6月初めに皇居外周の道沿いに見られた草木の花々の中から


「6月初めに皇居外周の道沿いに見られた草木の花々の中から」

 サツキツツジの華やかな花が皇居の外周を飾っています。目を凝らして見るとクスノキの花が終わり、緑の葉かげでソヨゴが小さく地味な花を広げていました。
 桜田濠や半蔵濠沿いの街路樹の下には、ヒメジョオンの白い花やカモジグサ、イヌムギの穂に交じって、5月にご紹介したネズミムギやカラスムギ・ハルガヤなどのイネ科の草の穂が風に揺らいでいました。二重橋前の歩道脇や大手濠側の道沿いでは、ユウゲショウの紅紫色の花やヒナキキョウソウの紫色のかれんな花が目を引きました。
 6月に見られた草木の中からその一部をご紹介します。

撮影・解説:永井昭三

永井昭三先生にメッセージや質問などをお寄せください。
http://www3.jsf.or.jp/mlmaster/


 

サツキツツジの花 ソヨゴの花 ユウゲショウの花 ヒメジョオンの花
サツキツツジの花 ソヨゴの花 ユウゲショウの花 ヒメジョオンの花
コウゾリナの花 ヒナキキョウソウの花 オヤブジラミの花 エゾノギシギシの花
コウゾリナの花 ヒナキキョウソウの花 オヤブジラミの花 エゾノギシギシの花
カキネガラシの花 マメグンバイナズナの花 ドクダミの花 ヤセウツボの花
カキネガラシの花 マメグンバイナズナの花 ドクダミの花 ヤセウツボの花
ノビルの花 イヌムギの穂 カモジグサの穂 ヒメコバンソウの穂
ノビルの花 イヌムギの穂 カモジグサの穂 ヒメコバンソウの穂



 





サツキツツジの花
<ツツジ科>
サツキツツジの花
撮影日:2011年6月1日  撮影場所:皇居外周大手濠側の道沿い
 関東より西の地方の渓流沿いに多く生えている半常緑の低木(0.3~1m)です。今では、庭や公園・道路沿いの草地などによく植えられています。
 枝は、横に広がりながら半円形の樹形になっています。葉は、枝の先に集まって互い違いについています(互生)。冬を越した葉は濃い緑色で新しい葉より小さく厚みがありますが、春に新しく出たものは淡い緑色で両端がとがった細長いだ円形(線状披針形ともいいます)をしています。
 5月頃、枝先に赤紫色の花(花径約4.5cm)を1~3花ずつ咲かせます。花には、筒先が小さく5裂しているがく・先がロート形に大きく開いて5裂している花びら・花びらから長く突き出ているおしべ5本・おしべより長く突き出ているめしべ1本が見られます。
 名前は、五月=サツキに咲くツツジという意味でつけられたもので、サツキともいいます。

 

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ソヨゴの花
<モチノキ科>
ソヨゴの花
撮影日:2011年6月1日  撮影場所:皇居外周半蔵濠側の公園前の道沿い
 中部(長野・山梨県)より西の地方の山々に生えている常緑の小高木(2~3m)です。庭や街路によく植えられています。雄の木と雌の木があります。
 枝には長い柄(約2cm)がある先のとがった卵状だ円形の葉(4~8cm)を互い違いにつけています。葉の表面は暗い緑色で、裏面は淡い緑色をしており、葉の縁は波打っています。
 6~7月頃、葉の脇に長い柄(3~5cm)を伸ばして、雄の木ではその先に短い柄(約1cm)を分けて雄花の集まり(3~8花・集散花序)をつけています。雌の木では長い柄の先に雌花を1~3花つけています。花には、がく筒の先が4裂したがく片が4枚・花びら4枚・おしべが4本・めしべ1本が見られます。しかし、雄花ではめしべがなくおしべの葯(やく)は黄色です。雌花には真ん中にめしべが見られ、おしべの葯は褐色で花粉がありません。
 名前は、葉が揺れてざわざわ音を立てる(戦ぐ=そよぐ)ことから生まれたものです。

 

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ユウゲショウの花
<アカバナ科>
ユウゲショウの花
撮影日:2011年6月1日  撮影場所:皇居外周大手濠側の道沿い
 南・北アメリカ生まれの多年草(7~60cm)です。今は道沿いの草地に野生していますが、1916年(大正5年)前後には栽培されていたという記録があります。
 茎は根もとからたくさん伸び出ており、白くかたい毛が生えています。茎には、両端が細くなった菱(ひし)形状の長いだ円形の葉(長さ1~6cm・幅0.5~2.5cm)を互生しています。葉の縁には、波形の浅いギザギザ(鋸歯=きょし)が見られます。
 5~9月頃、茎の上の方の葉の脇に淡い紅色の花(花径約1.5cm)を咲かせています。花には、細長い子房(黄緑色で約1cm)に続くがく筒とその先が4裂しているがく片・淡い紅色の花びら4枚(赤いすじが見えている)・おしべ8本・めしべ1本(柱頭が4裂している)が見られます。
 名前は、夕暮れに化粧するように咲き始めることからつけられたものです。

 

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ヒメジョオンの花
<キク科>
ヒメジョオンの花
撮影日:2011年6月1日  撮影場所:皇居外周半蔵濠側の街路樹
 北アメリカ生まれの越年草(約1m)です。1865年頃、日本に入ってきました。
 ハルジオンによく似ていますが、次の点が違います。①茎や葉に荒い毛がまばらに生えている。②根ぎわの葉に長い柄がある・花の頃には根ぎわの葉はなくなっている。③茎についている葉は、茎を抱かない。④花は蕾の時から上を向いている。⑤茎の中は中空でない。
 6~10月頃、枝分かれした茎の先に径約2cmの頭状花(頭花)がたくさん(散房状)咲きます。頭花には、下側に長い毛が生えている総苞(そうほう)・周りに白い舌状花・、中心部に黄色い管状花(先が5裂している)が集まっています。舌状花はめしべだけでおしべと冠毛(かんもう)がなく、管状花にはおしべもめしべも冠毛がそろっています。
 名前は、中国の「女苑=ジョオン」という野草の名前に、小さくて優しいという意味を込めて「姫」をつけて呼ぶようになったものです。

 

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コウゾリナの花
<キク科>
コウゾリナの花
撮影日:2011年6月1日  撮影場所:皇居外周桜田濠側の道沿い
 道ばたや山の日当たりのよい草地に普通に見られる越年草(60~90cm)です。
 真っ直ぐに伸びあがった茎には、花が咲くまでは根元にへら形の葉(10~22cm)がたくさん見られますが、花が咲くころには、先のとがった細長い葉(6~12cm)を茎に互い違いにつけ(互生)、葉のもとは茎を抱くようについています。葉の縁には先のとがった小さなギザギザがたくさん見られます。葉にも茎にも赤褐色の荒い毛が生えていてざらつきます。
 5~10月頃、茎の上の方で枝を分けて上向きの黄色い頭状花(頭花・花径約2.5cm)の集まりを散房状に咲かせています。頭花の中は舌状花だけです。頭花の外側には荒い毛が生えている総苞(そうほう-短い外片=がいへんと長い内片=ないへんがある)に囲まれています。舌状花(約30花)には、冠毛(かんもう)・おしべ・めしべが見られます。
 名前は、茎と葉のかたい毛から剃刀(かみそり)を連想してつけられたようです。

 

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ヒナキキョウソウの花
<キキョウ科>
ヒナキキョウソウの花
撮影日:2011年6月1日  撮影場所:皇居外周二重橋前のマツ林縁
 北アメリカ生まれの一年草(15~40cm)です。市街地の道ばたに多く見られます。
 真っ直ぐに伸びあがった茎は角張っており、角のすじ(稜=りょう)の上には白い毛が生えています。茎には先のとがった長いだ円形の葉(下の方のものは3~5cm、上の方のものは1~3cm)を互生していますが、柄がなく葉の縁には低いギザギザ(鋸歯=きょし)があります。葉の縁と葉の裏のすじ(脈=みゃく)の上には白い毛が生えています。
 5~6月頃、葉の脇に蕾を1つずつつけます。そして、上の方の数節の葉の脇のものだけが紫色の花(花径約5mm)が開きます(他の蕾は花が開かないで実をつける=閉鎖花=へいさか)。花には、長い円筒形のがく筒(4~5mm)の先が5裂したがく片・紫色の5裂した花びら・おしべ5本・白い毛が生えためしべ1本(柱頭は2裂している)が見られます。
 名前は、キキョウソウより花も葉も小柄なところからつけられたものと考えられます。

 

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オヤブジラミの花
<セリ科>
オヤブジラミの花
撮影日:2011年6月5日  撮影場所:皇居外周代官町通り沿いの土手下
 土手や道ばたの草地に生えている越年草(約60cm)です。
 茎にも葉にも細かく荒い毛が生えています。葉は、細かく羽状に裂けています(2~3回羽状複葉で裏がやや白っぽい・長さ約10cm)。
 4~6月頃、枝先に2~3本の柄(大花柄・2~3cm)を出し、その先に短い柄(小花柄・2~3mm)を分けて、1つずつ小さな白っぽい花が開きます(花序の花数は5~8花)。花には、刺(とげ)におおわれた緑色の子房(約2.5mm・先に歯のようながくがあるが見えにくい)・白か紫がかった花びら5枚・おしべ5本・めしべ1本(花柱が2本)が見られます。花が終わった後には、先のまがった刺におおわれた長いだ円形の実(5~7mm)ができます。
 名前は、実の表面の毛で衣服にからみつくことからつけられましたが、ヤブジラミという草の実より大きな実をつけるので、雄のヤブジラミという意味でつけられたものです。

 

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エゾノギシギシの花
<タデ科>
エゾノギシギシの花
撮影日:2011年6月1日  撮影場所:皇居外周代官町通り沿いの土手下
 ヨーロッパ生まれの多年草(0.5~1.3m)です。道ばたや野原などによく生えています。
 真っ直ぐに伸びあがった茎は、紫色をおびることが多く、茎の根ぎわには、卵状で長いだ円形の大きな葉(長さ15~30cm、幅8~12cm・柄に続くもとのところは耳たぶ形で、下面にはかたい毛が生えている)をたくさんつけています。葉の縁は大きく波打っています。
 6~7月頃、茎や枝の節にたくさんの淡い緑色の花が輪生して、大形の花の集まり(円すい状花序)をつくります。花には、淡い緑色の花被6枚(外花被3枚と内花被3枚)・おしべ6本・3本の花柱のあるめしべ1本(柱頭は毛状に裂けている)が見られます。花の後には、縁にとげ状の突起のある内花被に囲まれた実(3.5~5mm)ができます。3枚の内花被の中の1枚の背面には、長いだ円形のこぶのような赤いふくらみができています。
 名前は、初めて発見した北海道(蝦夷地=えぞち)にちなんでつけられたようです。

 

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カキネガラシの花
<アブラナ科>
カキネガラシの花
撮影日:2011年6月1日  撮影場所:皇居外周代官町通り沿いの土手下
 ヨーロッパやアジア西部生まれの一年草(40~90cm)です。道ばたの草地に生えています。
 かたい茎を伸びあがらせて枝を広げています。根ぎわの葉には長い柄があり、約20cmの長いだ円形で、羽状に深く裂けています。裂片は葉の軸の両側に2~6対あり、それぞれの裂片にはギザギザ(鋸歯=きょし)が見られます。茎の上の方の葉は小さく、細長いだ円形で羽状に切れ込んだ裂片が1~2対ありますが、鋸歯はありません。
 4~10月頃、茎の上の方の枝が伸び出して、黄色い小さな花(花径約4mm)の集まりを枝先につけます(総状花序・15~20cm・荒い毛がちらほら見える)。花には、緑色で先のとがった長いだ円形のがく片が4枚・黄色い花びらが4枚(3~4mmで長い爪に支えられただ円形)・おしべ6本(内4本は長い)・めしべ1本が見られます。
 名前の由来はわかりません。

 

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マメグンバイナズナの花
<アブラナ科>
マメグンバイナズナの花
撮影日:2011年6月1日  撮影場所:皇居外周大手濠側の道沿い
 北アメリカ生まれの1年草~越年草(15~40cm)です。道ばたや庭などでよく見かけます。
 真っ直ぐに伸びあがった茎の上の方で枝を分けて、葉を互生させています。根ぎわの葉(根生葉)には長い柄があって縁には深い切れ込みがありますが、茎についている葉はへら形で、縁に細かいギザギザ(鋸歯=きょし)が見られるようになり、上にいくほど鋸歯が見られなくなっています。
 5~6月頃、枝の先の方に緑白色の小さな花(花径約3mm)の集まりを穂状につけています。花には、緑色のがく片4枚・白い花びら4枚・おしべ2本・めしべ1本が見られます。花は下の方から咲きあがり、花の後には軍配のような形の平たい実(約3mm)ができます。
 名前は、実の形が軍配の形に似ていて小さく、花がナズナの花に似ているところからつけられたものです。

 

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ドクダミの花
<ドクダミ科>
ドクダミの花
撮影日:2011年6月1日  撮影場所:皇居外周半蔵濠側の千鳥が淵公園
 日かげや湿り気の多いところを好んで生えている多年草(約30cm)です。
 地下の白い地下茎の先にある芽が伸び出て増えていきます。茎には、暗い紫褐色のハート形をした柔らかい葉を互い違いにまばらにつけています(互生)。葉の柄のもとには、小さな葉(托葉=たくよう)も見られます。茎や葉には、独特の強い匂いがあります。
 5~6月頃、茎の上の方に4枚の白い花びらのようなもの(総苞=そうほう)をつけ、その上に淡い黄色の塔のような花の集まり(穂状花序=すいじょうかじょ・1~3cm)をつけています。穂状花序の中の小さな花には、がくも花びらもなく、おしべ3本と、めしべ1本(柱頭が3裂している)が見られるだけです。
 名前は、「毒痛み」からドクダミとなったのですが、毒にも痛みにも効くという意味でつけられたようです。

 

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ヤセウツボの花
<ハマウツボ科>
ヤセウツボの花
撮影日:2011年6月1日  撮影場所:皇居外周桜田濠側の道沿い
 ヨーロッパや北アフリカ生まれの寄生植物の1年草(15~50cm)です。寄生するのはキク科・マメ科・セリ科などの植物の根です。
 茎は、紫がかった褐色で枝分かれしません。褐色の葉は鱗片(りんぺん)のようで小さく、先がとがっていて、茎を抱くような格好で互生しています。
 5~6月頃、茎の上の方に葉と同じような形をした葉のようなもの(苞葉=ほうよう)の脇に1花ずつつけて花の穂をつくります。花には、4つに深く切れ込んだがく(花びらの左右に2片ずつ見えている)・唇(くちびる)形をした花びら(上唇=じょうしんと下唇=かしんに分かれている)・おしべ4本・めしべ1本が見られます。
 名前の「ウツボ」は、花の穂の形が矢を入れる靭(うつぼ)に似ていることからつけられました。ヤセウツボは、花穂がやせて見えるところからつけられたものです。

 

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ノビルの花
<ユリ科>
ノビルの花
撮影日:2011年6月1日  撮影場所:皇居外周桜田濠側の道沿い
 道ばたや土手の草地などに群がって生えている多年草(50~70cm)です。
 秋の終わり頃、土の中にある白い球根(鱗茎=りんけい)から緑白色の細い管状の葉(20~30cm)を2~3本出して冬を越します。葉のもとは、鞘(さや)になって茎を包んでいます。
 5~7月頃、花は葉の間から長く伸び出している茎の先に球状にかたまって咲きます。白い膜状のもの(苞葉=ほうよう)の中から、長い柄(1~1.5cm)に支えられて淡い紫色の花(花径・約1cm)を開きますが、花の間に紫色の球形の芽(ムカゴ)が多く混じっています。花には、花びら状のもの6枚(がくに当たる外花被3枚と花びらに当たる内花被3枚)・おしべ6本・めしべ1本が見られます。草全体にネギの匂いがあり、食べられます。
 名前は、野に生えるヒルということでつけられました。ヒルとは、ニンニクの仲間のことで、かむとひりひりすることからつけられた名前です。

 

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イヌムギの穂
<イネ科>
イヌムギの穂
撮影日:2011年6月1日  撮影場所:皇居外周半蔵濠・桜田濠側の道沿い
 荒れ地や畑などによく生えている二年草(0.5~1m)です。
 麦のようなストロー状の緑の茎を伸びあがらせて、細長い葉(10~25cm)を互生しています。葉の鞘(さや・葉鞘=ようしょう)の入り口には、白い膜のような三角状で縁が細かく裂けているもの(葉舌=ようぜつ・高さ約4mm)が見られます。
 3月頃から、茎の先に穂(花の集まり=円すい花序・10~25cm)をつけます。穂には、輪生している細長い枝の先に緑の股(また)を開いたようなもの(小穂=しょうすい)を吊りさげています。小穂には、2枚の緑色の苞頴(ほうえい)に囲まれている小さな花(小花)が2~3花あります。小花には、くの字形にまがった芒(のぎ)をつけた緑褐色の護頴(ごえい)が目立ちます。護頴の下の方には、長い褐色の毛がたくさん生えています。
 名前は、穂がムギに似ていますが、役に立たないムギという意味でイヌをつけたようです。

 

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カモジグサの穂
<カモジグサ科>
カモジグサの穂
撮影日:2011年6月1日  撮影場所:皇居外周半蔵濠・桜田濠側の道沿い
 道ばたや野山の草地によく生えている多年草(0.5~1m)です。
 茎は根もとからたくさん生え出していて、細くてややかたい葉(20~30cm)をつけています。茎も葉も緑白色をしています。葉と鞘(さや=葉鞘=ようしょう)の境には、白い帯状の膜のようなもの(葉舌=ようぜつ・幅は約1mm)が見られます。
 5~6月頃、茎の先に花穂(約20cm)が伸び出ます。花穂は、紫をおびた緑白色の小さい穂(小穂=しょうすい・1.5~2.5cm)を20個ばかり2列につけて、弓状に垂れています。小穂は、やや平らで、小さな花(小花)が5~10花入っています。小花を囲んでいるものの一つ護頴(ごえい)には紫色の長い芒(のぎ)というかたい毛状のものがついています。
 名前は、髪(かみ)の毛のことを昔は「かもじ」といっていましたが、この草を人形の頭の髪の毛代わりに利用していたことからつけられたものです。

 

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ヒメコバンソウの穂
<イネ科>
ヒメコバンソウの穂
撮影日:2011年6月1日  撮影場所:皇居外周桜田濠側の道沿い
 ヨーロッパ生まれの一年草(10~60cm)です。道ばたや庭によく生えています。
 茎は、1~数本が生え出して立ちあがり、細長い葉(3~12cm・上面と縁がざらついている)をつけています。葉の鞘(さや=葉鞘=ようしょう)の入り口に見られる白い膜のようなもの(葉舌=ようぜつ・3~6mm)は、円みのある三角形で目立ちます。
 5~7月頃、茎の上の方の節に2本ずつ絹糸のような細い枝を出し、さらに2~3回枝を分けて、それらの枝の先に1つずつ三角形の緑色の小さな穂(小穂=しょうすい・3~5mm)を吊りさげています。小穂には、2枚の苞頴(ほうえい・2~3mm)と小さい花(小花=しょうか)4~8花が見られます。
 名前は、小判のような形の小穂をつけているコバンソウという草に似た小さなかわいらしい小穂を吊りさげているところからつけられたものです。

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