せわしく何かをついばんでいました。早速カメラを向けたら一斉に舞い立っていきました。


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