自然と友だち


自然と友だち 特別編〜秋の巻〜

 特別編では、季節ごとに草木の特集をご紹介いたします。
 第3回目は、秋の巻です。

「ブナの仲間の木の実・
ドングリを追って」

 秋は実りの季節。いろいろな木の実が自然を賑わしましたが、ここでは子どもに人気の高いドングリを取り上げました。
 ドングリは、ブナの仲間の木の実です。東京の公園や植物園に見られるものを、すべて集めたかったのですが、今年は実のなり方が悪く、撮影のできないものも出てきました。
 ドングリの帽子(殻斗=かくと)は、大きく分けると4つのタイプがありますし、ドングリの形や大きさは種類によって随分違いがあります。
 ドングリを使った遊びを考えながら、遊びに相応しい、いろいろな種類を集めてみてはいかがですか。撮影した場所が記してありますので、解説を参考にしながら、集めてお楽しみください。

撮影・解説:永井昭三

 




コナラのドングリ
コナラのドングリ

ミズナラのドング
ミズナラのドング

ナラガシワのドングリ
ナラガシワのドングリ

アメリカガシワのドングリ
アメリカガシワの
ドングリ

クヌギのドングリ
クヌギのドングリ

アベマキのドングリ
アベマキのドングリ

カシワのドングリ
カシワのドングリ

ウバメガシのドングリ
ウバメガシのドングリ

マテバシイのドングリ
マテバシイのドングリ
10
スダジイのドングリ
スダジイのドングリ
11
アラカシのドングリ
アラカシのドングリ
12
シラカシのドングリ
シラカシのドングリ
13
アカガシのドングリ
アカガシのドングリ
14
ツクバネガシのドングリ
ツクバネガシのドングリ
15
ウラジロガシのドングリ
ウラジロガシのドングリ
16
ハナガガシのドングリ
ハナガガシのドングリ

 

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<落葉樹の部>


1.コナラのドングリ<ブナ科>
コナラのドングリ

撮影日:2008年9月11日  撮影場所:練馬区光が丘公園
 コナラのドングリの帽子(殻斗=かくと)は浅いお椀(わん)の形をしていて、外側には灰色の先の尖った小さな粒々(総苞片=そうほうへん)が瓦(かわら)を並べたように密に見られ、表面には白色の細かい毛が生えています。ドングリ(実)は、長いだ円形(1.5〜2cm)で、先(頭頂部)にはめしべの花柱が残っています。
 5月頃、新しい枝の葉の脇に雄花の穂と雌花の穂を別々に出して、それぞれに花を咲かせますが、年内に実ができて、熟れると褐色になります。
 葉には、0.5〜1.5cmの柄があり、長いだ円形(5〜12cm)で葉先が尖っています。葉の表は濃い緑色ですが、裏は灰白色で伏せた毛が生えています。葉の縁には先の尖った粗(あら)いギザギザ(鋸歯=きょし)があります。
 木の肌は、黒味がかった灰色で縦の割れ目がたくさん見られます。

 

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2.ミズナラのドングリ<ブナ科>
ミズナラのドングリ

撮影日:2008年9月4日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 ミズナラのドングリの帽子(殻斗=かくと)は深いお椀(わん)の形をしていて、外側には淡い灰褐色の先の尖った粒々(総苞片=そうほうへん)が瓦(かわら)を並べたよう密に見られます。ドングリ(実)はずんぐりした卵形に近いだ円形(2〜3cm)で、先(頭頂部)にはめしべの花柱が残っています。実の底は平らです。
 5月頃、新しい枝の葉の脇から雄花の穂と雌花の穂を別々に出して、それぞれに花をつけますが、年内に実ができて、熟れると濃い褐色になります。
 葉は大形(7〜15cm)ですが、柄は極めて短く、葉の表は濃い緑色、裏は淡い緑色をしており、葉のすじ(葉脈)には細かい毛が見られます。また、葉の縁には大きく切れ込んだギザギザ(鋸歯=きょし)があります。
 木の肌は淡い灰黒色で、縦に深い裂け目がたくさん見られます(裂け目からは褐色の部分ものぞいている)。

 

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3.ナラガシワのドングリ<ブナ科>
ナラガシワのドングリ

撮影日:2008年10月7日  撮影場所:文京区小石川植物園
 ナラガシワのドングリの帽子(殻斗=かくと)は底の広いお椀(わん)の形をしており、外側にはクリの実形の小さな粒々(総苞片=そうほうへん)が瓦(かわら)を並べたようにおおっています。ドングリ(実)は細長いだ円形(2cm前後)で、実の先(頭頂部)に残っているめしべの花柱の周辺には灰白色の微毛が見られます。
 4月頃、新しい枝の葉の脇に別々に雄花の穂と雌花の穂を出して、それぞれに花をつけますが、実は年内にできて、褐色に熟します。
 葉は、大きな長いだ円形(長さ10〜30cm・幅4〜15cm)で、2cm前後の柄で枝先近くに互生しています。縁には深く切れ込んだ大きなギザギザ(鋸歯=きょし)が目立ちます。葉の表はつやのある濃い緑色、裏は灰緑白色で、葉のすじ(葉脈)には毛が見られます。
 木の肌は、暗い灰褐色で、縦に裂け目がたくさん見られます。

 

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4.アメリカガシワのドングリ<ブナ科>
アメリカガシワのドングリ

撮影日:2008年10月17日  撮影場所:品川区林試の森公園
 アメリカガシワのドングリの帽子(殻斗=かくと)はベレー帽のような形(直径1.5cm前後)をしており、外側はつやのある褐色で三角状の小さな粒々(総苞片=そうほうへん)が瓦(かわら)を並べたようにおおっています。ドングリ(実)は半球形(1.5cm前後)で底は平らです。実の先(頭頂部)にはめしべの花柱の名残が見られます。
 4〜5月頃、新しい枝の葉の脇に雄花の穂と雌花の穂を別々に出して、それぞれに花をつけますが、実は年内にできて、黒褐色に熟します。
 葉は、先が広がった大きなだ円形(20cm前後)で、縁には深く切れ込んだ大きなギザギザ(鋸歯=きょし)が見られます。葉の表は濃い緑色で、裏は明るい緑色をしており、鋸歯の先に届いているすじ(葉脈)が鋸歯の数だけはっきり見られます。
 木の肌は、灰黒褐色で、縦に裂け目がたくさん見られます。

 

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5.クヌギのドングリ<ブナ科>
クヌギのドングリ

撮影日:2008年9月7日  撮影場所:練馬区光が丘公園
 クヌギのドングリの帽子(殻斗=かくと)は半球形で、外側に黄緑色(後に灰褐色になる)の細長い鱗片(総苞片=そうほうへん)がもじゃもじゃと生えています。ドングリ(実)はほぼ球形(2cm前後)で、実の底は皿状(1.7cm前後)の淡い褐色で、先(頭頂部)にはめしべの花柱の名残が見られます。
 4〜5月頃、新しい枝の葉の脇に雄花の穂と雌花の穂を別々に出して、それぞれに花を咲かせます。実は翌年の秋にできて、褐色に熟します。
 葉には、1〜3cmの柄があり、長いだ円形(5〜15cm)で、先にいくほど細くなって尖っています。葉の縁には先が針のように尖っているギザギザ(鋸歯=きょし・2〜3mm)があります。葉の表はつやのある濃い緑色ですが、裏は淡い緑色をしています。葉のすじ(葉脈・12〜17本)がはっきり見られます。
 木の肌は、灰褐色で、縦に深い割れ目がたくさん見られます。

 

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6.アベマキのドングリ<ブナ科>
アベマキのドングリ

撮影日:2008年10月8日  撮影場所:品川区林試の森公園
 アベマキのドングリの帽子(殻斗=かくと)は深みのある半球形のお椀(わん)形で、外側には黒褐色の反り返っている細長い鱗片(総苞片=そうほうへん)が密に生えています。ドングリ(実)は長めの球形(2cm前後)で、底は平らです。先(頭頂部)には、めしべの花柱の名残が見られます。
 4〜5月頃、新しい枝の葉の脇から雄花の穂と雌花の穂を別々に出して、それぞれに花をつけますが、実は翌年の秋にできて、褐色に熟します。
 葉は、先にいくほど細まっている長いだ円形(皮針形=ひしんけい・15cm前後)で、縁には針のように尖った芒(のぎ・約5mm)状のギザギザ(鋸歯=きょし)が見られます。葉の表はつやのある濃い緑色、裏は毛が密生していて灰白色です。
 木の肌は、灰褐色で、縦に深い割れ目が目立ちます。(コルクを作っている)

 

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7.カシワのドングリ<ブナ科>
カシワのドングリ

撮影日:2008年9月11日  撮影場所:練馬区光が丘公園
 カシワのドングリの帽子(殻斗=かくと)は円筒状(コップ形)で、外側には薄く細長い赤褐色の鱗片(総苞片=そうほうへん)が反り返るように生えています。ドングリ(実)は、ほぼだ円形(1.5〜2cm)で、褐色に熟します。実の底は皿状(7mm前後)の淡い褐色で、先(頭頂部)には、めしべの花柱の名残が見られます。
 5〜6月頃、新しい枝の葉の脇から雄花の穂と雌花の穂を別々に出して、それぞれに花を咲かせますが、実は年内にできて、褐色に熟します。
 葉には、太く短い柄(5mm前後)があり、葉(10〜30cm)は先にいくほど大きく広がっていて、縁には大きな波のようなギザギザ(鋸歯=きょし)が見られます。初めは両面に毛が生えていますが、後には裏だけに残ります。葉の表は暗く濃い緑色をしていますが、裏は白緑色をしていて柔らかい毛が密生しています。
 木の肌は、灰褐色〜黒褐色で、縦に深い割れ目が多く見られます。

 

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<常緑樹の部>


8.ウバメガシのドングリ<ブナ科>
ウバメガシのドングリ

撮影日:2008年10月3日  撮影場所:千代田区靖国神社駐車場
 ウバメガシのドングリの帽子(殻斗=かくと)は底が細くなった深いお椀(わん)の形をしており、外側には先の尖った鱗(うろこ)のような粒々(総苞片=そうほうへん)が瓦(かわら)を並べたように見られます。ドングリ(実)は両端が細くなっただ円形(1.5cm前後)で、実の先にはめしべの花柱が残っています。実は食べられます。
 4〜5月頃、新しい枝の葉の脇に雄花の穂と雌花の穂を別々につけ、それぞれに花を咲かせます。実は翌年の秋に褐色に熟します。
 葉は厚くて硬く、長いだ円形の小さい葉(3〜6cm)が枝先近くに多く互生しています。葉の表面はつやのある濃い緑色で、裏面は淡い緑色をしています。葉には短い柄(約5mm)があり、葉の先近くには浅いギザギザ(鋸歯=きょし)が見られます。
 木の肌は、黒褐色で、縦に浅い裂け目がたくさん見られます。

 

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9.マテバシイのドングリ<ブナ科>
マテバシイのドングリ

撮影日:2008年9月11日  撮影場所:千代田区北の丸公園
 マテバシイのドングリの帽子(殻斗=かくと)はお椀(わん)の形をしていて、外側に茶褐色の鱗(うろこ)のような粒々(総苞片=そうほうへん)が瓦(かわら)を並べたように見られます。ドングリ(実)は先の尖っただ円形(1.5〜2.5cm)で、先(頭頂部)にはめしべの花柱が残っています。実の底は平らです。湯がくと食べられます。
 5〜6月頃、新しい枝の葉の脇から雄花の穂と雌花の穂を別々に出し、それぞれに花を咲かせます。実は、翌年の秋に褐色に熟します。
 葉は厚くて大形です(5〜18cm)。表面はつやのある濃い緑色、裏面は灰褐色をおびた緑色で、葉の縁にはギザギザ(鋸歯=きょし)がなく、なめらかです。
 木の肌は、暗褐色で、縦に細く白いすじが見られますが、老木になると縦に不規則な浅い割れ目ができてきます。

 

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10.スダジイのドングリ<ブナ科>
スダジイのドングリ

撮影日:2008年10月3日  撮影場所:江東区木場公園
 スダジイのドングリの帽子(殻斗=かくと)は灰緑色の、先が尖っただ円形(総苞片=そうほうへんが合着したもの)で、初めのうちはドングリ(実)を包んでいますが、実が熟してくると先が3つに裂けて実が見えてきます。実(1.5cm前後)は先の尖った細長い卵形で、先(頭頂部)にはめしべの花柱の名残が見られます。
 6月頃、新しい枝の葉の脇から雄花の穂と雌花の穂を別々に出して、それぞれに花を咲かせます。実は翌年の秋に褐色に熟します。食べられます。
 葉は、厚くてかたく、先が細長く尖っただ円形です(5〜10cm)。表面はつやのある濃い緑色で、裏面は鱗片(りんぺん)状の毛を密生していて灰褐色をしています。葉には1cmほどの柄があり、枝に互生しています。葉の縁には中ほどより先の方に波状のギザギザ(鋸歯=きょし)が見られます。
 木の肌は、黒灰色で、深い縦の裂け目が多く見られます。

 

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11.アラカシのドングリ<ブナ科>
アラカシのドングリ

撮影日:2008年10月3日  撮影場所:江東区木場公園
 アラカシのドングリの帽子(殻斗=かくと)は灰緑色の可愛らしいお碗(わん)形で、外側には、6本内外の輪が見られます(総苞片がくっつき合ってできた輪で、灰白色の微毛が密生している)。ドングリ(実・約1.5cm)は先の尖った円みのある卵形で、先(頭頂部)にはめしべの花柱の名残が見られます。表面に縦すじも見られます。
 4〜5月頃、新しい枝の葉の脇から、雌花の穂と雄花の穂を別々に出して、それぞれに花を咲かせます。実は年内にできて、褐色に熟します。
 葉は、厚くてかたく、葉先が細長く尖っているだ円形(5〜13cm)で、2cm前後の柄で枝に互生しています。表面はつやのある濃い緑色、裏面は灰緑色で細かい毛が生えています。葉の半ばから先にかけての縁には、上向きの鋭いギザギザ(鋸歯=きょし)があります。
 木の肌は淡い灰黒色で、裂け目はないが、しわ状の立てすじが多く見られます。

 

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12.シラカシのドングリ<ブナ科>
シラカシのドングリ

撮影日:2008年10月3日  撮影場所:江東区木場公園
 シラカシのドングリの帽子(殻斗=かくと)は灰緑色の茶椀(ちゃわん)形をしていて、外側には7〜9本の輪が見られます(総苞片=そうほうへんがくっつき合ってできたもの)。表面に灰白色の微毛(びもう)が密生しています。ドングリ(実・1.5cm前後)は、ずんぐりしただ円形で、先(頭頂部)にはめしべの花柱が残っています。
 4〜5月頃、新しい枝の葉の脇から、雄花の穂と雌花の穂を別々に出して、それぞれに花を咲かせます。実は年内にできて、褐色に熟します。
 葉は、柄(1〜1.2cm)のある長いだ円形で先は細まりながら尖っています(5〜12cm)。葉の表はつやのある濃い緑色をしていますが、裏は灰白色です。葉の縁には半ばあたりから先にかけて、丸みのあるギザギザ(鋸歯=きょし)が見られます。
 木の肌は、灰黒色で割れ目はありませんが、しわ状の立てすじがたくさん見られます。

 

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13.アカガシのドングリ<ブナ科>
アカガシのドングリ

撮影日:2008年10月7日  撮影場所:文京区小石川植物園
 アカガシのドングリの帽子(殻斗=かくと)は褐色のお碗(わん)の形をしています。外側には、6〜7層の輪が見られます(総苞片=そうほうへんがくっつき合ってできたもの)。表面には褐色の毛が密生しています。ドングリ(実・1.5cm前後)は、先の尖っただ円形で、先(頭頂部)にはめしべの花柱が残っています。
 5〜6月頃、新しい枝の葉の脇から雄花の穂と雌花の穂を別々に出して、それぞれに花を咲かせます。実は翌年にできて、褐色に熟します。
 葉には、長い柄(1.5〜3cm)があり、両端が細くなっている長いだ円形(6〜15cm)で、特に先の方は急に細く伸びています。葉の表面はつやのある濃い緑色で、裏面は淡い緑色をしています。葉は厚く、まれに先の方に波状のギザギザ(鋸歯=きょし)が見られることがあります。
 木の肌は、灰褐色でざらざらしており、古い木では、厚い樹皮がはがれています。

 

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14.ツクバネガシのドングリ<ブナ科>
ツクバネガシのドングリ

撮影日:2008年10月10日  撮影場所:文京区小石川植物園
 ツクバネガシのドングリの帽子(殻斗=かくと)は褐色の深いお椀(わん・1cm前後)形をしており、外側に淡い褐色の微毛が生えている6〜7層の輪(総苞片=そうほうへんがくっつき合ってできたもので、輪の縁に浅い切れ込みが見られる)があります。ドングリ(実)は、卵円形(1.5cm前後)で、先(頭頂部)には円錐状のめしべの花柱が残っています。実には褐色の縦すじも見られます。
 4〜5月頃、新しい枝の葉の脇に雄花の穂と雌花の穂を別々に出して、それぞれに花をつけますが、実は翌年の秋にできて、褐色に熟します。
 葉には、1.5cm前後の柄があり、先が細く尖った長いだ円形(5〜12cm)で厚みのある葉を枝に互生させています。表はつやのある濃い緑色で、裏は淡い緑色をしています。葉先近くには浅いギザギザ(鋸歯=きょし)が僅かに見られます。
 木の肌は、灰黒褐色で、浅く縦に裂け目が見られます。

 

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15.ウラジロガシのドングリ<ブナ科>
ウラジロガシのドングリ

撮影日:2008年10月17日  撮影場所:品川区林試の森公園
 ウラジロガシのドングリの帽子(殻斗=かくと)は、灰緑色の下が細まった深いお椀(わん)形で、外側に6〜7層の輪(総苞片=そうほうへんがくっつき合ってできたもの)が見られ、表面に灰色の細毛が生えています。ドングリ(実)は、中ほどがふくらんだだ円形(約2cm)で、表面に縦すじがたくさん見られます。先(頭頂部)には灰色の毛が生えているめしべの花柱が残っています。
 5月頃、新しい枝の葉の脇に、雄花の穂と雌花の穂を別々につけて、それぞれに花を咲かせます。実は翌年の秋にできて、黒褐色に熟します。
 葉は、やや薄いが硬く、先が細長く伸びて尖っている長い楕円形(10〜15cm)です。表面はつやのある濃い緑色で、裏はろうをぬったような白色です(白い細毛が散らばって見られる)。葉の縁は波打っており、中程より先の方に尖ったギザギザ(鋸歯=きょし)が見られます。
 木の肌は、暗い灰色の中に、茶褐色のすじが見られますが、表面は平らです。

 

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16.ハナガガシのドングリ<ブナ科>
ハナガガシのドングリ

撮影日:2008年10月17日  撮影場所:品川区林試の森公園
 ハナガガシのドングリの帽子(殻斗=かくと)は、灰褐色のお椀(わん)形をしています。外側には5〜7層の輪(総苞片=そうほうへんがくっつき合ってできたもので、層の上辺にはギザギザした切れ込みが目立つ)が見られます。ドングリ(実)は、中ほどがふくらんだだ円形(2cm前後)で、先(頭頂部)には円錐形のめしべの花柱が残っています。
 5月頃、新しい枝の葉の脇に、雄花の穂と雌花の穂を別々に出して、それぞれに花を咲かせます。実は、翌年の秋にでき、黒褐色に熟します。
 葉は、両端が尖った細長いだ円形(披針形=ひしんけい・5〜15cm)で、薄いわりにはかたく、縁は波打っており、葉先近くには尖ったギザギザ(鋸歯=きょし)があります。表は濃い緑色で裏は淡い緑色ですが、裏表ともにつやがあります。
 木の肌は、灰黒褐色で、縦に浅い不規則な割れ目が見られます。

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