自然と友だち


華やぐ季節の変わり目に

 初夏を思わせる陽気に、信州の自然は急に活気を呈してまいりました。花も、昆虫も、日々様変わりを見せてくれますので、そんな変わり目の数々をお伝えいたします。

撮影・解説:加納巌

加納さんに質問やメッセージをどうぞ。
http://www3.jsf.or.jp/mlmaster/



 

庭木の花 土手に咲くカタクリの花 花散策 ナミアゲハの交尾とキアゲハの孵化 山道のアズマヒキガエル
庭木の花 土手に咲くカタクリの花 花散策 ナミアゲハの交尾とキアゲハの孵化 山道のアズマヒキガエル
クロアゲハの羽化記録 花色違い 長野・辰野町にも生息するヒメギフチョウ キアゲハの終齢脱皮記録  
クロアゲハの羽化記録 花色違い 長野・辰野町にも生息するヒメギフチョウ キアゲハの終齢脱皮記録  



 





【庭木の花】
 暖かくなり、庭木の花も順次咲き始めましたので写真に撮ってみました。マクロレンズで花の中を覗くと、何時も見られない花の姿があって楽しいものでした。
サンシュユの花
ツバキの花
ミツバツツジの花
モクレン(赤) の花
トサミズキの花
モクレン(白)の花
レンギョウの花
ツバキ(白)の花
ミツマタの花


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【土手に咲くカタクリの花】
2016.4.10
 小横川の入り口の土手に、カタクリの花が咲き始めました。林の中ではないのに年々増えていて、ニリンソウ、ヤマエンゴサク、アズマイチゲの花も咲き出しました。
ニリンソウ
ヤマエンゴサクアズマイチゲ


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【花散策】
2016.4.13
 午後から雨というので、午前中、神戸のスイセン、新町のレンギョウ、カタクリの里の林に咲く花の、ぶらり花散策をしてみました。
地区の人々が、西天竜水路沿いに育てている10万株のスイセンが見頃となり、週末には「水仙祭り」が行われました。
地区の方が自分の敷地に、レンギョウ、ハナモモ、シバザクラを植え、管理しています
かたくりの里の雑木林のなかに咲く、可憐な野の花々
カタクリの群生ニリンソウ
カタクリ・ニリンソウ・ヤマエンゴサクの添え咲きスミレ
アズマイチゲ


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【ナミアゲハの交尾とキアゲハの孵化】
2016.4.15
 4月15日、朝から暖かなので、午前9時1頭のナミアゲハが羽化し、午後1時には4月9日に既に羽化していた2頭のうち1頭と交尾となりました。
 一方、4月2日に産卵したキアゲハの卵の孵化も始まり午後3時頃までに8匹の幼虫が出ました。卵から出るとすぐに振り向き、出てきた卵の抜け殻を食べます。暫くサンルーム内ではアゲハ蝶の羽化と孵化が続くことになります。
ナミアゲハの交尾
卵に小さな穴があく
午前10時37分37秒
頭が覗く
10時56分09秒
体全体が出る
10時57分00秒
振り向いて抜け殻に近づく
10時58分20秒
抜け殻を食べ始める
11時5分18秒
まもなく食べ尽くす
11時11分18秒
    


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【山道のアズマヒキガエル】
2016.4.19
 山道の窪みに雨水が溜まって出来た小さな水溜まりに、どこから来たのかアズマヒキガエルがいました。3 匹は水の中で交尾の相手を探しており、2匹は既に水の外で交尾をしていました。明日になれば水は干上がるでしょうが、どうするのでしょう。


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【クロアゲハの羽化記録】
2016.4.22
 クロアゲハの羽化が始まったのは午前8時59分28秒、蛹の背が割れ頭が覗き、体全体が出たのは9時0分28秒、このとき口吻は1本ではなく2本に分かれていて、これを伸ばしたり丸めたりして、1本の管に貼り合わせたのが9時15分14秒、1本になった口吻をクルクルと巻き込んだのが9時35分44秒、一方縮んでいた翅はその間に徐々にのび、広げたり閉じたりしながらのばす。翅がのびきると舞い立ちだが、体を軽くするため余分な体液を尻から放出後、舞い立ったのは11時25分20秒でした。羽化が始まってから約2時間半後、舞い立った蝶は近くの鉢植えの花に止まり暫くじっとしていました。
8時59分28秒 9時0分28秒  
2本の口吻を伸ばしたり巻いたりして1本に貼り合わせる 9時15分14秒1本になる
口吻を巻き込む
9時35分44秒
翅を広げたり閉じたりしてのばす
舞い立つ前、余分な体液を尻から放出
10時57分03秒
舞い立って花に止まり休息
11時25分20秒


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【花色違い】
2016.4.30
 同じ種類の花でも、花の色違いで呼び名が異なりますので、身近かで咲いている花を並べてみました。
セイヨウタンポポシロバナタンポポ
エンレイソウシロバナエンレイソウ
ヤマブキシロヤマブキ
エゾエンゴサク
(赤紫)
ヤマエンゴサク(ブルー)ジロボウエンゴサク(白)


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【長野・辰野町にも生息するヒメギフチョウ】
2016.5.3
 小横川の上流を起点とする林道の渓谷の一つに、ニリンソウの群生地があると、知人の案内で出掛けました。林道から急斜面を100メートル程下ると、少し開けた澤川の源と思われる湿地があり、およそ10メートル四方が白いニリンソウの花で埋め尽くされていました。壮観でした。 周りを見回すと山の斜面にカタクリの花の群生も見られ、エンレイソウ、ヤブレガサ等色々な野草も生えており、よく見るとウスバサイシンの株も沢山見られました。春の妖精と言われるヒメギフチョウの食草のウスバサイシンがあり、ヒメギフチョウが好んで吸蜜するカタクリの花が共生しているなら、ヒメギフチョウがいるかもしれないと私が言うと「この蝶ですか、いまそこにいたので撮った」と言ってカメラのモニターを見せてくれました。まさにヒメギフチョウでした。急いでその場へ行きましたが、既に飛び去って姿を見ることはできませんでした。でも、ヒメギフチョウがこの場にいたことは事実でしたので、日を改めて来ることにし、3日後に同じ場所を訪ねました。おにぎりを持参し、午前10時から午後の2時まで根気よく近くを見張りながら過ごした結果、その忍耐が稔って、とうとうヒメギフチョウに出会うことが出来ました。1頭はスミレの花に、1頭はカタクリの花で吸蜜しているところを見かけ、写真に撮ることも出来ました。感激の一瞬でした。辰野町では北部の小野地区でわずかに生息している事が確認されていますが、南部の山林で羽化が行われていることは聞いておりませんでしたので大発見と思いましたが、公表するとマニアが訪れ荒らされる懼れがあるので、暫く場所は内密にし観察していくこととします。
ニリンソウの群生とニリンソウの花
カタクリの群生エンレイソウとヤブレガサ
ウスバサイシン
スミレの花で吸蜜するヒメギフチョウ
カタクリの花で吸蜜するヒメギフチョウ


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【キアゲハの終齢脱皮記録】
2016.5
 食草のボウフウの葉で、キアゲハが終齢幼虫になる脱皮を始めたので、三脚を立て、その一部始終をカメラで追いました。脱皮を始めて、その抜け殻を食べ終わるまで約1時間25分でした。
脱皮の直前
12時46分25秒
頭部が出る
48分42秒
外皮が次第に下に下がる
50分25秒
全体が殻から抜け出す
52分45秒
(この後約1時間静止)
殻を食べ始める
55分34秒
食べた後の休息
11分58秒


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