カワヅザクラの花 | ヤブツバキの花 | マンサクの花 | シナマンサクの花 | |
マンサクの園芸種の花2種 | ヒイラギナンテンの花 | サンシュユの花 | ウグイスカグラの花 | |
アセビの花 |
オオキバナカタバミの花 | ノゲシの花 | カントウタンポポの花 | シロバナタンポポの花 | |
オオイヌノフグリの花 | ナズナの花 | タネツケバナの花 | カラスノエンドウの花 | |
ミミナグサの花 |
カワヅザクラの花 【バラ科】 | |
|
|
1955年に伊豆の河津(かわづ)で発見されたカンヒザクラとオオシマザクラの雑種と考えられているサクラです(原木は約10m)。 花は、例年は2月中頃から散房状(時に散形状)に2~5本の柄(小花柄・約2.5cm)を出して、その先に淡いピンク色の花(花径約3.5cm)を咲かせます。小花柄のもとには、さらに短い柄(花柄約1.5cm)があります。 花には、鐘形で紅紫色のがく筒(約0.8cm)の先が5裂しているがく片(約0.8cm・先が細長く尖(とが)った三角状で縁に細かいギザギザ=鋸歯=きょしが少し見られる)・淡い紅紫色の花びらが5枚(約1.5cm・横に広い卵形で先に切れ込みがある)・おしべが多数(30本前後)・めしべ1本が見られます。 |
ヤブツバキの花 【ツバキ科】 | |
|
|
青森県以南の海岸から海に近い山地によく見られる常緑の高木(6~15m)です。 幹は灰白色で、真っ直ぐに伸び上がって枝を広げて茂り、だ円形のこんもりした樹形をつくっています。枝には、両端が細く尖(とが)った厚みのあるだ円形のつやつやした葉(5~12cm)を互生しています。葉の縁には、ギザギザ(鋸歯=きょし)があります。 花の時期は、1~4月頃ですが、極めて短い柄の先に濃い紅色の花(花径5~7cm)を咲かせます。花には、花のもとに苞(ほう)とがくが重なっているがく苞といわれるものがあり、その内側に、花びらが5~9枚(下が互いにくっつき合っている)・下部が筒状になって先がばらばらに離れているたくさんのおしべ(おしべの下部は花びらと合着している)・先が3裂しているめしべ1本(子房は無毛)が見られます。 |
マンサクの花 【マンサク科】 | |
|
|
全国の野山に生えており、時には庭にも観賞用に植えられている落葉小高木(3~5m)です。枝には、短い柄にゆがんだひし形状のだ円形の葉(7~12cm・中ほどから先の縁に波状の鈍いギザギザ=鋸歯=きょしがある・上面は無毛だが下面の隆起した脈上に星状毛がある)を互生させています。 花は、2~3月頃(葉が出る前に)前年に出た枝の節に、黄色い花を1~数花ずつかためて咲かせます。花には、卵形で反(そ)りかえったがく片が4枚(内面は無毛で暗紫色、外面には乳首状の毛が密生)・細長く黄色の花びらが4枚(1cm内外)・短いおしべが4本・2本の花柱のあるめしべ1本が見られます。 |
シナマンサクの花 【マンサク科】 | |
|
|
中国生まれの落葉小高木(3~8m)です。日本特有のマンサクと違って、若い枝や葉に柔らかい毛が生えています。 枝には、柄(0.5~1cm)のある葉(両面に毛が生えている)を互生させています。マンサクの葉(4~12cm)より大きく(8~15cm)、葉の縁には波状のギザギザ(鋸歯=きょし)が見られます。 花は、2~3月頃マンサクと違って枯れ葉が残っている中に黄金色の花を開きます。花には、がく片が4枚(外面には鉄さび色の毛が生えており、内面は赤紫色をしている)・花びらが4枚(黄金色で細長く、もとは赤味をおびていて、長さは1.5~2.3cm)・おしべが4本・めしべ1本が見られます。 |
マンサクの園芸種の花2種 【マンサク科】 | ||
|
||
前に取り上げたマンサクは日本産の在来種でしたが、北の丸には、次のような園芸種もあります。比べて見て下さい。 ★ハマメリス・インターメディア・エレナの花:花が大輪で、橙(だいだい)色をしています。 ★ハマメリス・インターメディア・ディアヌの花:エレナより小柄で、赤い色をしています。赤色のマンサクの代表種といわれています。 ※エレナも、ディアヌも日本産のマンサクと中国産のマンサクをかけ合わせてつくった雑種群の中の品種名です。 |
ヒイラギナンテンの花 【メギ科】 | |
|
|
中国生まれの常緑の低木(1~3m)です。江戸時代(1680年頃)に日本に入って来ました。 茎は、根もとから数本立ち上がっていますが、ほとんど枝分かれしません。茎の表面は灰黒色で、皮が縦に裂けています。 葉は、大形の複葉(厚くてかたい刺=とげが縁にあるつやつやした小葉が5~8対ある)で、枝の先から放射状に互生しています。 2月半ば頃から茎の先に5~6本の花の軸(10~15cm)を伸ばして、短い柄に支えられた黄色い花を咲かせます。 花には、がく片が9枚(3列に並んでいる)・先が2裂している花びらが6枚・おしべが6本(葯=やくには2つの弁がある)・めしべ1本が見られます。 |
サンシュユの花 【ミズキ科】 | |
|
|
1722年(享保7年)に、実が解熱剤(げねつざい)に使えるということで、韓国(かんこく)から取り入れられた落葉高木(4~10m)です。日本では、東北地方南部より西の各地に観賞用・薬用として植えられています。 2月半ば頃から4月にかけて、短い枝先近くのの葉がついていた跡(葉痕=ようこん)の脇に4枚の褐色の苞葉に囲まれて、小さな黄色い花(花径0.4~0.5cm)の集まりを20~30花ずつ群がり咲かせます(散形花序)。 花には、細長い三角状の黄色い花びらが4枚・黄色いおしべが4本・黄色いめしべ1本が見られます。 |
ウグイスカグラの花 【スイカズラ科】 | |
|
|
北海道南部から南の日本全土の山地に普通に見られる落葉小低木(1.5~3m)です。観賞用に庭や公園にも植えられています。 根もとから茎を数本に分けながら、細い枝を出してせせこましく茂っています。 花の時期は、春ですが、2月の寒さの中でも短い花柄の先に細長いろうと形(約2cm)で、筒先が5裂している淡い紅色の花を上向きに咲かせることがあります(4月頃咲くものは柄のある花を下向きにつける)。花のもとには、緑色の丸い子房と1枚の小さな包葉が見られ、筒の中からは、5本のおしべと長く突き出ているめしべ1本が見られます。 |
アセビの花 【ツツジ科】 | |
|
|
宮城県より南の日本全土の乾いた山地に生えている常緑の低木(1.5~3m)です。庭や公園にもよく植えられています。 葉は枝先近くに輪状に互生しています。葉には、縁に鈍いギザギザ(鋸歯=きょし)があり、先の尖(とが)った細長いだ円形をしています。 2~5月頃、枝先の葉の間から、数本の花の軸を伸ばして、筒状の白い花を房のように吊り下げて咲かせます。花のもとには、5裂した淡い緑色のがく片が見られ、花びらの先は小さく5裂しています。花筒の中には、おしべ10本とめしべ1本が見られます。 |
オオキバナカタバミの花 【カタバミ科】 | |
|
|
南アフリカ生まれの多年草(20cm前後)です。明治の中頃、観賞用に取り入れたものですが、今はあちこちに見られます。 株もとから長い柄を伸ばして、その先に3枚の小さな葉(小葉・先がくぼんだ逆三角形)を広げています。小葉には紫褐色の斑点(はんてん)が散らばっています。葉は夜になると下垂して閉じます。 1月頃から花茎を伸ばして、その先に黄色い花(花径1.5~3cm)1~5花を、次々に咲かせていきます。 花には、淡い緑色のがくが5枚(細かい毛が見られる)・黄色い花びらが5枚・おしべが10本(内側の5本は長く、外側の5本は短い)・めしべ1本(花柱は5裂して外側に曲がり、柱頭は細毛に囲まれている)が見られます。 |
ノゲシの花 【キク科】 | |
|
|
道端や野山に普通に見られる越年草(0.5~1m)です。 茎は太いが柔らかく、茎の中は中空です。茎の表面には、角張ったすじ(稜=りょうという)が縦にたくさん見られます。葉は柔らかく、茎や葉をちぎると白い汁が出ます。 根もとについている葉には、長い柄があり、柄の先の方には羽状の大小不同のたくさんの切れ込みがあります。上の方の葉には柄がなく、葉のもとが2つに裂けて尖(とが)った耳たぶ状で、茎を抱くようについています。 花は、茎の先の方に枝を分けて黄色い頭状花=頭花(舌状に見える花=舌状花が集まって1つの花に見えているもの・頭花の径は約2cm)を開きます。頭花の外側には緑色の総苞が取り巻き、内側には舌状花がたくさんつまっています。 |
カントウタンポポの花 【キク科】 | |
|
|
関東・東海・中部地方の東部の野原や道端によく見られる多年草(10~30cm)です。 3月初め頃から、ロゼットの中心に花の茎を伸ばして、その先に黄色い円盤状の花(頭花・花径約4cm)を1つ咲かせます。頭花のもとは緑の細い葉のようなもの(総苞=そうほう)に囲まれています(外側の総苞は内側の総苞の半分より短い)。総苞の先には、角張った突起が見られます。総苞の内側には、黄色い花びらのような花(舌状花)がびっしりつまっています。 舌状花には、もとの部分が筒状になっている黄色い花びら・花粉袋(葯=やく)が管状にくっついているおしべ(下に花糸5本がある)・先が2裂しているめしべが見られます。さらに、めしべのもとにある子房の上部には、冠毛(かんもう)といわれる毛(がくに当たるもの)が見られます。 |
シロバナタンポポの花 【キク科】 | |
|
|
関東地方から西の地方に多く見られる多年草(30~40cm)です。道端や野原でよく見かけます。中国・九州・四国地方では、大部分がこのタンポポです。 2月の終わりごろから、ロゼットの中心から花の茎が伸び出て、その先に白色の花の集まり(頭花・花径4cm前後)を一つずつ咲かせます。頭花の外側は、緑色の総苞(そうほう)が取り巻いています。総苞の外側のものは内側のものより少し短く、やや外の方に開いていますが、内側のものは立っています。総苞の先には、三角状の突起が見られます。頭花には小さな花(舌状花)がたくさん集まっています。 舌状花には、もとの部分が筒状になっている花びら・花粉袋(葯=やく)が筒状にくっついているおしべ(花糸が5本ある)・先が2裂しているめしべ1本が見られます。他に、子房の上部には冠毛というがくに当たる毛が見られます。 |
オオイヌノフグリの花 【ゴマノハグサ科】 | |
|
|
道端の草地や畑の日だまりに群がって生えているヨーロッパ生まれの越年草です。 茎はもとの方で枝分かれして、地をはうように四方に広がっています(15~30cm)。葉は、もとの方では対生ですが、上の方では互生しています。葉の形は卵円形で縁には円みのあるギザギザ(鋸歯=きょし)があり、茎と共に柔らかい毛が生えています。 2月の初め頃から、葉の脇から出ている細長い柄(約2cm)に支えられて藍色の見られるコバルト色の花(花径約1cm)を1花ずつ咲かせています。 花には、深く4裂しているがく・筒先が深く4裂して大きく広げている花びら・おしべ2本・めしべ1本が見られます。花の後には、2粒の球形の実が、がくに包まれるような姿でつきます。 |
ナズナの花 【アブラナ科】 | |
|
|
道端や庭などに普通に生えている越年草(30cm前後)です。 茎は真っ直ぐに伸び上がっており、葉と共に全体にまばらに毛が生えています。地面に生えている葉(根生葉)は、四方八方に葉を広げています。葉の先は円みがありますが、もとの方には深く切れ込んだ裂片が見られます。茎の先の方には長い花の集まり(総状花序)があり、柄に支えられた白い花や実をつけています。 花は茎のもとの方から上にむけて咲き上がっています。 花には、長いだ円形のがく(約1mm)が4枚・白い花びら(約2mm)4枚・おしべ6本(内4本は長い)・めしべ1本が見られます。咲いている花の下の方には、三味線(しゃみせん)の撥(ばち)形に見える三角形の実ができています。 |
タネツケバナの花 【アブラナ科】 | |
|
|
草地によく生える越年草(10~30cm)です。 茎は、根ぎわからたくさん株分かれしていますが、真ん中の茎は、真っ直ぐに立ち上がって花や実をつけています。 葉は下の方で密に互生しています。1枚の葉は小さく羽状に裂けていますが、1番先の小葉は大きく、もとの方は小さくなっています。 花は、2月末頃から茎の先の方につきますが、下のものから順番に上に向かって咲き上がっていき、花が終わると細長い実に育っています。 花には、がくが4枚(約2mmで暗い紫色で卵状の長いだ円形)・白い花びらが4枚(3~4mmでもとが細くなった長いだ円形)・おしべが6本(4本は長く、2本は短い)・細長いめしべ1本が見られます。 |
カラスノエンドウの花 【マメ科】 | |
|
|
道端や野山の日当たりのよいところに生える越年草(60~90cm)です。 四角張っていて毛が生えている茎に、葉を互生しています。葉は小さな葉(小葉)を左右にたくさんつけた複葉(小葉を3~7対つけている)で、複葉の先は長く伸びて枝分かれした巻きひげになっており、周りのものに巻きつきながら伸び上がっています。複葉のもとには、縁にギザギザ(鋸歯=きょし)のある托葉が見られます。 花は、紅紫色の蝶が飛んでいるような形をしており、葉の脇に1~2花咲かせています。花には、先が5つに裂けたがく・形の違う花びら5枚(上の1枚は目立って大きく、その脇に左右2枚、その下に2枚くっつくように舟形をしたものが見られる)・おしべ10本(9本はくっついて筒になっており、1本だけ離れている)・めしべ1本(おしべの筒の中からめしべの先=柱頭をのぞかせている)で構成されています。 |
ミミナグサの花 【ナデシコ科】 | |
|
|
道端や畑などによく生えている越年草(10~20cm)です。 茎は根もとのほうで枝を分けて立ち上がっており、紫がかった毛深さが目立ちます。茎には、柄のない卵形の毛の生えた葉を対生させています。 早春~夏にかけて茎の先が枝分かれして、白い花の集まりをつけています。花には、先の尖(とが)った長いだ円形の毛の生えた緑色のがくが5枚・白い花びらが5枚(先に切れ込みがある)・おしべが10本・子房が卵形のめしべが1つ(花柱が5本)が見られます。 |
『自然と友だち』バックナンバーはこちら 『北の丸公園の自然HP』バックナンバーはこちら 『自然との出会いHP』バックナンバーはこちら |