自然と友だち


梅雨の晴れ間に

 本格的な夏山シーズンを前に、梅雨の晴れ間を狙って、上高地、高ボッチ高原、白馬五竜、中央アルプス駒ヶ岳へ山の花を撮りに行ってきました。その時の写真と、身近な昆虫との出会いの妙をお届けいたします。

撮影・解説:加納巌

加納さんに質問やメッセージをどうぞ。
http://www3.jsf.or.jp/mlmaster/



 

トケイソウにいたチョウの蛹 卵のうを抱えたクモの仲間 授乳をする野生の猿 雨とアジサイの花とカタツムリ アゲハヒメバチに侵された蛹
トケイソウにいたチョウの蛹 卵のうを抱えたクモの仲間 授乳をする野生の猿 雨とアジサイの花とカタツムリ アゲハヒメバチに侵された蛹
ギンイチモンジセセリ ショウキラン 白馬五竜高山植物園の花 中央アルプス駒ヶ岳の高山植物
ギンイチモンジセセリ ショウキラン 白馬五竜高山植物園の花 中央アルプス駒ヶ岳の高山植物



 





【トケイソウにいたチョウの蛹】
2016.6.10
 園芸店で買ってきたトケイソウの花鉢、花が咲いたのでよく見たら、花の下にチョウの蛹がぶら下がっていました。何のチョウの蛹かわかりませんのでそのままにしておいたら4日後の今日、メスグロヒョウモンのオスが羽化しているのに気づきました。


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【卵のうを抱えたクモの仲間】
2016.6.11
 庭の大きな草の葉の裏に、卵のうを抱えたクモの仲間がいるのを発見、撮影のため葉からテーブルの上に移したら、卵のうを腹の下に抱え直し足早に走ります。再び葉の上に戻し様子を見ていたら、元のように卵のうを尻に付けて走り去りました。


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【授乳をする野生の猿】
2016.6.12
 上高地河童橋から明神池への林の中で、朽ちた切り株の上に猿が座っているのを見かけました。よく見ると親猿が子猿を膝の上に乗せて毛づくろいをしていました。猿を刺激しないように身をかがめ、ゆっくりと2メートル程の距離まで近づき、写真を撮らせてもらいました。すぐ近くにはもう2匹の子猿もいて、私を警戒する様子もなく、約20分ほど毛づくろいをしたり、遊んだり、親猿が子猿に乳を飲ませる様子まで見せてくれました。60枚ほど撮った写真の一部をご紹介します。
私がすぐそばで写真を撮っていたのに、母猿が横になり子猿が乳首をくわえて乳を飲む、もう1 匹の子猿が母親の毛づくろいをするなんてことはめったに見られない珍しい光景です。私を見る親子の目には、警戒の色は有りませんでした。


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【雨とアジサイの花とカタツムリ】
2016.6.16
 梅雨に濡れたアジサイの花のそばに、カタツムリがいました。雨、アジサイ、カタツムリと、この 時期ならではの、心なごむ風情です。


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【アゲハヒメバチに侵された蛹】
2016.7.5
 7月3日に、オナガアゲハの蛹がアゲハヒメバチの寄生で羽化出来なかったことから、他の蛹も犯されていないかと心配して注視していたところ、7月5日午前8時06分、カラタチの枝で蛹化していた蛹から、アゲハヒメバチが殻を破って外に出てくるのを目撃しました。殻を破って上体が現れ、全体が殻の外に出るまで僅か40秒、殻から出て翅を乾かし舞い立つまで9分と短い時間でしたが、その様子をカメラに収めました。
7月3日
アゲハヒメバチに侵された蛹
7月5日
8時06分46秒、殻を破り上体が出る
8時7分26秒、体全体が殻から出る
8時7分35秒、蛹から離れ翅を乾かす8時15分05秒、舞い立つ


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【ギンイチモンジセセリ】
2016.6.11
 Oさんに誘っていただき、急遽、塩尻市タカボッチ高原へ、ギンイチモンジセセリの撮影に出掛けました。薄日の射す土曜日、10時頃着いた高原には、今を盛りのレンゲツツジを見に来ている観光客が多く見えていました。昨日見かけたと言う高原の一角でギンイチモンジの姿を探しましたが、なかなか見つからず、ようやく見かけても個体は小さく黒く、動きが速いため、すぐに見失い撮影は困難、それでも2時間ほどの間に10頭ほどを見かけ、2頭の撮影をすることが出来ました。


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【ショウキラン】
2016.6.11
上高地の遊歩道沿いの草むらで、奇妙な珍しい花を発見いたしましたので、腹這いになって写真を撮りました。初めて見る花ですが腐生植物ではないかと、名前を確かめるため、半開きの蕾みを、そっと広げて花の中をマクロレンズで写し、家に帰って図鑑で調べたら「ショウキラン(鍾馗蘭)」とわかりました。端午の節句に飾る鍾馗様の顔に似ているから名付けられたと言いますが、可愛い少女の顔と言ったほうが良さそうな花姿です。貴重な出会い、写真となりました。


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【白馬五竜高山植物園の花】
2016.6.18
 平年より10日以上も早く高山植物の花が咲き始めているとの情報を得て、急遽写真仲間と、白馬五竜の「高山植物園」へ出掛けました。下界は30度を越す真夏日でしたが、2基のゴンドラを乗り継いで登った1515メートルの天空植物園は、気温20度の爽やかさ、4時間あまりをかけて写真を撮りながら歩いて下りました。余り沢山の高山植物があるので、花図鑑と照らして見ても名前を覚えきれません。
 コマクサは、「高山植物の女王」と言われ、この植物園のメインの花とされていて、岩や砂礫の傾斜地に約3万株が咲いていました。中には、白い花もあります。
 標高4000メートルのヒマラヤ山中に自生すると言われる「青いケシの花」も植栽に成功し数株の花が雲の浮かぶ空に揺れていました。
ヤナギラン
クロユリ
スズラン
コバイケソウ
ワタスゲ
ハッポウウスユキソウ
ウサギギク
ミヤマシロオダマキ
ハクサンチドリ
コケリンドウ
ミヤマクワガタ
ミヤマオダマキ
当植物園メインのコマクサ


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【中央アルプス駒ヶ岳の高山植物】
2016.6.26
 中央アルプス西駒ヶ岳へ、下界は晴れ、気温23度、午前8時にロープウエーで千畳敷ホテル(2612メートル)に着いたときには気温7度、濃い霧と霧雨で視界2メートル、天候の回復を待つが一向に晴れる気配なし、雨具を着け足元に注意しながら4時間近く高山植物の撮影を行いました。待望の当山固有種のヒメウスユキソウ(コマウスユキソウ)は、ホテルから更に険しい登山道を登る岩場にあるため、今回は撮影を断念しました。
コイワカガミ コケモモ
クモマスミレ ミヤマクロスゲ ショウジョウバカマ
ミヤマキンポウゲ ミツバオウレン ウラジロナナカマド


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