自然と友だち


冬の訪れのなかで

 年の瀬も迫り、自然の草花も、昆虫たちも、冬ごもりの季節です。特に冬の訪れが早い信州では、戸外でこれらの写真を撮る機会が少なくなりました。
 今回は、身近な晩秋の風情や例年より早い来訪者など、日々の生活の中で、ふと垣間見た動植物の姿をお届けいたします。


撮影・解説:加納巌

加納さんに質問やメッセージをどうぞ。
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小鳥が庭にやってきた 庭の花 イチョウの林 2匹のカマキリ イトトンボ
小鳥が庭にやってきた 庭の花 イチョウの林 2匹のカマキリ イトトンボ
霜の朝 ナミテントウ アリが出てきた 赤い木の実 ヤママユの羽 化と産卵
霜の朝 ナミテントウ アリが出てきた 赤い木の実 雪と蝶



 





冬の訪れのなかで


【小鳥が庭にやってきた】
2014.12.10
 例年にない異常寒波と早い雪の到来に、我が家の庭にやってくる小鳥が2週間も早く姿を見せました。例年は12月20日が過ぎて、雪が降ると餌を求めて庭にやってきます。ところが、今年は12月4日に雪が降り、それならば小鳥の来るのは早まるかと思い、いちおう庭に餌場を作り餌を用意して置きましたが、こんなに早く来たのに驚きました。
 12月8日、メジロとシジュウカラがいずれもつがいでしょう、2羽ずつで姿を見せ、用意した餌場で、メジロは熟し柿を、シジュウカラはヒマワリの種をついばんでいました。翌9日、10日には朝から何回か2羽ずつでやって来るようになり、これに誘われてかジョウビタキも姿を見せました。今年もいろいろな鳥がたくさん来てくれるのを期待して待つことにいたします。





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【庭の花】
2014.11.8
 朝の最低気温3度となった庭に、けなげにも咲いている花があります。その花に、小さな虫が寄ってきます。今、庭に咲いている花をカメラで覗いてみました。
ホトケノザ
マリーゴールド
ジャノメギクにナミテントウ
ムラサキツユクサにヒラタアブ
ランタナ
レッドコスモスにハナアブ
ナデシコ
ペンタス
ゼラニューム
メランポジューム


 

【イチョウの林】
2014.11.11
 農道沿いにある、箕輪町のイチョウの林に行ってきました。葉の大半は落ちて、まさに黄色い絨毯(じゅうたん)を敷いたよう。夕陽に木の陰が伸び、木の幹に芽生えた葉、木の根元で背伸びする世代交代の若木、ギンナンもたくさんなっているのを見ました。



 



【2匹のカマキリ】
2014.11.11
 朝の気温が0度近くなるこの頃は、庭に昆虫の姿は見られなくなり、カマキリも、ほとんど死んでしまったと思われますが、サンルーム内にはまだ2匹のカマキリが生きています。
 朝食の後、オオカマキリとコカマキリの2匹を、日当たりの良い窓際のテーブルの上に並べ、しばらく遊びながら写真を撮り、物語といたしました。

おや、お前は誰だい
私はコカマキリです
指などしゃぶって、まだ子供だね
いえいえ大人で鎌に模様があります
貴方の鎌は大きくて強そうですね
それで私を捕まえないでください
どうぞよろしくと、コカマキリ、
オオカマキリの肩に手を掛ける


 



【イトトンボ】
2014.11.12
 庭先に、2種類のイトトンボがいるのを見つけました。1匹はオツネントンボで、もう1匹はオオアオイトトンボと思われます。オツネントンボは成虫越冬をするトンボと言われますが、何処で越冬するのでしょう。
オツネントンボ
オオアオイトトンボ


 



【霜の朝】
2014.11.20
 マイナス2度、日の出前の6時30分、小横川の川べりに霜の写真を撮りに出掛けました。
 2時間ほどで、こんな写真が撮れました。
カラマツの落ち葉の道に、ハクセキレイがうずくまっていて、近づいたらガードレールの上に舞い立ちましたが、寒そうです
草の葉の上に、白く霜が降りていました
タンポポの花にも、霜がついています
よく見ると、タンポポの花の傍らにモンキチョウがいて、その翅(はね)にもびっしり霜が付いていましたが、蝶は生きていて、触るとかすかに触角を動かしました
←霜の付いていない
タンポポの綿毛
→ 何故か畑の角に置か
れていた40センチ
大の置物の犬にも霜
がかかり、カメラを向
けたら恨めしそうに見
返しました
この寒さの中で
オオイヌノフグリ
の花が咲き、花
びらの先にも霜が
ついていました


 



【ナミテントウ】
2014.11.22
 林の入り口の一本の木に、テントウムシが20数匹集まっていました。枝の上を上下したり、切り口では日向ぼっこをしているものもいましたが、よく見ると、背中の水玉模様が異なるのがいました。図鑑で調べたら、名前はナミテントウで、多くは黒地に赤い水玉が2紋型で、そのほかに4紋型のものがいたり、紅紋型といって、紅い地に黒の水玉がたくさんあるテントウムシもいて、集団で成虫越冬をするとありました。


 



【アリが出てきた】
2014.11.30
 日曜日、サンルームでコーヒーを飲んでいたら、アリが1匹出てきて、角砂糖の上に上がり、囓(かじ)り始めました。この時期アリが出てくるのは珍しいことですが、何処にいて、これから何処へ行くのでしょう。(信州ではアリのことをアリゴと呼びます。)




 



【赤い木の実】
2014.11
  秋には、木々の葉が紅葉し、赤色を多く目にしますが、里山を歩くと思いのほか多くの赤い木の実を目にします。秋には何故植物の多くが赤色に色づくのか、詳しいメカニズムは知りませんが、木の実が赤くなるのは、小鳥を呼び寄せるためだと聞きました。小鳥は、赤色を識別する特別な能力を持っているので、赤い色を餌として誘い、これを食べさせ、中の種をあちこちに運んでもらうのだそうです。
 身近な里山を歩き、赤い木の実を探して写真に撮ってみました。赤いリンゴ、熟した赤い柿、割れたザクロなどの果物の他、庭先のナンテン、街路樹のハナミヅキ、山路のカンボク等々、こんなに多くの赤い木の実を見ることができました。
リンゴ(シナノピッコロ) 熟し柿 割れたザクロ
ハナミズキ ウメモドキ ツルウメモドキ
カンボク ナナカマド マユミ
ヤマホロシ ツリバナ ニシキギ
ノイバラ イチイ サンシュユ
ナンテン ピラカンサス


 



【雪と蝶】
2014.12.4
  今年の冬は、例年になく雪が早く降り始め、今朝は庭が一面真っ白くなりました。外では蝶の写真も撮れなくなりましたので、サンルーム内にいる蝶を、雪の庭をバックに撮りました。キタキチョウ2、キタテハ1、暖かい家の中で春と勘違いして羽化したナミアゲハ1、ホソミオツネントンボもいました。





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