. 科学技術館メールマガジン:自然と友だち

自然と友だち


チョウたちを追う

 梅雨ながら当・信州地方では今、“雨乞い”の声さえ聞かれるほど雨が少なく、チョウなどを追いかけていますので、今月はチョウを中心とした写真をお届けします。九州地方では連日の豪雨で大きな災害が発生しており、被災された皆さまへ心からお見舞い申し上げます。

撮影・解説:加納巌

加納さんに質問やメッセージをどうぞ。
http://www3.jsf.or.jp/mlmaster/



 

アゲハヒメバチが出てくる キアゲハの羽化ラッシュ スジ蝶のいろいろ ミヤマシジミの交尾争い メスアカミドリシジミを撮る
アゲハヒメバチが出てくる キアゲハの羽化ラッシュ スジ蝶のいろいろ ミヤマシジミの交尾争い メスアカミドリシジミを撮る
ルリシジミの産卵 蝶の吸水 廃屋のオオムラサキ ネズミを捕らえて遊ぶ カエルが小鳥の水飲み台にやってきた
ルリシジミの産卵 蝶の吸水 廃屋のオオムラサキ ネズミを捕らえて カエルが小鳥の水飲み台にやってきた



 





【アゲハヒメバチが出てくる】
2017.7.2
 6月の当メールマガジン「自然と友だち」で『キアゲハの幼虫に産卵するアゲハヒメバチ』をご紹介し、卵を生み付けられたキアゲハ2匹の幼虫を別途管理、観察をして参りました。6月4日に蛹となり、このころ蛹化したものは総て羽化して蝶になり舞い立っていきましたが、この2個だけは一向に羽化する気配がなく、約1ヶ月を過ぎた今朝、蛹の殻を破ってアゲハヒメバチが出てくるのを目撃しました。


▲写真を選ぶ▲


 


【キアゲハの羽化ラッシュ】
2017.6.20
 キアゲハの羽化が始まりました。2日間で13頭が羽化し、サンルーム内を舞っています。
キアゲハに混ざって何処にいたのかメスグロヒョウモンも1頭羽化しています。


▲写真を選ぶ▲


 

【スジ蝶のいろいろ】
2017.6.27
 この時期、山道を歩いていると「スジ蝶」を多く見かけますが、一概にスジ蝶といっても、スジの本数、形によって何種類かのスジ蝶がいますので、今日は小横川沿いの山道で5時間ほどかけ、スジ蝶専門に写真を撮って歩きました。なんと7種類のスジ蝶を撮影することができました。
ミスジチョウ3頭と1頭
オオミスジコミスジ
ホシミスジフタスジチョウ
イチモンジチョウアサマイチモンジ


▲写真を選ぶ▲

 



【ミヤマシジミの交尾争い】
2017.6.25
 保護活動を続けている、荒神山のミヤマシジミの観察に出かけました。植栽をした食草のコマツナギが花を咲かせ始め、その周りを何頭かのミヤマシジミが舞っているのを見て嬉しくなりました。見回りをしていたら、偶然ミヤマシジミが交尾しているところを見かけ写真を撮っていたら、そこへもう1頭のオスが舞ってきて、間に割り込もうとしました。1頭のメスを巡っての激しい争いが20秒くらい続きましたが、交尾中の2頭は離れず、割り込みに入ったオスが離れて去りました。全体的にオスの数が多く、メスの数は少ないように見受けられますので、こうした争いはあちこちで行われるのではないかと思われます。


▲写真を選ぶ▲

 



【メスアカミドリシジミを撮る】
2017.6.28
 例年6月下旬には、町内雨沢地区の山道の一角に「メスアカミドリシジミ」が出るので、雨上がりの午後撮影に出かけました。沢川を挟んで対岸の木の枝の葉先に止まるが、体長が2センチ弱と小さく、見つけるのが大変です。縄張り意識が強く、他の蝶が来ると舞い立つのでその時を待って存在を確認します。今日は2時間ほどの間に5頭を見かけましたが、対岸で20メートルほど離れているため、300ミリ望遠レンズでの撮影でした。幸い今日は、1頭が対岸でなく、こちら岸の木の枝に来て止まってくれましたので、近距離で、翅の表裏と、口吻を伸ばし葉の表面の水分を吸水する様子を撮影することができました。


▲写真を選ぶ▲

 



【ルリシジミの産卵】
2017.7.1
 雨の晴れ間、庭にシジミチョウがやってきて、菜の葉に止まり、翅を広げたところを見ると、ルリシジミのメスのようでした。産卵場所をさがしているようてしたので見守っていたら、野ブドウの蔓にある、まだ堅い蕾の房に止まり、尻を押し当て産卵を始めました。1粒産み付けると飛び立ち、つぎの蕾の房に、おなじように産み付け、4カ所に産卵して飛び去りました。産み付けられたところを注意してよく見ると、ごく小さな白い卵が1粒ずつ蕾の根元のところに産み付けられていました。拡大鏡で見ないと見つからないような小さな卵でしたので、マクロレンズで撮影しました。


▲写真を選ぶ▲

 



【蝶の吸水】
2017.6.9
 この時期、雨上がりの山路を歩くと、路上で吸水している蝶を見かけます。今日は小横川で、ミヤマカラスアゲハとサトキマダラヒカゲ、ミドリヒョウモン、ヒカゲチョウが吸水しているところと、オナガアゲハが吸蜜しているところを見かけました。


▲写真を選ぶ▲


 


【廃屋のオオムラサキ】
2017.7.7
 今日も、小横川の廃屋へ行ってみました。これまで何年も疑問に思っていた「廃屋の中にオオムラサキがいること」が、今日も同じように見られました。人が住まなくなって40年以上、建物は傷んで、出入り口の扉もなく、多くの壁は壊れ落ち、部屋の中には放り込まれた家具や雑用品、布団などが散乱しているが、道路に面したガラス戸だけはガラスが壊れておらず、そのガラスの内側にオオムラサキが2頭いました。多い年には5〜6頭いたこともあり、すでに死んで床に落ちているものもありましたので、生きている蝶は戸を開けて外に出してあげてきました。今日も写真を撮った後、2頭を外に出してあげたら、元気よく舞い出ていきました。30分ほど廃屋の横に座って休んでいたら、オオムラサキが舞ってきて軒下に置いてあるダンボールに止まって口吻を伸ばすもの、草の上を移動するものなどがあり、全部で6頭を見ることができました。廃屋の周りにはエノキは見当たらず、何処で羽化し、あえて廃屋の中に入り込むのか不思議です。でも毎年この時期になると、ここでオオムラサキを見ることができるのは嬉しいことで、公表すること無く、ごく親しい蝶の観察仲間2人だけに知らせて、大事にしています。
廃屋の中のガラス戸に止まるオオムラサキ
軒下のダンボールで口吻を伸ばすすぐ横にアカタテハも止まっている
ジュウタンに止まって吸水廃屋の前の道路で吸水
草むらで休むオオムラサキ、いずれも羽化して間もないのか
翅は傷んでおらずきれいで、近づいても逃げようとしません。


▲写真を選ぶ▲


 


【ネズミを捕らえて】
2017.6.15
 冬から我が家に居着いてカメラのモデルにもなってくれていたネズミ、今日はパンを咥えると入り口の扉が閉まる措置をした鳥篭を置いたら、この仕掛けにかかってネズミが鳥篭の中に閉じ込められました。これまでパンなどを与えてきたので試みに棒の先にパンを付けて差し出したら、近づいてきて食べました。あまり怖がるようすもないのでネズミをバスルームの中に放ち、写真を撮りました。写真を撮とった後、ネズミは裏山に持って行って放ちました。
鳥篭の中に閉じ込められたネズミ
パンを差し出すと近づいてきて食べ、両手でパンをとって食べました。
バスルームの中、どこか逃げ出すところはないかと蛇口に登る鏡をおいたら、警戒しながらのぞき込む
パンを置いたら鏡の中の自分を牽制し、これは俺のだと両手でパンを押さえて食べ始める


▲写真を選ぶ▲


 


【カエルが小鳥の水飲み台にやってきた】
2017.7.10
 梅雨というのに雨が降らず“雨乞い”の声すら聞かれる今日、熱中症の暑さ対策でしょうか、小鳥の水飲み台に、カエルさんがやってきました。水浴びをしてホッと一息と言うところでしょうか。


▲写真を選ぶ▲


 







『自然と友だち』バックナンバーはこちら
『北の丸公園の自然HP』バックナンバーはこちら
『自然との出会いHP』バックナンバーはこちら




このサイトのすべての画像・記事について、無断使用・転載を禁止します。
Copyright (C)2007 Science Museum Tokyo, ALL RIGHTS RESERVED.