自然と友だち


身の回りには“何かがある”

 特ダネ、スクープは、“期待と好奇心の産物”だと、ある記者の方が言っておられましたが、私も常に身の回りには“何かがある”といった好奇心と注意の目を向けています。今回は、日課にしている庭の見回りで見つけた「カタツムリの交尾」の一部始終をお届けいたします。

撮影・解説:加納巌

加納さんに質問やメッセージをどうぞ。
http://www3.jsf.or.jp/mlmaster/



 

キタキチョウに給蜜 カマキリの産卵 ホシホウジャクに給蜜 小春日和の風情 リンゴドクガ
キタキチョウに給蜜 カマキリの産卵 ホシホウジャクに給蜜 小春日和の風情 リンゴドクガ
ジョウビタキが庭に来た グラスの影絵 キシャヤスデ カタツムリの交尾 箕輪町もみじ湖
ジョウビタキが庭に来た グラスの影絵 キシャヤスデ カタツムリの交尾 箕輪町もみじ湖



 





【キタキチョウに給蜜】
2016.10.8
 昨日家の中に入ってきたキタキチョウに、今日は給蜜をして、間近で観察することにしました。
 リンゴの皮に蜂蜜を塗って与えたら、口吻を伸ばして吸蜜を始めました。口吻をあちこちに移動させ吸蜜をしているところへ、同じく家の中にいたツマグロヒョウモンを近づけたら一緒に吸蜜を続け10分ほどして、口吻をクルクルと巻いて舞い立ちました。


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【カマキリの産卵】
2016.10.25
 カマキリが珍しく2連の卵のうを作ったのを見かけました。よほど沢山の卵を抱えていたのでしょう。
 この時期、庭のあちこちでカマキリの卵のうが木の枝などに産み付けられているのを目にしますが、2連の卵のうを見るのはこれが初めてです。


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【ホシホウジャクに給蜜】
2016.10.4
 昨日、家の中へ入ってきたホシホウジャク、今朝は薄日の射すカーテンに止まってジッとしていましたので給蜜を試みました。庭に咲くノコンギクを採ってきて、花に蜂蜜を溶かした液を噴霧して花瓶に挿し、そこへカーテンに止まっているホシホウジャクを、そっと指先にのせて止まらせました。少ししたら蜜の匂いを感じたのか口吻を伸ばして吸蜜を始めました。翅を広げてのホバーリング吸蜜も始めました。そこで、もう1頭も同じように花に止まらせると、これも吸蜜を始めました。お腹が空いていたのでしょう、2頭は盛んに吸蜜を続けました。
 目の前で私の与えた蜜を吸うのを見ると、これまで小鳥やチョウなどの餌付けをしてきたことを考え、何事も挑戦することは貴重で楽しいことだと思い、夢中で写真を撮りました。
ノコンギクの花に蜂蜜を
溶かした液を噴霧して
そこにホシホウジャクを
止まらせる
茶色のホシホウジャク
黒色のホシホウジャク


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【小春日和の風情】
2016.10.4
 庭には白い霜、太陽が昇り陽の光が射し込むサンルームの窓辺に、この時期には珍しくトケイソウの花が一輪開きました。何処にいたのかアカトンボが1匹トケイソウの花を見に出てきました。
 柿を頂いたので、干し柿作りにと、皮むきをして軒下に吊して置いたら、これも何処から来たのか1匹のカマキリが出てきて、吊した柿をなめていました。庭先のマリーゴールドの花にはツマグロヒョウモンとヒメアカタテハ、モンキチョウがせっせと吸蜜しています。小春日和の穏やかな風情です。


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【リンゴドクガ】
2016.11.5
 近所の方が“バラの木にこんな綺麗なケムシがいた”と言って持ってきてくれました。レモンイエローの綺麗なケムシで、初めて見るケムシですが、ガの幼虫だろうと「いもむし図鑑」で調べたら「リンゴドクガ」とわかりました。早速写真を撮りました。長い毛がふさふさとしており、「刺激を与えると丸くなり黒い紋様を現す」とありましたので棒で触ってみました。丸くなり黒い紋様を出しましたが、1本、2本、3本もありました。背の後ろの方には赤い毛束が尾のように立っていて、顔は可愛い顔をしていました。毒蛾とありますが毛に刺されることはないと言うので安心して写真を撮りました。






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【ジョウビタキが庭に来た】
2016.10.30
 寒くなって、小鳥が里に下りてきたのか、今朝はジョウビタキが庭にやってきて、マムシグサの赤い実を啄(ついば)んでいました。丸い大きな実を一粒口にくわえて飛び去り、2〜3時間おきにやってきます。


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【グラスの影絵】
2016.10.14
 テーブルの上にカクテルグラスを置いたら、光の影が紙の上に綺麗に浮かんだので、写真を撮ることにしました。チョウにも演出してもらいました。


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【キシャヤスデ】
2016.10.27
 木曽御嶽山への道すがら、廃道橋の上の水溜まりに沢山の多足虫が死んでいました。注意してみると欄干には生きた同じ型の虫が何匹も這っていました。写真に撮り図鑑で調べたら「オビババヤスデ」の亜種の「キシャヤスデ」のようです。土壌の有機物や枯れ葉につく菌類をたべる節足動物の一種で、異臭を放ち、つぶすと液が出て、かつて小海線でも線路上にこの虫が沢山出て車輪が滑り動けなくなったと言うものでした。尚近くには先月の本欄で「クモかザトウムシか」でご紹介した足の長い虫「ザトウムシ」も歩いていました。
キシャヤスデ
ザトウムシ


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【カタツムリの交尾】
2016.10.17
 庭でカタツムリが交尾しているのを初めて見ました。カタツムリは雌雄同体と言われ、性器が何処にあり、交尾がどのように行われるのか不確かでしたが、今日初めて交尾が行われている実態を目の当たり見ることができ、写真も撮ることが出来ました。以下時間の経過と写真です。
13時10分51秒
13時12分28秒
13時55分32秒
14時23分20秒
14時23分30秒
14時23分47秒
14時39分07秒
最初に見たときは、2匹が体を寄せ合い大触角下の性器を交叉させていましたが、暫くすると白い管が伸び連なっていました。注意して見ていると管の中を上下に液が移動してようで、上の部分が膨らんだり下の部分が膨らんだりしていました。この白い管はどちらのカタツムリが出しているのか、またこの管によって雌雄同体のカタツムリは精液の交換をしているのでしょうか、最初にこの状態を見つけたのが13時10分51秒、2匹の間を結んでいた白い管が離れたのが14時23分30秒でしたから、約1時間10分間の交尾時間となったことになります。白い管は上のカタツムリが出していたことは別れるときに判りましたが、両者ともこうした管を持っているか、まだまだ疑問は多く残りました。


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【箕輪町もみじ湖】
2016.11.5
 快晴、箕輪町の「もみじ湖」へ撮影に出掛けました。紅葉と黄葉と緑葉のコントラストが美しく、 紺碧の空と紅葉、敷き詰められた落ち葉、湖のさざ波、よく見たら湖に浮かぶブイの上に沢山のウが並んでいるのも見られました。


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