1・2月頃の皇居の内濠周辺に見られた草木の中から


「1・2月頃の皇居の内濠周辺に見られた草木の中から」

 例年に比べて、暖かい冬を迎えておりました。内堀周辺に見られる草木の姿にもその影響か、カラスノエンドウやノゲシの花があちこちに見られましたし、ミミナグサやウラジロチチコグサの草ぐさが目立ちました。
 ヤブツバキの花の開花も幾分早く咲き揃っていたように思われましたし、季節外れの白リュウキュウツツジの白い花があちこちに散見されました。
 地面を飾る草ぐさのロゼット姿や寒さの中でも花を咲かせていた草花、冬の寒さを耐える姿で木々の枝に見られた冬芽の姿をご紹介します。お散歩がてら目を向けてご覧いただければ嬉しく存じています。

撮影・解説:永井昭三

永井昭三先生にメッセージや質問などをお寄せください。
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<見られた花と実の中から>

  
ヤブツバキの花 ソシンロウバイの花 ラクウショウの実
ヤブツバキの花 ソシンロウバイの花 ラクウショウの実

<目立ってきた早春の花々の中から>

ノゲシとノボロギクの花 カラスノエンドウの花 ムラサキイヌホオズキの花 スイセンの花
ノゲシとノボロギクの花 カラスノエンドウの花 ムラサキイヌホオズキの花 スイセンの花

<見られたロゼットの中から>

カントウタンポポとオオアレチノギクのロゼット ハルジオンとヒメジョオンのロゼット コウゾリナとウラジロチチコグサのロゼット オニタビラコとノゲシのロゼット キュウリグサとナズナのロゼット
カントウタンポポとオオアレチノギクのロゼット ハルジオンとヒメジョオンのロゼット コウゾリナとウラジロチチコグサのロゼット オニタビラコとノゲシのロゼット キュウリグサとナズナのロゼット

<見られた木の芽の中から>

コブシの冬芽 ユリノキの冬芽 アオキとトサミズキの冬芽 クスノキの冬芽 ソメイヨシノの冬芽
コブシの冬芽 ユリノキの冬芽 アオキとトサミズキの冬芽 クスノキの冬芽 ソメイヨシノの冬芽
ドウダンツツジの冬芽 スズカケノキの冬芽
ドウダンツツジの冬芽 スズカケノキの冬芽

<付録>

ムラサキシキブの冬芽
ムラサキシキブの冬芽



 



見られた花と実の中から

ヤブツバキの花 【ツバキ科】
ヤブツバキの花 【ツバキ科】
撮影日:2016年1月6日
 青森より南の海岸から海に近い山地によく見られる常緑の高木(6~15m)です。
 幹は灰白色で枝を広げて茂り、半球形の樹形をしています。葉は厚く、先のとがっただ円形(5~12cm)をしています。葉の表面はつやのある濃い緑色で、裏面は淡い緑色をしています。葉の縁には細かなギザギザ(鋸歯=きょし)が見られます。
 1~4月頃、枝先や葉の脇に紅色で一重の花を1~2花ずつ咲かせます。
 花には、花のもとに瓦状に重なったがく苞=ほう(がくと苞が区別できないもの)・紅色の花びらが5~9枚・たくさんのおしべ(花糸のもとがくっついて筒になっている)・めしべ1本(柱頭が3裂しており、子房は無毛)が見られます。
 9~10月頃、暗褐色で球形の実(径4~5cm)が熟しますが、中には、暗褐色の種が3~5個入っており、種からは質の良い油(ツバキ油)が採れます。
 名前は、もともと藪=やぶに生えていて、葉につやがある木という意味でつけられたものです。

 

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ソシンロウバイの花 【ロウバイ科】
ソシンロウバイの花 【ロウバイ科】
撮影日:2016年1月4日
 中国から入ってきた落葉低木(2~4m)です。観賞用に庭や公園に植えられています。
 茎は、根もとからたくさん生え上がって枝を分けています。黒褐色をした枝には、先が細長く伸びた卵形の葉を対生しています。葉は薄いけれど少しかたく、葉の面はざらざらしています。
 1~2月頃、まだ残っている葉の脇に横向きに、柄のない花(花径1.8~2cm)をぴったりとくっつけた姿で咲いています。普通のロウバイは、花の中が暗紫色ですが、このロウバイは中まで黄色いところが違います。
 名前は、蝋月=ろうげつ(旧暦の12月のこと)に花が咲くこと、花弁が蜜ろうのような色つやをしており、姿がウメの花に似ているということがもとになったようです。

 

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ラクウショウの実 【スギ科】
 【スギ科】
撮影日:2016年1月6日
 メキシコ生まれの落葉高木(20~50m)です。明治10年頃日本に入って来ました。雄の木と雌の木があります。(写真の葉が殆ど落ちているのが雌の木・褐色の葉が残っているのが雄の木)
 赤褐色をしている幹が真っ直ぐに伸び上がり、枝を横に広げて円すい状の樹形をしています。
 夏の頃は、浅い緑色をした細く短い葉(約1.5cm)をくしの歯のように小枝(5~10cm)の左右に2列につけた葉が見られます。
 4月頃、雄の木・雌の木それぞれに、雄花と雌花を咲かせていましたが、10月頃には雌の木の小枝の先に暗い褐色に熟した球形の実(球果・2~4cm)をつけています。
 球果は軸の周りに10~12片の果鱗=かりんといわれるものに囲まれており、果鱗の内側のもとには種が一つずつついています。
 名前は、冬になると葉を落として裸=はだかになる所からつけられたものです。

 

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目立ってきた早春の花々の中から

ノゲシとノボロギクの花 【キク科】
ノゲシとノボロギクの花 【キク科】
撮影日:2016年1月11日
★ノゲシの花:
 道端や野山などの草地によく見られる越年草(15~40cm))です。
 葉は白みをおびた緑色で、柔らかい切れ込みやギザギザ(鋸歯=きょし)が見られます。茎につく葉のもとが2つに裂けて先が尖った耳たぶ状で、茎を抱くようについています。頭花の総苞の長さは1.5cm前後で、その先にタンポポのような花の集まりを広げています。
★ノボロギクの花:
 ヨーロッパ生まれの1~2年草(20~30cm)です。道端や畑によく見られます。茎に厚みのある細長い葉(荒い切れ込みの中に小さいギザギザが見られる)を互生させています。
 円筒状の頭花を枝分かれした柄の先に数個付けています。緑色の総苞の先に、黄色い管状花の集まりが見えています(管状花のもとには長い毛=冠毛=かんもうが見られる)。

 

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カラスノエンドウの花 【マメ科】
カラスノエンドウの花 【マメ科】
撮影日:2016年1月4日
 道端や野山の日当たりのよいところに生えている越年草(50~90cm)です。
 茎は四角張っており、小さな葉(小葉)を3~7対つけている複葉を互生しています。複葉の先は枝分かれした巻きひげになっていて物に巻きつきながらよじ登ります。複葉のもとには、ギザギザのある小さな葉(托葉=たくよう)がついており、蜜=みつを出す赤紫色の斑点=はんてんが見られます。
 3~6月頃、葉の脇に紅紫色のとんでいる蝶のような形の花を1~2花ずつ咲かせますが、暖冬の今年は、早く咲き始めたようです。
 花には、先が5裂しているがく・形の違う花びらが5枚(旗弁=きべん1枚・翼弁=よくべん2枚、舟弁=ふなべん2枚)・おしべ10本(9本はもとがくっついて筒になっており、1本だけ離れている)・めしべ1本(おしべの中から柱頭をのぞかせている)が見られます。
 名前は、エンドウのような実が真っ黒に熟れることからつけられたものです。

 

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ムラサキイヌホオズキの花 【ナス科】
ムラサキイヌホオズキの花 【ナス科】
撮影日:2016年1月4日
 南アメリカ生まれの1年草(30~60cm)です。1951年(昭和26年)頃日本に入って来ました。
 茎は紫色で、角ばったすじ(稜=りょう)が縦に数本見られ、短くかたい毛がまばらに生えています。枝には、卵形で暗緑色の葉(3~5cm)を互生しています。葉の縁には、波のような不規則のギザギザ(鋸歯=きょし)と短く荒い毛が見られます。
 7~12月頃、茎や枝の途中から花をつける軸(1~2cm)を伸ばして、その先に柄(4~6cm)のある白~淡い紫色の花(花径3~8mm)2~5花を散形につけます。
 花には、先が深く5裂した白または淡い紫色の花びら・黄色い葯=やくが目立つおしべが5本・めしべ1本が見られます。
 花の後には、黒く熟する実(径約6mm)がなります。実の中には小さな種がたくさん入っています。
 名前は、茎が紫色になるイヌホウズキという意味でつけられたものです。

 

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スイセンの花 【ヒガンバナ科】
スイセンの花 【ヒガンバナ科】
撮影日:2016年1月11日
 中国から入ってきた多年草(30~40cm)です。観賞用に庭に植えられていますが、海岸近くに野生化しているのも見られます。
 ラッキョウのような形の黒い皮をかぶった球根から、やや厚く白味をおびた緑色の細長い帯状の葉(20~40cm)4~6枚を出しています。
 1~2月頃、葉の間から真っ直ぐに伸び出した花の茎(30~40cm)の先に2~3本の柄を出して、その先に花を横向きに咲かせています。
 花は、長い花筒の先が6つに裂けて花びら(外花被3枚・内花被3枚)のように広がり、花筒の入り口には黄色い花びら状のもの(副花冠=ふくかかん)が開いています。その中におしべが6本・めしべ1本(子房は長い花筒=はなづつの下の緑のふくらみの中にある)が見られます。
 名前は、中国の名前の水仙を音読みにしたものです。

 

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見られたロゼットの中から

カントウタンポポとオオアレチノギクのロゼット 【キク科】
カントウタンポポとオオアレチノギクのロゼット 【キク科】
撮影日:2016年1月16日
★カントウタンポポ:
 関東や中部地方東部の道端や野原に普通に見られる多年草(15~30cm)です。
 花の最盛期は、3~5月頃ですが、冬の間は地面に葉を放射状(ロゼット状)に広げて生えています。
 葉の形は、ライオンのたてがみを思わせるような形をしており、どの葉にもまんべんなく日光が当たるように、葉の大きさは下になるほど大きく、互いの葉が重なり合わないようにいうまく並んでいて様子が見事です。葉をちぎると白い汁が出ます。
 春になると、根もとから伸び出た花茎の先に円盤状の頭状花(頭花・花径約4cm)を咲かせます。
★オオアレチノギク:
 南アメリカ生まれの多年草(80~180cm)です。
 7~10月頃が花を咲かせる最盛期ですが、冬の間は、ロゼット状で過ごしています。葉には、両面に柔らかい毛が生えていて、さわるとフェルトのようです。葉の縁には、大きなギザギザが見られ、葉の色は灰緑色をしています。
 春になると、ロゼットの真ん中から茎を伸ばして、上の方で枝を分けて頭花をたくさんつけます。

 

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ハルジオンとヒメジョオンのロゼット 【キク科】
ハルジオンとヒメジョオンのロゼット 【キク科】
撮影日:2016年1月16日
★ハルジオン:
 北アメリカ生まれの多年草(30~80cm)です。
 4~6月頃が花を咲かせる最盛期ですが、寒い冬の間は、葉を地面に放射状に広げた姿(ロゼット状)で寒さをしのいでいます。葉は、中ほどが広がった細長いへら形で、鮮やかな緑色をしています。葉の縁には、大きなギザギザが見られ、葉の両面には、白く柔らかな毛が生えています。
 春になると、ロゼットの真ん中から、中空に茎を伸ばし、上の方で枝を分けて頭花をつけます。
★ヒメジョオン:
 北アメリカ生まれの多年草(50~130cm)です。
 花を咲かせるのは、6~10月頃が最盛期ですが、冬の間は、細長い柄のような先が卵形に広がった葉(縁にギザギザがある)を地面に放射状に広げた姿(ロゼット状)で寒さをしのいでいます。
 初夏の頃、ロゼットの真ん中から茎を伸ばし上の方で枝を分けて、白~淡紫色の頭花をたくさんつけます。この頃になると、ロゼットの葉は枯れてなくなっています。

 

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コウゾリナとウラジロチチコグサのロゼット 【キク科】
コウゾリナとウラジロチチコグサのロゼット 【キク科】
撮影日:2016年1月16日
★コウゾリナ:
 サハリンから九州までの日本列島に分布しているいる多年草(60~90cm)です。 野山や道端に普通に見られます。
 花を咲かせるのは、5~10月頃ですが、冬の間は細かいざらざらした毛の生えた淡い褐緑色の細長いだ円形の葉を放射状に地面に広げています(ロゼット)。
 春になると、ロゼットの真ん中から、荒い刺=とげのある茎を伸ばして枝を分け、頭花をたくさんつけますが、その頃にはロゼット状の葉はなくなっています。
★ウラジロチチコグサ:
 南アメリカ生まれの2年草(20~70cm)です。1980年頃日本に入って来ました。関東地方に最も多く増えている雑草といわれています。
 花が多く見られる時期は、4~8月頃ですが、冬の頃は、さじ形の葉を放射状に地面に広げた姿(ロゼット)が多く、葉の色は、表面はつやのある緑色で、裏面は伏せた綿毛でおおわれた白さがはっきりしています。

 

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オニタビラコとノゲシのロゼット 【キク科】
オニタビラコとノゲシのロゼット 【キク科】
撮影日:2016年1月9日
★オニタビラコ:
 北海道以南の東アジア各地からオーストラリア・ポリネシアなどに分布して、 道端や庭に普通に見られる2年草(20~100cm)です。
 花が多く見られる時期は5~10月頃ですが、冬でも花に出くわすことがよくあります。しかし、多くは、写真に見られるような深い切れ込みやギザギザのある淡い紫をおびた緑の葉を地面に放射状に広げた姿(ロゼット)で、日光や地面の暖かさをうまく利用しながら過ごしているようです。
★ノゲシ:
 ヨーロッパ生まれの2年草(50~100cm)です。
 花の最盛期は、3~10月頃で、冬でも花を咲かせているものもたくさん見られますが、葉を地面に放射状に広げているもの(ロゼット)もたくさん見られます。葉をちぎると白い汁が出るところは、タンポポに似ています。

 

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キュウリグサ【ムラサキ科】とナズナ【アブラナ科】のロゼット
キュウリグサ【ムラサキ科】とナズナ【アブラナ科】のロゼット
撮影日:2015年11月13日
★キュウリグサ:
 野原や道端に多く見られる2年草(10~30cm)です。
 花の時期は、2~5月頃ですが、冬の寒い時期はスプーン形の小さな葉を地面に放射状に広げた姿(ロゼット)で過ごしているのが多く見られます。
 葉のつき方をよく見ると、下のものほど柄が長く、それぞれの葉がお互いに重なり合わないようになっており、日光がどの葉にも当たるようになっていることが分かります。
★ナズナ:
 道端や庭などに普通に見られる2年草(10~40cm)です。
 花の時期は、3~6月頃ですが、冬の寒い時期は、長い柄の先に深い切れ込みのある葉をつけて、放射状に広げている姿(ロゼット)があちこちに見られます。どの葉にも日光がよく当たるように並び方も大きさも重なり方も都合のよい姿になっていることが分かります。

 

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見られた木の芽の中から

コブシの冬芽 【モクレン科】
コブシの冬芽 【モクレン科】
撮影日:2016年2月1日
 落葉樹のコブシの冬芽(約1.5cm)は、毛皮に包まれた着物(芽鱗=がりん)に包まれて、新しく伸び出てくる花や葉のもとを守っています。
 このような形に似ている冬芽には、ハクモクレンやカラタネオガタマ・タイサンボクなどがあります。

 

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ユリノキの冬芽 【モクレン科】
ユリノキの冬芽 【モクレン科】
撮影日:2016年2月1日
 落葉樹のユリノキの冬芽(約1.5cm)は、毛におおわれていませんが、薄いけれども丈夫な着物(芽鱗=がりん)が外側と内側に重なっておおっていて、中の花や葉のもとを守っています。
 (このような型の冬芽には、大きさは違うが、ホオノキの冬芽がある)

 

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アオキとトサミズキの冬芽 【ミズキ科】
アオキとトサミズキの冬芽 【ミズキ科】
撮影日:2016年2月1日
★アオキ:
 常緑樹のアオキの冬芽(約2cm)は、外側の厚い丈夫な着物(芽鱗=がりん)の中に、薄い芽鱗が2枚ずつ二重になっていて、中の花や葉のもとを守っています。
 芽鱗の外側には、先のとがった三角状だ円形の苞=ほうと呼ばれるものが2枚見られます。
 (このような型の冬芽には、サンゴジュの冬芽がある)
★トサミズキ:
 落葉樹のトサミズキの冬芽(1~1.5cm)は、淡い赤褐色の先がとがり、中ほどがふくらんでいるだ円形で、5~6枚の薄い着物(芽鱗=がりん)を重ね着しているようにおおわれています。

 

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クスノキの冬芽 【キク科】
クスノキの冬芽 【キク科】
撮影日:2016年2月1日
 常緑樹のクスノキの冬芽(約1cm)を見ると、鱗=うろこ状の着物(芽鱗=がりん)10枚前後が重なっているのが見られます。このような芽鱗のお陰で中の葉や花のもとが寒さや乾きから守られているのです。
 (このような型の冬芽にはタブノキの冬芽がある)

 

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ソメイヨシノの冬芽 【バラ科】
ソメイヨシノの冬芽 【バラ科】
撮影日:2016年1月6日
 落葉樹のソメイヨシノの冬芽(8~9mm)は、細かい毛が生えた黒褐色の鱗(うろこ)状のたくさんの着物(芽鱗=がりん)に包まれていますが、よく見ると細長い感じの芽とふくらみのある感じの芽があることが分かります。
 細長い感じの芽は葉のもとになるものが包まれている葉芽で、ふくらみのある感じの芽は花のもとになるものが包まれている花芽です。
 (このような型の冬芽にはクロモジがある)

 

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ドウダンツツジの冬芽 【ツツジ科】
ドウダンツツジの冬芽 【ツツジ科】
撮影日:2016年2月1日
 落葉樹のドウダンツツジの冬芽(約5mm)は、24~25枚の鱗=うろこのような着物(芽鱗=がりん)に包まれています。
 この芽鱗がほころびると、中から花と葉が一緒に出てきます。
 (このような型の冬芽には、ニワトコがある)

 

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スズカケノキの冬芽 【スズカケノキ科】
スズカケノキの冬芽 【スズカケノキ科】
撮影日:2016年2月1日
 スズカケノキの冬芽(約7mm)は、葉の柄のもとに包まれているので、葉が枝から落ちると姿が見えてきます。
 芽は、帽子のように葉の柄のもとをかぶせられて寒さや乾きから守られてきたといえます。
 (このような型の冬芽には、ハクウンボクがある)

 

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<付録>

ムラサキシキブの冬芽 【スズカケノキ科】
ムラサキシキブの冬芽 【スズカケノキ科】
撮影日:2016年2月1日
 皇居の内濠周辺には見られないけれども、裸んぼうで冬を越している冬芽が北の丸公園には見られるので、参考までに上げておきます。
 冬芽の中には、落葉樹のムラサキシキブのように着物(芽鱗=がりん)に包まれていない裸んぼうの冬芽もありますので、付録として参考までに添えておきます。

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