炎暑の中で北の丸公園を飾ってくれている草木の花々の中から


「炎暑の中で北の丸公園を飾ってくれている草木の花々の中から」

 梅雨明けと共に厳しい暑さが身にしみる夏を迎えています。この暑さの中でも、サルスベリ・クサギ・エンジュなどの木の花が賑やかに独特の花の姿を広げています。
 草丈の高い草では、メハジキやヤブミョウガ・ミズヒキなどの花々が見られ、地面近くには、クワクサ・キツネノマゴ・エノキグサなどの花々が見られるようになりました。
 地面には、コニシキソウが這(は)いながら葉の脇に可愛らしい変わった花を咲かせております。
 涼みがてら、炎暑の中に生き抜いている草木の花々をご覧にお出かけください。
 ※ルーペの助けを借りるとそれぞれの花々の個性がつかめて楽しいものです。

撮影・解説:永井昭三

永井昭三先生にメッセージや質問などをお寄せください。
http://www3.jsf.or.jp/mlmaster/


 

<木の花の部>

クサギの花 マンリョウの花 サルスベリの花 エンジュの花
クサギの花 マンリョウの花 サルスベリの花 エンジュの花

<草の花の部>

ハキダメギクの花 キツネノマゴの花 ナンバンギセルの花 イヌホオズキの花
ハキダメギクの花 キツネノマゴの花 ナンバンギセルの花 イヌホオズキの花
ヒヨドリジョウゴの花 メハジキの花 コニシキソウの花 エノキグサの花
ヒヨドリジョウゴの花 メハジキの花 コニシキソウの花 エノキグサの花
ミズヒキの花 クワクサの花 トコロの花 ヤブランの花
ミズヒキの花 クワクサの花 トコロの花 ヤブランの花
ヤブミョウガの花 ヒメクグの穂 メヒシバの穂 オヒシバの穂
ヤブミョウガの花 ヒメクグの穂 メヒシバの穂 オヒシバの穂



 



木の花の部

クサギの花  【クマツヅラ科】
クサギの花  【クマツヅラ科】
撮影日:2014年8月1日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 日当たりのよい野山に生えている落葉低木(2~3m)です。
 真っ直ぐに伸び上がった幹の上の方で枝を多く分けています。幹の色は、暗い灰色をしており、表面には円い小さな割れ目(皮目=ひもく=呼吸をするところ)が目立ちます。
 三角状の円い葉の裏の脈の上には毛が生えています。葉には長い柄があって枝に対生していますが、独特の強い臭いがあります。
 8~9月頃、枝先によい香りの白いたくさんの花(筒部の長さ2~2.5cm・花径2.5~3cm)を咲かせます(集散花序)。
 花には、赤味をおびて深く5裂しているがく・細い花筒の先が5つに割れて平らに開いている花びら・長く伸び出ているおしべ4本とめしべ1本が見られます。
 花の後には、星形に残っているがくの上に青紫色の円い実が熟してきれいです。

 

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マンリョウの花  【ヤブコウジ科】
マンリョウの花  【ヤブコウジ科】
撮影日:2014年8月1日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 関東より西の暖かい地方の山に生えている常緑の小形の低木(0.3~1m)です。観賞用にも、縁起(えんぎ)を祝う意味からもよく植えられています。
 茎の上の方で枝を分け、濃い緑色で細長いだ円形の厚みのある葉(4~12cm)を互生しています。葉の縁には、波のようなギザギザ(鋸歯=きょし)があるだけでなく、葉の縁がややしわ状に波打っています。
 7~8月頃、前の年に伸び出た枝の先に、黄白色の小さな花(花径約8mm)を10数花ずつ咲かせます(散房花序)。
 花には、深く5裂した黄褐色のがく・深く5裂している黄白色の花びら・おしべ5本・めしべ1本が見られます。
 冬の間、球形の赤い実が美しく見られます。

 

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サルスベリの花  【ミソハギ科】
サルスベリの花  【ミソハギ科】
撮影日:2014年8月1日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 中国南部生まれの落葉高木(3~7m)です。観賞用に公園や庭に植えられています。大気汚染には強い木です。
 幹は、黄褐色をしていて滑らかで、皮が薄くはがれやすく、はがれた後の形が残ります。薄い板状の翼で角張っている枝には、厚みのある柄のない葉(4~10cm)をほぼ対生しています。
 7月から9月にかけて、枝先に花の集まり(円すい花序)をつけて、次々に花を咲かせます。花の色には、赤色・白色・淡紫色などがあります。
 花には、球状で先が6裂しているがく・縮れたしわの多い花びら5~9枚(長い花びらの柄=花爪がある)・おしべ多数(外側の6本は長い)・めしべ1本(おしべより長い)が見られます。

 

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エンジュの花  【マメ科】
エンジュの花  【マメ科】
撮影日:2014年8月1日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 中国生まれの落葉高木(10~25m)です。街路や庭に植えられています。
 樹皮は暗い灰色で、縦に割れ目が見られます。若い枝は緑色をしており、細かい毛が生えています。葉は、小さい葉(小葉=しょうよう)が4~5対集まって1枚の葉をつくっている複葉です。葉の表面は深緑色で、裏は白い毛が生えているので白みをおびています。
 7~8月頃、小枝の先に黄白色の豆の花に似た形の花の集まりをつけます(複総状花序)。
 花には、釣り鐘形のがく(筒先が浅く5裂しており毛が生えている)・淡い黄色の花びら5枚(旗弁=きべん1枚、翼弁=よくべん2枚、舟弁=ふなべん2枚)・おしべ10本、めしべ1本が見られます。

 

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草の花の部

ハキダメギクの花  【キク科】
ハキダメギクの花  【キク科】
撮影日:2014年8月1日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 熱帯アメリカ生まれの一年草(15~40cm)です。1932(昭和7)年頃日本に入って来ました。
 茎は、もとの方で二股に分かれて伸び、柄のある葉を対生させています。葉は、先の尖った卵形で、真ん中のすじとその両側にあるすじの3本がはっきり見られます。また、葉の縁には荒く低いギザギザ(鋸歯=きょし)があります。茎にも葉にも毛が目立ちます。
 5~11月頃、柄に支えられた花(頭花で花径約5mm)が咲いています。頭花は、外側を4~5枚の緑の総苞片(そうほうへん)が囲んでいます。総苞の内側には、花弁の先が3裂している白い花(舌状花でめしべとがくに当たるのぎ状の冠毛=かんもうがある)4~5花が周りに並んでいます。その内側には、花びらの先が5裂している黄色い花(管状花でおしべとめしべとがくに当たる冠毛がある)がたくさん集まっています。

 

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キツネノマゴの花  【キツネノマゴ科】
キツネノマゴの花  【キツネノマゴ科】
撮影日:2014年8月1日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 野山や道端の草地に普通に見られる一年草(10~30cm)です。
 茎は四角張っています。下の方で枝を分けて上に向かって立ち上がっていますが、倒れると節からも根を出します。茎には、両端が尖った長い卵形の葉(2~5cmで柄がある)を対生させており、茎にも葉にも僅かに毛が生えています。
 8~10月頃、枝先や上の方の葉の脇から緑色の穂を出して、淡い紅紫色の唇(くちびる)形の小さな花をまばらにつけています(穂状花序=すいじょうかじょ)。
 花には、筒先が深く5裂しているがく(縁に毛が生えている)・唇形の花びら(上唇は先が2裂しており、下唇は先が3裂していて紅紫色の点々も見える)・おしべ2本・めしべ1本(先が二股に分かれている)が見られます。

 

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ナンバンギセルの花  【ハマウツボ科】
ナンバンギセルの花  【ハマウツボ科】
撮影日:2014年8月1日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 インドやマレーシア方面生まれの、ススキやサトウキビなどの根に寄生する一年草(15~20cm)です。
 茎は、地中で分枝してほとんど地上に出ないごく短いもので、赤褐色をした細い三角形で鱗片(りんぺん)状の葉(5~10mm)を互生しています。
 7~9月頃、葉の脇から赤味をおびた長い花の柄(15~20cm)を1本伸び出させて、その先に淡い紅紫色の筒状の花(約4cm)を横向きに咲かせます。
 花には、先の尖った舟形のがく(一方が裂けていて2~3cm、淡い褐色)・筒先が5裂している花びら(約7mmで紅紫色)・おしべ4本(花筒に2本ずつ長さの違うものがついている)・めしべ1本が見られます。

 

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イヌホオズキの花  【ナス科】
イヌホオズキの花  【ナス科】
撮影日:2014年8月2日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 日本中の畑や道端に普通に見られる一年草(20~80cm)です。
 茎から枝を広げて、柄のある卵形の葉(6~10cm)を互生させています。葉の縁には、波状の浅い切れ込み(鋸歯=きょし)が見られることがあります。
 7~10月頃、葉と葉の間から花の柄(1~3cm)を出して、白い花4~10花を咲かせます。
 花には、筒先が浅く5裂している緑色のがく・筒先が深く5裂して開いている白い花びら・まん中にめしべが1本・めしべを取り囲むようにおしべ5本が見られます。
 花の後には、球形の実(径約7mm)ができて黒く熟します。

 

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ヒヨドリジョウゴの花  【ナス科】
ヒヨドリジョウゴの花  【ナス科】
撮影日:2014年8月1日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 野原や藪(やぶ)などによく生えているつる状の茎をもつ多年草です。
 前の年に出た古い茎から新しい枝を出して細長く伸びますが、卵形で先の尖った葉(下の方の葉は3~5片に深く切れ込んでいるものが混じっている)を互生させています。葉には、1.5~5cmの柄があって、この柄で周囲のものにからまりながら伸びます。茎にも葉にも柔らかい毛が生えています。
 夏から秋にかけて、葉の反対側に花のつく枝を対生させて、その枝をさらに二股状に分けて、その先に白い花をつけています(集散花序)。
 花には、先が波のような5つのくぼみのある皿形のがく・深く5裂して開いている白い花びら(終わりごろには背面に反り返る)・おしべが5本・めしべ1本が見られます。

 

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メハジキの花  【シソ科】
メハジキの花  【シソ科】
撮影日:2014年8月2日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 北海道を除く日本全土の野原や道端に生えている越年草(0.5~2m)です。
 四角張った茎が真っ直ぐに伸び上がり、所々に枝を出して葉を対生させています。
 根ぎわの葉には長い柄があって荒いギザギザ(鋸歯=きょし)のあるハート形をしていますが、花が咲くころには枯れています。茎の葉は下のものは長い柄の先に深く3つの切れ込みがあり、さらに羽状に切れ込んでいて縁には鋸歯があります。上の方の葉は、次第に小型になって柄も切れ込みも鋸歯もなくなります。茎にも葉にも白い毛が生えています。
 8~9月の頃、上の方の葉の脇に淡い紫色の唇(くちびる)形の花を数花ずつ段状につけているのが見られます。
 花には、筒先が5裂しているがく・筒先が唇状に割れている花びら(下唇は3裂して、内側に赤いすじが見える)・おしべ4本・柱頭が2裂しているめしべ1本が見られます。

 

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コニシキソウの花  【トウダイグサ科】
コニシキソウの花  【トウダイグサ科】
撮影日:2014年8月1日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 北アメリカ生まれの一年草(10~25cm)です。1887(明治20)年に日本に入って来たといわれていますが、今ではどこに行っても見られるほどになっています。
 赤紫色をした細い茎は、二股に枝分かれすることを繰り返しながら、地面にへばりつくように広がっています。葉(約1cm)は、茎に対生して水平に開いていますが、葉の中ほどには、暗い紫色の斑紋(はんもん)があります。茎や葉全体に白い毛が生えており、枝を切ると白い汁が出ます。
 7~10月頃、葉の脇に小さな赤紫色の変わった形の花をつけています。花には花びらはなく、総苞の中に雄花と雌花が一緒に見られます。

 

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エノキグサの花  【トウダイグサ科】
エノキグサの花  【トウダイグサ科】
撮影日:2014年8月1日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 全国の畑や道端の草地に普通に見られる一年草(25~45cm)です。
 細い茎を真っ直ぐにのばして多くの枝を分けて、葉柄(1~4cm)のあるエノキの葉に似た卵形の葉(4~11cm)を互生させています。
 8~11月頃、葉柄の脇から枝を伸ばして雄花の穂をつけ、枝のもとには雌花をつけているのが見られます。
 雄花の穂には、4枚のがくと8本のおしべをもつ花がたくさん見られます。
 雌花は、あみ笠形の苞葉(周りにギザギザ=鋸歯=きょしがある)に包まれるような姿でのっていて、雌花には、3つに割れているがくと3本の花柱のあるめしべが見られます。

 

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ミズヒキの花  【タデ科】
ミズヒキの花  【タデ科】
撮影日:2014年8月1日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 林の縁の草むらや藪(やぶ)などによく生えている多年草(40~80cm)です。
 茎は真っ直ぐに立ち上がり、まばらに枝を分けています。葉は短い柄で互生しています(柄のもとは鞘=さやになっている)。葉の中ほどには斑紋(はんもん)が見られることがあります。茎にも葉にもまばらに毛が生えています。
 7~10月頃、茎の先に数本の長い花の軸を出して、赤い小さな花をまばらにつけます。
 花には短い柄があり、4裂したがく(上のものは赤く、下のものは白い)・花びらなし・おしべ5本・めしべ1本(卵形の子房の先に長い2裂した花柱がある)が見られます。

 

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クワクサの花  【クワ科】
クワクサの花  【クワ科】
撮影日:2014年8月2日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 全国的に野原や道端の草地に普通に見られる一年草(30~40cm)です。
 茎には細かい毛が生えており、まばらに枝を出していてクワの葉形(卵形で先は尖り、下の方は真っ直ぐに切れた形か耳たぶ形をしている)の葉を互生させています。葉は薄く、葉の両面には毛が生えていてざらざらしています。
 7~10月頃、葉の脇に淡い緑色の花の集まりをつけています。この中には雄花と雌花が混じっています。
 花には、がく(花被=かひ、径約4mm)はありますが花びらはありません。雄花にはおしべ4本が見られます。雌花には丸い子房から伸び出た紫の花柱が見られます。

 

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トコロの花  【ヤマノイモ科】
トコロの花  【ヤマノイモ科】
撮影日:2014年8月1日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 野山に見られるつる性の多年草です(地上部は冬は枯れる)。雄株と雌株があります。
 地下茎は太くなりながら横に伸びていてひげ根をつけています(根茎という)。地上のつる(茎)には、薄いハート形のつやのある葉(4~12cm)を互生しています。
 7~8月頃、葉の脇から長い花の軸を伸ばして、淡い緑色の花の集まり(花序)をつけています。雄株の雄花の花序は、上向きに立つようについており、花の軸には2~5花ずつの雄花の集まり(小花序)を分けてつけています。雌株の雌花の花序は、雄花の花序とは逆に、下向きに垂れるようについており、雌花を1花ずつ上向きにつけています。
 花には、がくや花びらに当たる花被が6枚、雄花にはおしべが6本・雌花には3本の花柱をもつめしべが見られます。
 雌花の後には、3枚のはね(翼=よく)のある実ができます。

 

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ヤブランの花  【ユリ科】
ヤブランの花  【ユリ科】
撮影日:2014年8月1日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 林の中の日陰を好んで生えている常緑の多年草(30~50cm)です。公園や庭などにも観賞用によく植えられています。
 つやのある深緑色の細長い葉が根もとから伸び出していますが、葉の先の方は垂れ下がっていて、しなやかな姿をしています。
 7~10月頃、根もとから花をつける茎を伸ばして、小さな淡い紫色の花(花径約6mm)の集まりを穂状(すいじょう・8~12cm)につけています。花は、1か所に3~5花ずつ集まっています。
 花には、淡い紫色の花びら状のものが6枚(がくに当たる外花被が3枚、花びらに当たる内花被が3枚)・おしべが6本・めしべ1本が見られます。

 

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ヤブミョウガの花  【ツユクサ科】
ヤブミョウガの花  【ツユクサ科】
撮影日:2014年8月1日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 東北地方の南部から関東以西の林や藪(やぶ)に生えている多年草(0.5~1m)です。
 茎は真っ直ぐに伸び上がり、中ほどに6~8枚の葉を茎の周りに輪状に互生して、平らに開いています。
 葉は、長めのだ円形(15~30cm)で先が尖っており、もとの方は短い鞘(さや)になって茎を包んでいます。葉は暗い緑色で、縦に平行した葉脈が見られます。つやはあるが表面はざらざらしています。
 7~9月頃、茎の先に伸びている花軸に、5~6層の花の集まりを輪状につけています(円すい花序)。
 花の柄のもとには苞葉がありますが、花には、がくに当たる外花被が3枚・花びらに当たる内花被が3枚・おしべが6本・めしべ1本が見られます。

 

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ヒメクグの穂  【カヤツリグサ科】
ヒメクグの穂  【カヤツリグサ科】
撮影日:2014年8月1日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 日当たりがよく、湿り気の多い所によく生えている小形の多年草(5~20cm)です。
 地下茎を伸ばしながら、節毎に1本の茎を立てています。柔らかく細い葉(5~8cm)を下の方に数枚つけていますが、葉のもとの方は淡い紫色をおびていて、鞘(さや)になっています。
 7~10月頃、葉の間から三角柱の茎を伸ばして、その先に緑色の球形の穂(頭状花序・径約1cm)を1つつけています。穂のもとには葉のようなもの(苞=苞葉=ほうよう)が3枚長く伸び出ています。穂には、たくさんの小さい穂(小穂=しょうすい)を頭状に固めてつけています。
 小穂には、4枚の鱗片(長方形で約3mm)が2列に並んでいて、それぞれにおしべ3本・めしべ1本(花柱の先が2裂している)が見られます。

 

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メヒシバの穂  【イネ科】
メヒシバの穂  【イネ科】
撮影日:2014年8月1日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 道端や庭の草地に普通に見られる一年草(30~70cm)です。
 根もとから茎を分けて伸びていますが、下の方は地面をはいながら節から根を出しているので、大変抜きにくい草です。
 葉は薄く柔らかで、縁には細かいギザギザ(鋸歯=きょし)があります。葉のもとは、鞘(さや=葉鞘=ようしょう)になっていて、葉鞘には毛がまばらに生えていて目立ちます。
 7~11月頃、葉鞘を突き抜けて伸び出している茎の先に、6~8本の枝穂を2~3段に分けてつけています。枝穂には、長い柄のある小さい穂(小穂=しょうすい・約3mm)と短い柄のある小穂が2個ずつびっしりと並んでついています。長い柄の方の小穂にはおしべとめしべが見られます。

 

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オヒシバの穂  【イネ科】
オヒシバの穂  【イネ科】
撮影日:2014年8月1日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 道端や庭などの草地に普通に生えている一年草(15~50cm)です。道路のコンクリートの割れ目にも生えていて、踏みつけても枯れず引っ張ってもちぎれないほど丈夫な草です。
 茎は平らで滑らかで、根もとからたくさん伸び出ています。葉は、細長く、真ん中のすじ(脈)に反って2つに折れて伸びていますが、茎に接する所は、平らな鞘(さや=葉鞘=ようしょう)になっていて茎を抱いています。葉の縁や葉鞘の入り口には、まばらに毛が生えています。
 8~10月頃、葉鞘から伸び出ている茎の先に、2~7本の枝分かれした緑の穂(5~10cm)がつきます。1本の枝穂には、小さな穂(小穂=しょうすい・約6mm)が2列にびっしりと並んでついています。小穂には、小さな花が2~5花あり、おしべやめしべをのぞかせています。

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