自然と友だち


信濃路にも秋の気配

 信濃路は、そこここに秋の気配を感ずるようになりました。小鳥の面倒を見たり、好奇心から目にした自然の生きものの姿をカメラに収めましたので、お届けします。

撮影・解説:加納巌

加納さんに質問やメッセージをどうぞ。
http://www3.jsf.or.jp/mlmaster/



 

秋の花をアップで撮る トケイソウ 小鳥の雛を拾う−その1 小鳥の雛を拾う−その2 小鳥の雛を拾う−その3
秋の花をアップで撮る トケイソウ 小鳥の雛を拾う−その1 小鳥の雛を拾う−その2 小鳥の雛を拾う−その3
ホシホウジャク 親子のようなカタツムリ 幼虫の接近 オニグモのネットと満月 カバキコマチグモ−その3
ホシホウジャク 親子のようなカタツムリ 幼虫の接近 オニグモのネットと満月 カバキコマチグモ−その3



 





【秋の花をアップで撮る】
2016.8.24
 秋の花をアップで撮りました。全体の姿と合わせてご覧ください。
キオン
クサボタン
カワラハハコ
ゴマナ
シラヤマギク
イタドリ
シシウド
ボタンヅル


▲写真を選ぶ▲


 


【トケイソウ】
2016.8.12
 7月始めにトケイソウの苗を買ってきて鉢植えにしてサンルーム内に置いたら、まもなく一番花が咲き、羽化したアゲハ蝶が止まり、一日花として数日間に4つの花が咲き、3つの実がなりました。
 果物としてのトケイソウはパッションフルーツとしておいしく食べられるとのことですが、観賞用のトケイソウは食べるところが少なく酸味もあっておいしくないので、ユニークな形の蔓をたのしむのが良いとのことです。


▲写真を選ぶ▲


 

【小鳥の雛を拾う−その1】
2016.8.15
 ある日の夕方、買い物の帰り、車の往来の激しい道路上に、一羽の小鳥がうずくまっていましたので、手で車を制し止まってもらい小鳥を拾い上げました。少し羽ばたきしましたがあたりには木はなく、巣から落ちたとは思えませんので、家に持ち帰り鳥籠に収容しました。野鳥を許可なく飼うことは禁じられていますので、地方事務所に引き取りに来てもらうまで、弱っている雛が元気になるよう、少しの間世話をすることにしました。
 手のひらに水を盛り口元に近づけると、少し水を飲みましたので、過去の経験から卵を茹で黄味とオカカ、牛乳を混ぜ、練りにして与えましたが全く口にしません。夜でもあり小鳥は布でくるみ、籠には黒い布を被せて、暖かい風呂場に置きました。翌朝6時頃見ると鳥は布から出て鳥籠の中央にある木株の上に乗っていました。朝食後餌付けに挑戦、明るいサンルームのテーブルの上で、昨夜作った餌を箸で何度か口元に近づけるが口を開けません。指につまんで近づけたら、反撃の動作か指を咬みましたが、その際口元についた餌を舌を出して飲み込みました。“よし味さえわかれば”と同じ事を何度か繰り返した後、暫く様子を見るため、餌を足元に置き、その場を離れて、チィチィと口笛を吹いたりして見ていたら、10分程経って足元の餌に関心を示し啄(ついば)み始めました。何度かつついて飲み込みました。餌付けの成功です。餌付けさえ出来れば後は元気になるのを待つばかりです。鳥の名前は雛のためはっきりしませんが、羽根の模様とくちばしの格好からトラツグミかキジバトではないかと思われます。午後になり餌に牛肉をきざんで与えたらよく食べ、少し慣れたのか体をそっと撫でてあげるとじっとしており、指先にも止まるようになりました。餌付けと観察を続け、大事に見守っていきたいと思います。
午後からの餌には生の牛肉を与える
せなかを撫でてあげる指にも止まる


▲写真を選ぶ▲

 



【小鳥の雛を拾う−その2】
2016.8.16
 8月16日の朝、鳥籠の中で翼を広げる仕草をしていたので、小鳥を籠からサンルーム内で出すことにしました。出そうとしたとき一匹のハチが小鳥の足元に近づきましたが全く関心を示さず、試みに籠から出した小鳥の足元に、作り物の小鳥を置いてみましたが、これも全く無視、羽づくろいをした後、木株の上に乗って舞い立つ体勢を取りました。暫く躊躇していましたがパッと飛び立ち50センチメートルほど離れた床に、翼を広げたまま降り立ちました。「初飛行」です。
 日中は、サンルーム内を自由に行動出来るようにしておき、食事は数回、目の前において食べさせました。夕食は、スーパーで挽肉を買ってきて与えることにしました。挽肉を小皿の上に載せ箸を使わずにそのまま目の前に差し出したら、中をのぞき込んでいましたが、自ら啄んで食べ始めました。挽肉はおいしいのか何度も何度も咥えるので追加もいたしました。少し大きな塊を咥えると、首を左右に振ったり、喉を反らしたり、目を白黒して飲み込もうとする愉快な様子まで見せてくれました。自分から餌を啄むようになったのは大きな前進で、後は舞うことが出来るのを待つばかりです。
籠の中で翼を広げる足元のハチには関心を示さず
作り物の小鳥も全く無視盛んに羽づくろいをする
舞い立ちの体勢パッと舞い立つ
翼を広げたまま床に降り立つ大きな餌を啄む
挽肉を小皿に載せて差し出したら自ら咥えて食べ始めた


▲写真を選ぶ▲

 



【小鳥の雛を拾う−その3】
2016.8.18
 今日のティータイムには、お別れのため小鳥と一緒。同じテーブルの上で私はコーヒーにトマトとサンド、小鳥には、挽肉とパンと牛乳の練りを小皿に盛って出しました。私に負けじとよく食べました。ようやく元気になりました。地方事務所の担当者に引き取りに来て頂き引き渡しました。一寸寂しいけれど、この雛ともこれでお別れになりました。
今日は一緒に食べようと誘うおいしいかい、遠慮無く食べな
こぼさないでなほら、こぼした
良く食べるね食べた後は花のそばで一眠り


▲写真を選ぶ▲

 



【ホシホウジャク】
2016.9.2
 花に止まることなく、空中をホバリングしながら、長い口吻(10センチメートル程)を伸ばして花から花へと飛び回りますので、撮影には苦労します。


▲写真を選ぶ▲


 



【親子のようなカタツムリ】
2016.9.2
 台風一過、庭先で撒水をしていたら、花棚に2匹のカタツムリがいるのを目にしたので、写真を撮ったら、すぐ近くに小さな豆粒ほどの子供カタツムリがいるのに気づきました。この親の子供かわかりませんが、雌雄同体の親たちは子供に関係なく交合を始めたようです。


▲写真を選ぶ▲


 


【幼虫の接近】
2016.6.18
 「イモムシ」と呼ばれる色々な幼虫をネット内で飼っていますが、同じ食草にいる幼虫同士は、離れていた方が食餌の確保に有利ではないかと考えますが、意外と近くに寄る事が多いのを目にします。以下その実例です。
アゲハ
ウラギンシジミ
クロアゲハ
ジャコウアゲハ
ヤママユ
ルリタテハ
左ミドリヒョウモン・右キアゲハ
オナガアゲハ
エビガラスズメ
ナミアゲハ
ベッコウハゴロモ
キアゲハ蛹とエダシャク幼虫


▲写真を選ぶ▲


 


【オニグモのネットと満月】
2016.8.20
 オニグモが、我が家の軒先から4メートル程離れた庭木の間に、直径1メートル程の見事な垂直円網を張りました。ネット作りは、夕方陽の沈む頃、軒下でじっと休んでいたクモが、元糸を伝わって出てきて、約2時間ほどかけて行います。昨夜はバックに満月が浮かんだので、ライトを点けて撮影しました。このクモは、基本的には夜にネットを張り、昼間はネットを畳んで物陰に潜む習性があるとされていますが、地域により差があり寒い地域では昼間もネットを畳まずそのままにし、物陰に隠れていて夜になると出てきてネットの修復をし獲物を待ち受ける傾向があると言われます。当家のクモは後者で、昼もネットを畳みません。
昼間軒先に潜むオニグモとネット 繕いをするクモと満月
以下は、ネットの中央で獲物を待つクモと満月
ネットに掛かった蛾を、あっという間に糸でぐるぐる巻きにする
日中クモのいないネットは青空に浮かび風に揺れる


▲写真を選ぶ▲


 


【カバキコマチグモ−その後】
2016.8.7
 カバキコマチグモの生態を更に調べるため、ススキの多く茂る土手を歩き、葉先を折りたたんで作ったクモの「産室」を探し集めました。全部で15個集め、公園の一角にビニールシートを敷いて、一つ一つ慎重に分解し中を調べました。
◆ 部屋の中に母グモと卵?が入っていたもの…………………………2個(写真1〜2)
◆ まだ生きている母グモと孵化したばかりの子グモがいたもの……3個(写真3〜4)
◆ 母グモは食べ尽くされ子グモが這い出してきたもの………………6個(写真5〜6)
◆ クモも卵?も無く茶色の円筒形の物が入っていたもの……………3個(写真7〜9)
◆ 何も入っていない空のもの……………………………………………1個
写真1
写真2
写真3
写真4
写真5
写真6
写真7
写真8
写真9
8月の本欄で、「カバキコマチグモ1〜2」の報告をいたしましたが、編集室の方から「笹袋中に入っている丸い物体は、寄生バチの繭」とのご指摘を頂きましたので、インターネットで調べたところ、カバキコマチグモの寄生バチである「イワタツツクモバチ」の蛹のようです。この蜂はクモの体に産卵し、笹袋の中に入ったクモを食べて成長し、繭を作って、やがてハチとなって出てくると言うので、保管している繭を大事にして、蜂が出てくるのを待つことにします。
クモ同士は出会うと激しく争います
※この種は毒グモなので、むやみに触らないようご注意下さい。


▲写真を選ぶ▲


 







『自然と友だち』バックナンバーはこちら
『北の丸公園の自然HP』バックナンバーはこちら
『自然との出会いHP』バックナンバーはこちら




このサイトのすべての画像・記事について、無断使用・転載を禁止します。
Copyright (C)2007 Science Museum Tokyo, ALL RIGHTS RESERVED.