自然と友だち


初夏の信州より

 夏、涼を求める皆さんに、信州の自然をお届けしようとカメラを肩に歩いてみました。自然の生きものや草花の、この時期ならではの姿を見つけて写真に、と思いましたが、いがかでしょうか。


撮影・解説:加納巌

加納さんに質問やメッセージをどうぞ。
http://www3.jsf.or.jp/mlmaster/



 

荒神山辰野湖のオオハクチョウ ミドリヒョウモンの羽化 露と花 みのむしのファッションショウ カタツムリの集団
荒神山辰野湖のオオハクチョウ ミドリヒョウモンの羽化 露と花 みのむしのファッションショウ カタツムリの集団
国蝶・オオムラサキ チョウの熱中症対策? キアゲハの卵・孵化ラッシユ メスアカミドリシジミ マタタビの花
国蝶・オオムラサキ チョウの熱中症対策? キアゲハの卵・孵化ラッシユ メスアカミドリシジミ マタタビの花



 





初夏の信州より


【荒神山辰野湖のオオハクチョウ】
2015.6.14
 辰野いきものネットワークが絶滅危惧種のミヤマシジミ保護活動として、食草となるコマツナギ周囲の草刈り作業を荒神山で行いました。その際、辰野湖で飼われているオオハクチョウの親子が、湖畔で草刈りをしている私たちの傍らに寄ってきました。今春3羽の雛が生まれたといわれますが、2羽は何かに襲われていなくなり、残る1羽も左足が折れて動かなくなっているのに、3羽の成鳥に守られて泳いできました。私たちが青草の葉を水面に投げると、親子で葉を啄んだあと去って行きました。
3羽の成鳥に守られて雛鳥もやってきた
左足は折れていて動かない
右足だけで泳いでいる
4羽が去って行く


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【ミドリヒョウモンの羽化】
2015.6.16
 6月1日に、庭先で見つけた毛虫、ミドリヒョウモンの終齢幼虫と判断し、捉えて蛹化させ見守 っていたところ、今朝5時59分に羽化しました。
6/1 終齢幼虫
6/16 羽化直前の蛹 6/16 午前5時59分羽化始まる
6時00分
6時01分 6時02分、口吻伸縮
6時19分、翅が伸びる
7時26分、翅を広げて上へ移動
8時35分、舞い立ちガラス戸に止まる


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【露と花】
2015.6.21
 梅雨の晴れ間、庭の草花に着いた雨露が光を受けて、周りの花色を綺麗に映していました。ムラサキツユクサとアジサイの花に、 静かな雨は、この時期格好の風情です。
雨露に映る花影
ムラサキツユクサの花に露
アジサイの花に露


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【みのむしのファッションショウ】
2015.6.25
 町内親睦の会で、“庭でミノムシを見かけたら知らせて下さい”と言ったら、数日後にミノムシを数匹持ってきて下さった方がありました。早速生きものを使っての遊びを始めました。
 ミノムシが体を包んでいる木屑などを半分ほどはがして、なかの虫が見えるようにし、菓子箱の中に入れ、その上に色紙を細かく刻んだものを入れ、一晩置き、翌朝見るとミノムシは紙くずを体に巻き付けているので、それをそっと木の枝に載せました。半日ほど経つとミノムシは枝を這い上がります。綺麗な色紙を身につけて枝にぶら下がる様子は、着替えをしたミノムシのファッションショウです。
 ファッションショウの後、1匹は食事、葉の中を丸くくり抜くように食べます。次の葉への移動は上体をのり出して行います。もう1匹は、舞台衣裳を着流しに、花の下で午睡。自然の生きものの習性を活かした遊びは大人でも楽しいものです。


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【カタツムリの集団】
2015.7.1
 梅雨の晴れ間、団地内道路沿いの石垣とコンクリートブロック面に沢山のカタツムリがいるのを見かけました。こんなに沢山のカタツムリが狭い範囲内にいるのを見るのは初めてでしたので、1カ所に集めて写真を撮ることにしました。大きさ、殻の色も様々ですが、種類は同じ仲間だと思います。カタツムリの図鑑がないので名前はわかりません。1時間余写真撮影のおつきあいをしてもらいました。
それぞれが勝手に動き出す


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【国蝶・オオムラサキ】
2015.6.7
 日本の国蝶「オオムラサキ」も、この時期、羽化のシーズンを迎えますので、ユーモラスな姿の幼虫と、美しい羽根を広げた成蝶の姿を写真に収めました。


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【チョウの熱中症対策?】
2015.7月
 “熱中症対策には水分の補給を”といわれますが、チョウの場合も暑い日中には湿地に集まって口吻を伸ばし吸水し、それを尻から放出している場面をよく見かけます。ミネラルの補給と共に 、水を体の中に通す ことにより体温を下げる効果もあるといわれます。
 ミヤマカラスアゲハの集団吸水を始め、キチョウ・コムラサキ・テングチョウの集団吸水、ミスジチョウ、キマダラヒカゲとセセリチョウが並んで吸水しているところ、またスミナガシが 真っ赤な口吻を伸ばして吸水している場面に遭遇しカメラに収めました。


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【キアゲハの卵・孵化ラッシユ】
2015.6.15
5月中旬に羽化し、産卵をしたキアゲハの卵が、孵化のラッシュを迎えました。昨日4匹、今日15匹余、卵から出た幼虫はすぐに卵の殻を食べ、葉のあちこちに散っていきました。卵から出る瞬間、卵の殻を食べる幼虫の様子をカメラに収めました。


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【メスアカミドリシジミ】
2015.6.30
例年6月下旬には、辰野町雨沢地区の一角で、翅の表が宝石のエメラルドのように 輝くメスアカミドリシジミが舞い出すので見に出掛けました。縄張り意識が強く、いつもテリトリーを見通せる高い枝の葉先に止まっていますが、緑の葉の色と一体になって、見つけるのが困難です。翅の輝きを目当てに、目をこらして2時間ほど探した結果6頭を目にすることができました 。遠くから望遠で撮っていたら、運良く1頭が近くにきて止まったのでアップで表裏を撮影することができました 。


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【マタタビの花】
2015.6.28
今時分、 山路を歩くと、沢の斜面に、葉の一部が白く変色したマタタビの木をよく見かけます。急斜面に茂るつる性のため、近づくのは少し困難ですが近づいて見ると、葉の陰に沢山の花が咲いています。白く端正な可愛い花です。秋にはマタタビの実が成るので採りに来ようかと思いました。


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