梅雨期の北の丸公園を飾ってくれている草木の花々の中から


「梅雨期の北の丸公園を飾ってくれている草木の花々の中から」

 梅雨期が訪れて参りました。タイサンボクのカップ型の大きな花が見事です。田安門側のお濠沿いには、丈の高いタチアオイの花が皆さんのお出ましをお迎えしております。サツキツツジの鮮やかな紅紫色の花やキンシバイやビヨウヤナギの黄色い花に混じってシモツケの紅紫色の花が目立つようになりました。気をつけて見るとムラサキシキブやウメモドキの花も静かに花をつけ始めています。
 地表に目を移すと、ニワゼキショウやムラサキサギゴケの可愛らしい花や、地味ながらも長く伸び上がっているノビルの珠芽が目立ちます。カモジグサの穂が地面を覆って風に揺れている姿も賑やかに見られるようになっています。
 梅雨の晴れ間を利用して、北の丸の散策をお楽しみください。

撮影・解説:永井昭三

永井昭三先生にメッセージや質問などをお寄せください。
http://www3.jsf.or.jp/mlmaster/


 

<木の花の部>

キンシバイの花 ビヨウヤナギの花 ウメモドキの花 ヤマボウシの花
キンシバイの花 ビヨウヤナギの花 ウメモドキの花 ヤマボウシの花
タイサンボクの花 ナツツバキの花 シナノガキの花 シモツケの花
タイサンボクの花 ナツツバキの花 シナノガキの花 シモツケの花
サツキツツジの花 ムラサキシキブの花 ヤエキョウチクトウの花
サツキツツジの花 ムラサキシキブの花 ヤエキョウチクトウの花

<草の花の部>

ヒメジョオンの花 ドクダミの花 タチアオイの花 ヒルガオとコヒルガオの花
ヒメジョオンの花 ドクダミの花 タチアオイの花 ヒルガオとコヒルガオの花
ニワゼキショウの花 ムラサキサギゴケの花 コモチマンネングサの花 カモジグサの穂
ニワゼキショウの花 ムラサキサギゴケの花 コモチマンネングサの花 カモジグサの穂
ノビルの花
ノビルの花



 



木の花の部

キンシバイの花  【オトギリソウ科】
キンシバイの花  【オトギリソウ科】
撮影日:2014年6月1日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 中国生まれの半常緑の小さい低木(約1m)で、江戸時代に入ってきたものです。庭や公園などによく植えられています。
 茎は根もとからたくさん生え出して小さな株をつくっており、よく枝を分けています。枝には、柄のない先の尖(とが)った卵状の長だ円形の葉(2~4cm・表は緑色で裏は白みがかった緑色・葉を透かして見ると明るく細かい点(油点=ゆてん)がまばらに見える)を対生しています。
 6~7月頃、垂れ気味の枝の先に黄色い花(花径3~4cm)を1花ずつ咲かせます。
 花には、緑色のがく片が5枚・やや厚くてつやのある黄色い花びらが5枚・おしべが多数(もとがくっついて5つの束になっている)・花柱の先が5裂しているめしべ1本が見られます。

 

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ビヨウヤナギの花  【オトギリソウ科】
ビヨウヤナギの花  【オトギリソウ科】
撮影日:2014年6月2日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 中国生まれの半常緑の小さい低木(0.5~1.5m)です。キンシバイと同じように、庭や公園などによく植えられています。
 茎は根もとからたくさん生え上がって大きな株をつくっています。細かく枝を分けており、枝には、両端が細くなった細長いだ円形の葉(4~8cmで柄がない)を十字状に対生しています。葉を透かして見ると、明るく細かい点(油点=ゆてん)がまばらに見られます。
 6~7月頃、細かく分けた枝先に、柄のある大きな黄色い花(4~6cm)の集まりをつけます。
 花には、緑色のがく片が5枚・先が広がっている倒卵形(とうらんけい)の花びらが5枚・花びらより長く先が立ち上がっている黄色いおしべが多数(もとがくっついて5つの束になっている)・花柱の先が5裂している細長いめしべ1本が見られます。。

 

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ウメモドキの花  【モチノキ科】
ウメモドキの花  【モチノキ科】
撮影日:2014年6月1日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 山間や湿地に生えている落葉低木(2~5m)です。雄の木と雌の木があります。赤い実を観賞するために、庭や公園によく植えられています。
 幹は、根もとから株分かれして出ますが、1本立ちのものもあります。葉は、両端が細くなっているだ円形で、両面に毛が生えています。また、葉の縁には低いギザギザ(鋸歯=きょし)があります。
 6~7月頃、新しい葉の脇に、雄の木では7~15花、雌の木では1~7花の淡い紫色の小さい花(花径約5mm・雄花の方が小さい)の集まり(集散花序)をつけます。
 花には、お椀(わん)形のがく筒の先が5裂しているがく片・淡い紫色でだ円形の花びら5枚・おしべ4本(雌花では小さい)・とっくり形のめしべ(雄花では小さい)1つが見られます。

 

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ヤマボウシの花  【ミズキ科】
ヤマボウシの花  【ミズキ科】
撮影日:2014年6月2日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 全国の野山の比較的湿り気の多い所に生えている落葉高木(3~10m)です。
 真っ直ぐに伸びている暗褐色の幹はよく枝を広げています。枝には、先が鋭く尖(とが)っているだ円形の葉を対生させています。葉の縁は少し波打っており、葉のすじ(葉脈)は葉先の方に向かって円みをおびて伸びています。葉の裏の葉脈の脇には、黄褐色の毛が目立ちます。
 6~7月頃、昨年伸びた枝先に花の柄(5~10cm)を伸ばして、その先に白い花びらに見える4枚の総苞(そうほう)を開き、総苞に囲まれた球状の花の集まり(頭状花序)をつけます。
 花には、花びら4枚・おしべ4本・めしべ1本が見られます。この花の集まりは、やがて球形のだいだい色の実に育ちます。実は食べられます。

 

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タイサンボクの花  【モクレン科】
タイサンボクの花  【モクレン科】
撮影日:2014年6月1日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 北アメリカ南部生まれの常緑の高木(15~20m)です。明治の初め頃入ってきて、公園などに植えられるようになりました。
 大柄の厚くてかたい葉は、表はつやのある濃い緑色をしていますが、裏は鉄さび色の毛におおわれて褐色をしています。葉の左右の縁は少し裏の方へ反(そ)っています。
 6月頃、枝先に太い柄(2~3cm)に支えられたよい匂いのする白い花(花径10~15cm)を一花ずつを咲かせます。
 花には、花びらのような白いがく片が3枚・白い花びらが6枚・花の軸のもとにおしべ多数・花の軸の先の方にめしべ多数が見られます。

 

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ナツツバキの花  【ツバキ科】
ナツツバキの花  【ツバキ科】
撮影日:2014年6月5日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 宮城県以南の日本全土の山々に生えている落葉高木(10~20m)です。樹皮がはがれた後の幹の肌の色合いや花の清楚(せいそ)な美しさを観賞するために、庭や公園などに多く植えられています。
 だ円形の葉(約10cm)はやや厚く、縁には波のような低いギザギザ(鋸歯=きょし)がありますが、枝に互生しています。
 6~7月頃、新しい枝の葉の脇に、花の柄(約5cm)を伸ばして白いツバキの様な姿の花(花径5~7cm)を1花ずつ咲かせます。
 花には、緑色のがく片が5枚・縁に細かいギザギザのある白い花びらが5枚・おしべが多数・先が5裂しているめしべ1本が見られます。

 

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シナノガキの花  【カキノキ科】
シナノガキの花  【カキノキ科】
撮影日:2014年6月3日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 昔から栽培されていた落葉高木(6~10m)です。雄の木と雌の木があります。実から渋(しぶ)を取って利用していました。
 葉は、両端が細く尖(とが)っている卵形(6~12cm)をしており、葉の裏は灰白色をしています(表面の主脈と裏面には毛が生えている)。葉は枝に互生しています。
 6月頃、雌の木には新しい枝の葉の脇に雌花を1花、雄の木には雄花を1~3花ずつ咲かせます。
 花には、先が4裂している三角形のがく片と、つぼ形の先が4裂している花びらがあり、雌花には1本のめしべと退化した8本のおしべが、雄花には16本のおしべが見られます。
 花の後にはだ円形の実(径約1.5cm)ができて黄褐色に熟します。

 

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シモツケの花  【バラ科】
シモツケの花  【バラ科】
撮影日:2014年6月2日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 本州・四国・九州の日当たりのよい野山に生えている落葉小低木(0.5~1m)です。観賞用に庭や公園によく植えられています。
 根もとからたくさんの茎を伸ばして株をつくり、茎にはよく枝を分けています。
 葉は、両端が細く尖(とが)っている長いだ円形で、葉の裏はやや白く、葉の縁には大小混じりのギザギザ(重鋸歯=じゅうきょし)があります。葉は枝に互生しています。
 6~8月頃、枝先に香りのある淡い紅色の小さな花(花径3~6mm)を半球状に群がりつけています。
 花には、三角状のがく片が5枚・だ円形の花びら5枚(花びらの下が伸びている花爪がある)・おしべ多数(赤い花糸が長く伸び出ている)・花柱が5裂しているめしべ1本が見られます。

 

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サツキツツジの花  【ツツジ科】
サツキツツジの花  【ツツジ科】
撮影日:2014年6月2日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 関東より西の地方の渓流沿いに多く生えている半常緑の低木(0.3~1m)です。庭や公園・道路沿いの草地などによく植えられています。
 枝は横に広がりながら半円形の樹形をつくっています。
 葉は枝先に集まって互生しています。冬を越した葉は濃い緑色で、新しい葉より小さく厚みがありますが、新しく出た葉は淡い緑色で両端が尖(とが)った細長いだ円形をしています。
 5~6月頃、枝先に赤紫色の花(花径約4.5cm)を1~3花ずつ咲かせています。
 花には、筒先が小さく5裂しているがく片・先がロート形に開いて5裂している花びら・花びらから長く突き出ているおしべ5本・おしべよりも長く突き出ているめしべ1本が見られます。

 

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ムラサキシキブの花  【クマツヅラ科】
ムラサキシキブの花  【クマツヅラ科】
撮影日:2014年6月3日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 北海道南部から南の各地の野山に生えている落葉低木(2~3m)です。秋に紫色に色づく実の色の美しさが好まれて、観賞用に庭や公園によく植えられています。
 枝には、両端が次第に細くなっている長いだ円形の葉(5~12cm)を対生させています。葉の縁には、ギザギザ(鋸歯=きょし)があります。
 6月頃、葉の脇からたくさんの淡い紫色の小さな花を群がり咲かせます(集散花序)。
 花には、筒先が三角状に浅く5裂しているがく片・筒先が4裂して反っている淡い紅色の花びら・花筒から立ち上がるように伸び出ているおしべ4本・おしべより長いめしべ1本が見られます。秋には、紫色の実(径約3mm)が実って枝を飾ります。

 

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ヤエキョウチクトウの花  【キョウチクトウ科】
ヤエキョウチクトウの花  【キョウチクトウ科】
撮影日:2014年6月5日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 インド・イラン方面で生まれた常緑の低木(3~5m)です。日当たりのよい所によく育ちます。観賞用や緑化の目的で、庭や公園・街路などによく植えられています。
 厚みがあってかたく、両端が細くなった細長いだ円形の葉(10~20cm)を3枚ずつ輪生しています。(茎や葉には体によくない有毒成分が含まれているので要注意)
 6~8月頃、新しい枝の先に、赤紫色の花(花径4~6cm)の集まり(集散花序=しゅうさんかじょ)を咲かせています。
 花には、細い筒先が深く5裂しているがく片・細い筒部が上の方で5裂して開いたものが重なり合っている花びら(それぞれの花びらには細く切れ込んでいる付属物も見られる)・中心にはおしべやめしべの名残も見られます。

 

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草の花の部

ヒメジョオンの花  【キク科】
ヒメジョオンの花  【キク科】
撮影日:2014年6月2日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 北アメリカ生まれの越年草(約1m)です。1865年頃(明治維新直前)に入って来ました。
 ハルジオンによく似ていますが、次の点が違います。①茎や葉に荒い毛がまばらに生えている。②根ぎわの葉(根生葉)に長い柄があるが、花が咲くころには根生葉がなくなっている。③茎についている葉のもとは茎を抱いていない。④花は蕾の時から上を向いている。⑤茎の中は白い髄に満たされていて中空ではない。
 6~10月頃枝分かれしている枝先に、散房状に頭花(径約2cm)を咲かせます。
 頭花には、下側に長い毛の生えている総苞(そうほう)・周りに白い舌状花・中心に黄色い管状花(先が5裂している)が集まっています。(舌状花にはめしべだけでおしべと冠毛=かんもうはないが、管状花にはおしべもめしべも冠毛も揃(そろ)っている)

 

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ドクダミの花  【ドクダミ科】
ドクダミの花  【ドクダミ科】
撮影日:2014年6月1日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 日陰や湿地などを好んで生えている多年草(約30cm)です。地中をはっている白い根茎の先にある芽が伸び出して盛んにふえていきます。茎には、暗い紫褐色のハート形をした柔らかい葉を互生させています。
 葉の柄のもとには、小さな葉(托葉=たくよう)が見られます。茎や葉には、独特の強い臭い(におい)があります。
 5~6月頃、茎の上の方に4枚の白い花びらのようなもの(総苞=そうほう)をつけ、その上に淡い黄色の塔(とう)のような花の集まり(穂状花序=すいじょうかじょ・1~3cm)をつけています。
 穂状花序の中の小さな花には、がくも花びらもなく、葯(やく)が黄色いおしべ3本と柱頭が3裂しているめしべ1本が見られるだけです。

 

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タチアオイの花  【アオイ科】
タチアオイの花  【アオイ科】
撮影日:2014年6月2日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 中国生まれの越年性草本(約2.5m)です。よく庭などで観賞用に栽培されています。
 円柱形の真っ直ぐに高く伸び上がっている茎には、白い毛が生えており、長い柄(葉柄)のある浅く5~7裂した葉を互生しています。裂片の縁には、鈍いギザギザ(鋸歯=きょし)が見られます。
 6月の梅雨の頃、葉の脇に1~2輪ずつ短い柄のある大きな花(花径約8cm、花の色には赤・白・桃・黄などがある)をつけますが、花は下から順に咲き上がります。花のもとの方には、7~8裂している筒状の苞葉(ほうよう)があります。
 花には、苞葉の内側に、先が5裂しているがく・らせん状に巻いている花びら5枚・棒状に伸び上がっているおしべの集まりと、その先に柱頭が糸のように分かれているめしべの集まりが見られます。

 

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ヒルガオとコヒルガオの花  【ヒルガオ科】
ヒルガオとコヒルガオの花  【ヒルガオ科】
撮影日:2014年6月1日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 野原や道端に普通に見られる多年草です。地中に広げている地下茎からつるを伸ばしてものに巻きつきながら伸びていきます。花の時期は6~8月頃です。

★ヒルガオの花:葉は細長く(5~10cm)、葉のもとは耳形でその先が細まりながら下の方に張り出しています。
花には、花の基部に先が円みをおびた苞葉が2枚・がく片が5枚・ろうと状の花びら(花径5~6cm)・おしべ5本・めしべ1本(柱頭はふくらんで2裂している)が見られます。

★コヒルガオの花:ヒルガオより少し小柄で花の色も薄いようです。葉は、先が細く尖(とが)った矛(ほこ=やりと同じ働きをするもの)形をしており、葉のもとは左右に張り出して、多くは先が2裂しています。また、花の柄の上部にギザギザ(翼=よく)があります。
 花びらのもとにある2枚の総苞(そうほう)の先が尖(とが)っているところもヒルガオと違います。

 

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ニワゼキショウの花  【アヤメ科】
ニワゼキショウの花  【アヤメ科】
撮影日:2014年6月1日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 北アメリカ生まれの多年草(10~20cm)です。明治20年頃日本にやってきて、植物園に植えられていたものが、今では野生化して芝の間などに生えています。
 茎には、左右に狭いひれ(翼=よく・1~2mm)があって平たくなっています。葉は細く、もとの部分は鞘(さや)になって茎を抱くようについており、先の方に行くほど細くなっています(ルーペで見ると葉の縁に小さなギザギザが見られる)。
 5~6月頃、茎の先の方にある苞葉(ほうよう)の間から細い柄を出してその先に花(花径約1.5cm)2~3花を次々に咲かせます。
 花には、がくと花びらが区別しにくい花被が6枚(がくに当たる外花被が3枚、花びらに当たる内花被が3枚)・おしべ3本(花糸のもとはくっついていて袋のようになっている)・花柱が3本に分かれているめしべ1本が見られます。

 

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ムラサキサギゴケの花  【ゴマノハグサ科】
ムラサキサギゴケの花  【ゴマノハグサ科】
撮影日:2014年6月1日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 北海道の南部から九州までの湿り気の多い所に生えている多年草(5~10cm)です。
 茎の根ぎわには縁に荒いギザギザ(鋸歯=きょし)のあるへら形の葉を群生しています。
 4~6月頃、根ぎわの葉の間から短い花茎(5~10cm)を伸ばして先の方に淡い紫色の唇(くちびる)形の花数花をまばらに咲かせます(総状花序)。そして地表には丸い葉(周りに鋸歯がある)を対生しているつる状の枝を伸ばしています。
 花には、筒先を5裂しているがく片(7~10mm)・淡い紫色で唇=くちびる状に上下に裂けている花びら(上唇は小さく尖(とが)って先が2裂しているが、下唇は大きく3裂していて中央が大きく盛り上がって黄褐色の斑点がついている)・おしべ4本(長短2本ずつに分かれている)・めしべ1本(柱頭は薄く上下に2裂して開いており、さわると閉じる)が見られます。

 

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コモチマンネングサの花  【ベンケイソウ科】
コモチマンネングサの花  【ベンケイソウ科】
撮影日:2014年6月1日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 道端に普通に見られる越年草(10~20cm)です。
 茎も葉も柔らかい感じの淡い緑色をしています。地上を這(は)っている茎の下の方の葉は、柄があって対生していますが、立ち上がっている茎についている葉には柄がなく、葉は互生しています。柄のない葉の脇には、写真に見られるようなむかご(肉芽=にくが)ができていますが、この肉芽が地上に落ちると新しい苗に育ってふえていきます。
 5~6月頃、茎の先の方に枝を広げて、黄色い花を片側に並べて咲かせます。
花には、筒先が5裂しているがく片・先の尖(とが)った細長い花びら5枚・おしべ10本。もとがくっつき合っているめしべ5本が見られます。花の後には放射状に並んでいる実ができますが、種はふつうはできません。

 

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カモジグサの穂  【イネ科】
カモジグサの穂  【イネ科】
撮影日:2014年6月2日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 道端や野山の草地によく生えている多年草(0.5~1m)です。
 茎は根もとからたくさん生え出していて、細くてややかたい葉(20~30cm)をつけています。茎も葉も緑白色をしています。葉と鞘(さや=葉鞘=ようしょう)の境には、白い帯状の膜状のもの(葉舌=ようぜつ・幅は約1mm)が見られます。
 5~6月頃、茎の先に穂(約20cm)が伸び出します。穂は、紫をおびた緑白色の小さい穂(小穂=しょうすい・1.5~2.5cm)を20個ばかり2列につけて、弓状に垂れています。
 小穂は、やや平らで小さな花(小花=しょうか・毛状の芒=のぎを除いた長さ2~2.5cm)が5~10花見られます。小花を囲んでいるものの一つ護頴(ごえい)には、紫色の長い芒というかたい毛状のものがついています。

 

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ノビルの花  【ユリ科】
ノビルの花  【ユリ科】
撮影日:2014年6月1日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 道端や土手の草地などに群がって生えている多年草(50~70cm)です。
 地中の球根から、緑白色の細い管状の葉(20~30cm)を2~3本出して、冬を越します。
 葉のもとは鞘(さや)になっていて茎を包んでいます。草全体にネギの臭い(におい)があり、食べられます。
 5~7月頃、葉の間から長く伸び出した茎の先に球状にかたまって花や紫色の球形の芽(むかご)をつけます。
 花には、花びら状のもの6枚(がくに当たる外花被3枚と花びらに当たる内花被3枚)・おしべ6本・めしべ1本が見られます。

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