自然と友だち


ひな鳥とのお別れ

 自然の生きものの活動が活発になり、野山の散策が楽しみです。今月は、道路に落ちていた野生のひな鳥を拾って届けてこられた方があり、初めてひな鳥への餌付けに挑戦しましたが、あることをヒントにひな鳥への餌付けに成功し、元気にして山へ帰すことができました。


撮影・解説:加納巌

加納さんに質問やメッセージをどうぞ。
http://www3.jsf.or.jp/mlmaster/



 

キアゲハ 卵から蝶になるまで 毛虫(いもむし)が蝶になる クモの巣にかかった甲虫 持ち込まれた野鳥のひな 緑色のクモとの出会い
キアゲハ 卵から蝶になるまで 毛虫(いもむし)が蝶になる クモの巣にかかった甲虫 持ち込まれた野鳥のひな 緑色のクモとの出会い
羽化したキアゲハ 雨上がりの林の中 ハッチョウトンボ シャッターチャンス 花と女性
羽化したキアゲハ 雨上がりの林の中 ハッチョウトンボ シャッターチャンス 花と女性



 





ひな鳥とのお別れ


【キアゲハ 卵から蝶になるまで】
2015.5.9〜6.3
 庭の食草に産卵されたキアゲハの卵から孵化した幼虫は、鳥や蜂等に食べられないよう、食草とともに、家の中のネット囲いの中に収容して飼っていますが、その第1号が今日(6月3日)羽化し蝶になりました。
5/9 食草に産みつけられた卵
5/18 卵から幼虫が孵化、米粒と対比
5/25 沢山の幼虫
幼虫は何度か脱皮をして大きくなる
5/24 終齢幼虫
5/25 棒に這い上がり蛹となる
6/3 羽化して蝶になる
第1号の誕生を祝ってユリの花を添える

以降蝶の誕生は続きます。6月1日現在、蛹が13個幼虫が27匹います。羽化の瞬間は実に感動的なので、直接目の前でご覧になりたい方には、蛹をお譲りいたします。
ご希望の方は、「自然と友だち」扉ページのメールフォーム(https://www3.jsf.or.jp/mlmaster/)からご連絡ください。


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【毛虫(いもむし)が蝶になる】
 庭の竹垣の上を、何蝶なのかわからないが蝶の幼虫と思われる毛虫が這っていたので、飼育のため家の中のネット囲いに収容し、蝶になるまで観察しました。
5/11 毛虫をネット囲いに収容
5/12 逆さに体を固定
5/13 蛹化が始まる
頭の一部が割れ、次第に蛹の形となる
殻を下に落とす

蛹化した直後



6時間後の蛹
5/21 蛹が黒くなる
5/23 午後1時30分羽化が始まる
翅の裏面
翅の表面
羽化した蝶は「メスグロヒョウモンのオス」と判明しました


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【クモの巣にかかった甲虫】
2015.5.15
 クモの巣にかかった甲虫を、クモがぐるぐると糸を巻き付けているのを見かけました。約20分程、糸を巻き付けた後、甲虫を咥(くわ)えて体液を吸い始めました。
甲虫の体に糸を巻き付ける
糸を巻き終える
甲虫の体の一部に糸を巻き付けてないところがありそこに口を付けて体液を吸い始める


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【持ち込まれた野鳥のひな】
2015.5.17〜20
 5月17日の夕方、知人が「道路に小鳥が落ちていたので拾ってきたのですが、どうしたらよいかわかりませんので、面倒を見てあげて下さい」と言って、1羽の小鳥を持ってきました。口ばしはまだ黄色くひな鳥なのでハッキリしませんが、図鑑で見ると「ゴジュウカラ」のようです。とりあえず夜は暖かくしてあげなければと、タオルに包み浴槽のふたの上に置きました。
 翌朝起きてみると、ひな鳥はタオルから顔を出し元気そうですので、まず水をあげようと手に水をすくって口元に当てたら、少し飲みました。餌は何にしようかと考えたが思い当たらないので、卵を茹で、黄身に牛乳を混ぜ、ゼリー状にしたものを箸の先きに載せて口元に近づけましたが口を開きません、そっと頭や背中を撫でているとき、顔の前で手をひらひらさせると口を開けることに気づきました。親鳥が餌を運んで来たと思うのでしょうか、それを繰り返しながら、口を開けたとき、片方の手にピンセットを持ち口の中へ作った餌を丸めて差し入れました。口に入れた餌はすぐに飲み込みますので、ゆっくりと繰り返したら、食べるようになりました。1時間おきに3口ずつ与えることにしました。食べた後は糞をしますので尻をぬぐってあげ、その都度頭や背中を撫でてあげたら、怖がる様子もなくじっと私を見詰めていたり、午後には羽づくろいまでするようになりました。
目の前で羽づくろいをする最後の夜は止まり木で眠る
 野鳥を拾ったら、地方事務所へ届け出るようにと聞いておりましたので、電話をしたら、明後日伺うので、それまで面倒を見ていて欲しいとの事でしたが、たまたま翌19日は所要で家を留守にするため、朝出かける前に餌を多めに与え、午後4時頃帰ったら、私の姿を見たとたん、ピイピイと鳴き大きな口を開けて餌の催促をしました。お腹がすいていたのでしょう、早速餌を与えました。水も飲みました。その夜は部屋の中の止まり木で休ませました。
 20日、午前中、地方事務所の担当の方が見える前に、少し運動をさせようと、ひなを指にとまらせ上下させ、羽ばたきの練習をさせたり、指から離して少し舞うようにも仕向けました。地方事務所の方が見えられたので、これまでの経過を説明し、餌を与えるところも見ていただきました。
 野のひな鳥をこれまで世話をしたのは珍らしく感謝しますと言われましたが、自然に帰すリハビリ、訓練が必要なので預かっていきますと言って、ダンボールの箱に入れ連れて行きました。
 ごく短い期間でしたが、夜を含め精一杯面倒を見てきて私になついた鳥なので別れるのは寂しい気持ちでしたが、最後の餌やりをして別れました。 5月23日、小鳥は舞えるようにもなり、餌もついばめるようになったので、小鳥の森に放してあげた、と言う知らせを受けホッとしました。
麦わら帽子の上で、お別れの餌を与える


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【緑色のクモとの出会い】
2015.6.3
 ユリの花を買ってきて活けたら、小さな緑色のクモが葉の裏にいました。こんな色のクモを見るのは初めてでしたので、昆虫図鑑で調べたら、クモは昆虫ではないので、数が少ししか載っておらず、名前はわかりませんでした。緑色のクモには「ワカバグモ」がいると言いますが、これがそのクモのようです。少し観察してみようと窓際において見ていたら、ユリの蕾の頂点に移動し、なにやらお尻を上げる仕草をします。マクロレンズで覗いていたら、尻を上げるのは、尻の先から糸を出し、風に糸を流し、その先がどこか離れた場所に到達させるための行動だとわかりました。流した糸がどこかに付着したのを確かめて、その糸を伝わって離れた場所に移動しました。
 珍しい緑色のクモとの出会いと、思いも寄らぬクモの行動に感激し、貴重な時間となりました。
葉の裏にいた緑色のクモ
ユリの蕾の上部に移動
尻から糸を出し、風に流す
どこかに糸の先が着いたようです
糸を引っ張って確かめてから、その糸を伝わって50センチほど離れた窓枠に移動しました
クモはその後、張った糸を伝わってユリの花に戻り、今夜は元いたユリの花で休むようです。


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【羽化したキアゲハ】
2015.6.4
 午前6時25分、1頭のキアゲハが羽化、続いて9時までに4頭が羽化しましたので、食草と幼虫を飼っているネット囲いの中に収容し、様子を見ることにしました。
 午後3時31分、朝、羽化した2頭のキアゲハがネット内で交尾を始めました。他の2頭と、蛹になる前の終齢幼虫が並んだ瞬間をカメラに収めました。滅多に見られない貴重な光景です。
午前6時25分、1頭が羽化
続いて9時までに4頭が羽化
午後3時31分、2頭が交尾
羽化した4頭と終齢幼虫が並ぶ


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【雨上がりの林の中】
2015.6.6
 雨上がりの林の中を歩きました。ホオの木の花が、頭上10メートル程の所に咲いていたので、枝の合間を狙って望遠で撮影、鬱蒼とした林の中に、木漏れ日を受けて咲くコアジサイの花、足元に、コケとシダが寄り添った、自然の盆栽美にも目を向け、ようやく見つけたギンリョウソウは、花の時期を少し過ぎていましたが、ユウレイソウの名のように、ひっそりと白い姿を覗かせていました。羽化したばかりと思われるヤマキマダラヒカゲが小枝に止まっていました。


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【ハッチョウトンボ】
2015.6.7
 国内最小といわれるハッチョウトンボの保護を行っている駒ヶ根市福岡の湿地を訪ねました。
 体長2センチ足らずと小さいので、草むらの中にいるのを見つけるのは容易ではありませんでしたが、まず赤いオスを探し、目をこらして近くを見ると黒と黄色のメスを見つけることができました。
 じっくり観察をするため2時間ほど居座って写真を撮りました。大きさを比較するため鉛筆を立て、それに止まるのを待ったり、交尾中のトンボを見つけたりしました。
左の赤いのがオス、右の縞模様がメス
立てた鉛筆に
近づいて止まる
交尾中の傍らに
もう1匹のオス


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【シャッターチャンス】
2015.5.5
 何時も好奇心を持って身の回りのものに目を向けていると、思いも寄らぬものに目がとまったり、またとない瞬間に出会うことがあり、シャッターチャンスをものにすることができます。
カマキリが卵のうから一斉に這い出し散っていきます。まごまごしていると、こんなに小さくても共食いが始まります
カクムネベニボタルが、葉の先から舞い立つ瞬間を捉えました。ホタルの名がつきますが光りません
殻の3倍余もあるホソオビヒゲナガの長いひげ(触角)。このため舞方はふらふらと不安定、ひげの長い理由は不明です
イナダハリゲコオイグモは、水面を器用に歩くことができます
この時期、昆虫は繁殖のシーズンですが、交尾の現場に出会うのは稀です。
キバネツノトンボの交尾
ホソミオツネントンボの交尾
マダラガガンボの交尾
網に掛かって羽ばたく蝶に走りより、毒液を注入するクモ
マムシグサの花の上に乗ったアマガエル。奇妙な対比です
コゲラが、巣の入り口であたりを警戒しています


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【花と女性】
2015.6.1
 女性の美しさを、花にたとえた言葉がありますので、庭に咲く花を並べてみました。
立てば「シャクヤク」 座れば「ボタン」
歩く姿は「ユリ」の花 恋する心は「バラ」の花


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