自然と友だち


家の中で生きものとふれあって

 9月の秋、日中はともかく、朝夕はすっかり涼風の吹く季節となりました。今月の写真は、家の中での生きものとのふれあいを中心にご紹介します。ちょっと注意してみると、家の中でもけっこう面白い自然の生きものの姿を目にすることがあり、楽しんでいます。

撮影・解説:加納巌

加納さんに質問やメッセージをどうぞ。
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カラスアゲハの産卵 キアゲハに食草の補給 キアゲハの羽化→ 孵化記録 キアゲハの羽化ラッシュ ベニスズメの幼虫
カラスアゲハの産卵 キアゲハに食草の補給 キアゲハの羽化→ 孵化記録 キアゲハの羽化ラッシュ ベニスズメの幼虫
ベニスズメの親子対面 カマキリの脱皮 カタツムリがカボチャを食べる カタツムリの家族?遊ぶ
ベニスズメの親子対面 カマキリの脱皮 カタツムリがカボチャを食べる カタツムリの家族?



 





【カラスアゲハの産卵】
2017.9.8
 8月に我が家で羽化して舞い立っていったカラスアゲハが、今、庭のカラタチの木にきて産卵を始めています。お尻を丸めて葉のあちこちに産卵しています。この卵は孵化し幼虫、蛹となって、蛹で越冬し、来春羽化して蝶になるものと思われますので、大事に見守って参ります。


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【キアゲハに食草の補給】
2017.8.28
 庭に栽培している食草に産み付けられた卵から孵化し成長したキアゲハの幼虫が終齢幼虫となり、蛹化する際あちこちに移動し、行方がわからなくなるのでそれを防ぐため、幼虫を集めて食草と一緒にネット囲いをしています。ざっと数えても100匹くらいの幼虫がおり、食欲も旺盛なので餌の補給が大変です。あと数日で全部蛹化すると思われ、9月の上旬には一斉に羽化し舞い立つので、その壮観が期待され、食草の補給は続けて参ります。
1日でほとんど食べ尽くされた食草
補給した食草


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【キアゲハの羽化→ 孵化記録】
2017.9.5
 キアゲハが2頭、同時に羽化し4時間後にはもう交尾したので、産卵、孵化までを記録写真としてまとめました。
羽化
8月30日午前5時55分
交尾
同日午前10時18分
産卵
8月31日午前11時14分
孵化
9月5日午前9時45分


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【キアゲハの羽化ラッシュ】
2017.9.10
 飼育中のキアゲハが、今朝6時30分までに18頭が羽化し、午前中には羽化すると思われる蛹が10個ほどありますので、今日一日で30頭近くが羽化するものと思われます。
 すでにネット内には、2日前から始まった羽化で蝶になったものが40頭近くいますので、120余個あった蛹も、あと数日で総て羽化するものと思われます。交尾を終えた蝶、産卵待ち蝶もいますので、15日には羽化している蝶すべてを外に出してあげる予定です。
9月10日早朝に羽化した蝶
昨日までに羽化してネット内にいる蝶


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【ベニスズメの幼虫】
2017.8.21
 今朝起きて花棚を見たら、1ヶ月ほど前に園芸店から買ってきた花鉢、ペンタスの葉の上に、黒く大きなイモムシがいるのに気づきました。今まで全く気づかなかったので、何の幼虫かとイモムシ図鑑で調べたらベニスズメの幼虫と判りました。なお注意してよく見たら、緑色の小さなイモムシがいましたので、どうやら4つの眼状紋が特徴のスズメガの仲間の幼虫と思われました。念のため2匹とも写真に撮って以後観察を続けることといたしました。夕方になって見たら、緑色の小さい方のイモムシの色が変わり、大きい方のイモムシと同じ色に変わっていました。不思議に思い更に図鑑で詳しく調べてみたら、ベニスズメの幼虫には、暗褐色のものや、緑色のものもあると書かれており、特徴は眼状紋と後部に尾角があり、その先端は白いとありました。2匹をよく見ると、2匹とも同じベニスズメのようです。2匹が並んだところを正面から見ると、全く同じ顔つきをしています。
朝撮影したベニスズメの幼虫
スズメガの仲間かな?と思い撮影すると……
夕方になって、緑色の幼虫の色が変わり2匹が同じ色になる
正面から顔をアップで写すと随分怖い顔をしています(模様ですが…)


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【ベニスズメの親子対面】
2017.8.30
 庭のブットレアの花で吸蜜するホシホージャクと見られる蛾がいましたが、少し羽根の色が違うと思われたので、捕虫網でとらえて見たらベニスズメでした。たまたま家でベニスズメの幼虫を飼っていたので、偶然にしては思いがけないチャンス、何かの縁と早速“親子の対面”をさせました。ベニスズメの幼虫も、成虫のベニスズメを見るのは初めてだったでしょう。


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【カマキリの脱皮】
2017.8.11
 今朝、庭に出て大きく開いたヒマワリの花を見たら、いま脱皮したばかりのカマキリがいるのを見つけました。かねてからカマキリの脱皮の瞬間を見たいと願っていましたが叶わず、今朝も脱皮している現場は見ることが出来ませんでしたが、脱皮したばかりのカマキリが、抜け殻のそばで、出てきた自分の抜け殻を眺めている様子を見ることが出来ました。
抜け殻のそばにいたカマキリ
元の体のままの形をしている抜け殻
抜け殻を見下ろしながら去るカマキリ
名残惜しそうに振り返るカマキリ
脱皮したばかりの体は柔らかく透けて見える
足先をなめて綺麗にしている
抜け殻をそっと取ってきて、白い紙の上へ置いて、じっくり見るとあの細い触覚、鎌のぎざぎざ、足の先まで、本体と少しも変らない形をしているのには驚きというより、神秘的な感じさえいたします。
一体どうやって殻を壊さずに抜け出すのでしょう。是非とも脱皮の瞬間を見てみたいと思います。


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【カタツムリがカボチャを食べる】
2017.8.25
 庭のサンシュユの木の剪定をしていて、地上1メートル50センチほどのところの枝を切り落としたら、殻の大きさ2センチほどのカタツムリがいるのを見つけました。通常ブロック壁など地上の低いところにいるカタツムリに比べ、色も白く小型でした。樹上性のカタツムリでしょうか。家の中に入れ観察をすることにしました。何を食べるのかと試みに、たまたま朝食の料理に使かったカボチャのワタが近くにあったので、小さくちぎってカタツムリの前に置いてみました。近づいたカタツムリは、大触角でちょっと触った後、口をつけ食べ始めました。カタツムリがカボチャを食べるなんて初めて見ました。お腹がすいていたのか夢中で食べ続け、6分ほどで食べ終えました。食べた後は枝を伝わって下に降り、今度は水盤の水を飲み始めました。水を飲んだ後、再び上に上がり、大きな葉の裏に、頭を引っ込めて丸くなり、じっと動かなくなりました。食後の休息でしょうか。3時間後もそのままでした。
枝の上にいたカタツムリ
カボチャのワタを食べ始める
休まず夢中で食べ続ける
食べ終わる
食べた後、下に降りる
水盤の水面に顔が映る
水を飲む
上に登る
葉の裏で丸くなって休む


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【カタツムリの家族?】
2017.8.31
 夏も終わり、庭の草花の整理をしていたら、まるで親、子、孫三世代のようなカタツムリが目に止まりました。果たして本当の親子関係か判りませんが、葉の上に並べてみました。“親”の殻は直径4.5センチ、“子供”の殻は2.5センチ、“孫”は3ミリと、ごく小さく、よほど注意しないと見過ごしてしまいます。それぞれに、これから越冬の準備をしなくてはなりません。“元気でネ”と声をかけ庭に放してあげました。


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