自然と友だち


信州、自然の生きもの便り
7月〜9月に観察した身近な動植物たち

 自然豊かな信州辰野町で、小鳥や昆虫、草花とのふれあい、観察を楽しみにしながら、趣味の写真を撮っておりますが、松田邦雄先生とのご縁が幸いして「自然と友だち」へ写真を掲載していただくことになりました。自然の生きものに対する好奇心と関心が強く、何時も身の回りを見廻していて、ちょっとでも変わったもの、珍しいものがあると、まず写真に撮る、さらに追いかけて観察を続けるように心がけております。知識も経験も浅いので、記述には誤認、間違いなどがあろうかと思いますが、お気づきの点がございましたら、ご指摘、ご指導をいただきながら続けて参りたいと思います。よろしくお願いいたします。


撮影・解説:加納巌

質問やメッセージをどうぞ。
http://www3.jsf.or.jp/mlmaster/



 

羽化したアゲハ蝶 ヤママユの羽化 オニグモの網張り 続 − ハゴロモ ライトの光に誘われた虫
羽化したアゲハ蝶 ヤママユの羽化 オニグモの網張り 続 − ハゴロモ ライトの光に誘われた虫
ヒマワリとカワラヒワ 秋と赤い花 団地の空き地に見る実と花 果物野菜の花
ヒマワリとカワラヒワ 秋と赤い花 団地の空き地に見る実と花 果物野菜の花



 





信州、自然の生きもの便り


【羽化したアゲハ蝶】
2014.8.15
 今夏、最後のアゲハ蝶が朝に羽化しました。今年は、昨年秋に蛹となり越冬し、この春に羽化したキアゲハ25頭、ナミアゲハ6頭余が我が家から舞い立っていきました。ほかにも春以降に産卵し、6〜8月に羽化したキアゲハ32頭、ナミアゲハ10頭、クロアゲハ5頭余もチョウになって舞い立っていきました。
 これから秋に向かって、これらの蝶が蛹で冬越しする子孫をつくるため、庭に植栽している食草のボウフウ(キアゲハ)、サンショウ(ナミアゲハ)、カラタチ(クロアゲハ)に産卵に来ると思われますので、大事に観察見守っていきたいと思っています。
←キアゲハ
←ナミアゲハ
クロアゲハ→


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【ヤママユの羽化】
2014.8
 2014年8月20日発行のメールマガジンの「自然と友だち−信州辰野便り」で、ヤママユの幼虫が繭をつくり始めた様子をご紹介いたしましたが、今回は、その続きとして「繭の完成から産卵まで」をご紹介します。

7/14 繭が完成
繭が完成した2週間後、中の様子を見ようと1つの繭をカミソリで上部を切り開いたところ、幼虫は蛹になっており、脱皮した殻が底にありました


8/12 メスが羽化


8/13 オスが羽化



オスとメスは、触角の形が全く異なり、外見で見分けられます。

メスの触角は棒状
オスの触角は羽根状でメスの出すフェロモンを感知しやすいパラボラアンテナの役を果たしているとのこと

 通常、羽化はオスがメスより、数日早く羽化し、メスが羽化するのを待って交尾をするといわれますが、産卵の日の違いなのか、メスが先に羽化し、オスが後でした。交尾は夜中に行われるというので2晩観察していましたが見ることができず、8月20日に、繭の表面に卵が産み付けられているのを見つけました。以後、囲いのネットや木枠のあちこちに産卵しました。
 越冬は、卵で行われるといいますので、来春まで大事に保管します。


 

【オニグモの網張り】
2014.9.3
 夕方6時頃、家の軒下から伸びた1本の糸を伝わって、大きなクモが出てきたのに気づきました。アップで撮ってみるとオニグモであることがわかりました。このクモは、夕方出てきて大きな円形網を張り、翌朝にはこの網を、1本の横糸だけを残して撤収するとありましたので、今回はその様子を観察することにしました。高いところなので脚立を立て、ライトを点け夜半までの撮影を試みました。
18時25分 軒下から糸を伝わって出てきた
移動しながら縦横斜めに糸を張る

23時33分、網は完成、直径80センチほどの美しい円形の網ができ、クモは中央に

翌朝5時に見たら、クモは網の中央にいたが、7時に見た時にはクモの姿は消えていて、探したら軒下に体を丸めて潜んでいました。網はだいぶ傷んでいましたが撤収されておらず、日中もそのまま残されていました

 夕方5時半、クモは日中潜んでいた軒下から出てきて、網を撤収するのではなく、傷んだ所の補修を始めました。2時間程かけて網を完成させ、クモは昨夜と同じように、網の中央に居座りました。補修ですので、昨夜初めて張った網に比べ、形もゆがんでおり、大きさも50センチ程と小さくなっていましたが、網を張る時間は大幅に短縮されました。
 今回の観察で、このオニグモは、これまでの図鑑などにある「夕方出てきて網を張り、翌朝には網を撤収する」と言うことに反しており、このクモの行動は、このクモ独自の行動なのか、だとしたら、このクモが自らの学習によって、行動の合理的進化を遂げたのか、それとも突然変異的な行動なのか、他のクモのことはわかりませんので、わかる方がいらっしゃいましたら、ご連絡をお願いします。


 



【続 − ハゴロモ】
2014.8.31
 2014年8月20日発行のメールマガジンの「自然と友だち−信州辰野便り」でご紹介した、ベッコウハゴロモについて、庭のあちこちに沢山のベッコウハゴロモの成虫がいるので、いつどこで、どのようにして成虫になるのか知りたくて庭のあちこちを丹念に探しました。しかし、何十匹もの成虫がいるのに、その抜け殻は1つも見つけることができないのは実に不思議です。そこで、できるだけ大きく、体に白い毛の付いているベッコウハゴロモの幼虫を捕らえて、ガラスケースの中に入れ、昼夜の観察を続けました。それから、すでに10日余が過ぎましたが、成虫になるところを見ることはできません。ただ1匹だけ朝5時の観察時に、すでに羽根が生え、みずみずしい成虫がいるのと、その足下に幼虫の背中が割れた抜け殻があるのを見ることができました。脱皮によって成虫になることはわかりましたが、残念ながらその脱皮の状況を見ることはできませんでしたので、引き続き観察は続けていきたいと思います。


 



【ライトの光に誘われた虫】
2014.9.2
 夜、オニグモの網張りの様子を撮影するため、ライトを点けていたら、光に誘われて集まってきた虫たちです。


 



【ヒマワリとカワラヒワ】
2014.8.24
 庭のヒマワリの実ができ始めたら、早速カワラヒワがやってきて、実をついばんでいます。


 



【秋と赤い花】
2014.8.30
 秋を迎える頃になると、里山の家々の庭に、真っ赤な花が咲くのを見かけます。青い空と赤い花のコントラストが鮮やかです。
サルビア
マンジュシャゲ(ヒガンバナ)
モミジアオイ
カンナ
ベニバナコスモス
マルケイトウ(下)とカエルの乗るトサカケイトウ(右)


 



【団地の空き地に見る実と花】
2014.8.15
 団地内の空き地に、誰が植えたのかハマナスの赤い実と、コンペイトウのような形をしたコノテガシワの実がなっている生け垣があり、草地にはエノコログサ(ネコジャラシ)の穂が風に揺れ、四方に伸びたガガイモの蔓のあちこちには、思いも寄らぬ可愛らしい淡紫色の小さな花が、5弁の花先を反り返らして咲いているのを見ることができました。
浜辺に咲くというハマナスの赤い実。花はお茶に、実はローズヒップといって食用になるそうです 子供の頃“コンペイトウの木”と呼んでいたコノテガシワの実が、こんなに沢山なっていました




エノコログサ、別名ネコジャラシといい、猫の鼻先で揺らすと、猫がじゃれるとされています やたらに伸びているガガイモの蔓のあちこちにこんな可愛らしい花が咲いているのを知りました


 



【果物野菜の花】
2014.8.30
このところの雨降り、日照不足で、果物野菜の成りが悪いといわれますが、この日は近くの畑でこれら花の写真を撮ってきました。
カボチャ トマト




キュウリ オクラ




ナス





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