自然と友だち


No.70 「夏の虫(3)」

 今年の夏は、連日30℃を超す全国的に格別の猛暑の日々が続いています。セミたちは、我が世の夏とばかり朝早くから鳴き声を響かせています。ことに、南国のセミ、クマゼミの声も東京付近でしばしば記録されました。いつもは声はすれど、姿はなかなか見つからなかったクマゼミを今夏は写真に撮り、ついに採集できました。
 あまりにも強い直射日光を避けて、木かげを飛ぶチョウの姿や、草むらでは、バッタやカマキリもいよいよ成虫に脱皮し、飛ぶ姿も見られました。

撮影・解説:松田邦雄

松田邦雄先生に質問やメッセージをどうぞ。
http://www3.jsf.or.jp/mlmaster/



 

夏の草木 我が世の夏と鳴きまくるセミたち
サルスベリ キョウチクトウ クサギ キツネノカミソリ ヒャクニチソウ キバナコスモス ヒマワリ ミンミンゼミ
サルスベリ
キョウチクトウ
クサギ キツネノカミソリ ヒャクニチソウ
キバナコスモス
ヒマワリ
ミンミンゼミ
我が世の夏と鳴きまくるセミたち カメムシ
アブラゼミ ニイニイゼミ ツクツクボウシ ヒグラシ クマゼミ アオバハゴロモ アミガサハゴロモ スケバハゴロモ オオキンカメムシ コオイムシ
アブラゼミ
ニイニイゼミ
ツクツクボウシ
ヒグラシ
クマゼミ アオバハゴロモ
アミガサハゴロモ
スケバハゴロモ
オオキンカメムシ
コオイムシ
チョウたち
ナガサキアゲハ アオスジアゲハ ジャコウアゲハ ミドリシジミ コミスジ ゴマダラチョウ アカボシゴマダラ
ナガサキアゲハ アオスジアゲハ ジャコウアゲハ ミドリシジミ
コミスジ
ゴマダラチョウ
アカボシゴマダラ
チョウたち スズメガ 甲虫 バッタ カマキリ
スジグロシロチョウ ウラギンシジミ シモフリスズメ ベニスズメ クロメンガタスズメ マメコガネ コフキコガネ ヤブキリ オオカマキリ ハラビロカマキリ
スジグロシロチョウ
ウラギンシジミ
シモフリスズメ
ベニスズメ
クロメンガタスズメ マメコガネ
コフキコガネ
ヤブキリ
オオカマキリ
ハラビロカマキリ
ハチ
コアシナガバチ ニホンミツバチ ベッコウバチ オオクロモンゲッコウ
コアシナガバチ
ニホンミツバチ
ベッコウバチ
オオクロモンゲッコウ

 




 





夏の草木

サルスベリ
キョウチクトウ
サルスベリ キョウチクトウ
撮影日: サルスベリ
キョウチクトウ
2010年8月12日
2010年8月10日
 撮影場所: 東京都練馬区大泉町
埼玉県所沢市
 真夏の照りつける陽光を浴びて、ピンク色の木の花が目立つサルスベリです。木の肌はツルツルとした感じで、サルでもすべることから、この名があるようです。
 真夏に紅や白の花をつけるキョウチクトウも夏の木の花です。

 

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クサギ
クサギ
撮影日: 2010年8月8日  撮影場所: 東京都練馬区大泉町
 真夏に赤みがかった白い花をたくさんつけています。くさいにおいがすることから、この名があるようです。この花にアゲハチョウの仲間が吸蜜によく来ています。

 

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キツネノカミソリ
キツネノカミソリ
撮影日: 2010年8月8日  撮影場所:東京都練馬区大泉町
 夏の雑木林でオレンジ色をした花を見つけました。よく見ると、葉がありません。キツネノカミソリという野の花で、秋のヒガンバナの仲間です。

 

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ヒャクニチソウ
キバナコスモス
ヒマワリ
ヒャクニチソウ キバナコスモス ヒマワリ
撮影日: 2010年8月9日  撮影場所: 東京都板橋区赤塚
 夏の花壇では、色とりどりのヒャクニチソウが目立ちます。
 また、キバナコスモスの花も咲いていました。虫たちもこの花に吸蜜しに集ってきます。
 大きな黄金の花、ヒマワリも夏の花壇の花です。

 

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我が世の夏と鳴きまくるセミたち

ミンミンゼミ
羽化後 交尾
ミンミンゼミ 羽化後 交尾
撮影日: 成虫
羽化後
交尾
2010年8月10日
2010年8月8日
2010年8月3日
 撮影場所: 東京都千代田区北の丸公園
 ミューン ミューン ミューンと林に響くミンミンゼミ・・・大型ではねは透明、緑色のミンミンゼミは、セミのなかでも人気者です。羽化したばかりのときは白い羽です。
 セミについている白い虫は、セミヤドリガの幼虫(寄生虫)です。

 

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アブラゼミ
ニイニイゼミ
アブラゼミ ニイニイゼミ
撮影日: 鳴くアブラゼミ
羽化したてのアブラゼミ
ニイニイゼミ
2010年8月9日
2010年8月10日
2010年7月5日
 撮影場所: 埼玉県所沢市
 はねが透明でないのは、アブラゼミとニイニイゼミです。大型のアブラゼミのはねは、茶褐色でまるで紬紙のようです。小型のニイニイゼミは、チーチーと高い声で鳴きます。アブラゼミよりも早く、6月末〜7月初めに発生します。

 

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ツクツクボウシ
ヒグラシ
ツクツクボウシ ヒグラシ
撮影日: ツクツクボウシ
ヒグラシ
2010年8月22日
2010年8月8日
 撮影場所: 東京都練馬区大泉町
 小型ではねの透明なのは、ツクツクボウシとヒグラシです。ツクツクボウシの体は黒く、発生は7月下旬以後で、オーシンツクツク、オーシンツクツク・・・を何回もくりかえして鳴きます。
 ヒグラシは杉林などに多く、夕方になると、カナカナカナ・・・と涼しい感じのする声を響かせます。

 

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クマゼミ
クマゼミ
撮影日: 上・中
2010年8月15日
2010年8月4日
 撮影場所: 東京都練馬区大泉学園町
埼玉県朝霞市
 南国のセミ、クマゼミは日本最大のセミで、その名のように黒く、がっしりとしたセミです。東京より、西の地方で発生するセミですが、近年東京周辺でも鳴き声の記録が増えています。そして今夏は、東京都練馬区大泉学園町でクマゼミの大合唱を聞き、何回もそこに通って、ついに採集できました。朝早くからケヤキの高い枝の上で鳴き出し、午前10時ごろになると、ぴたりと鳴きやみました。

 

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アオバハゴロモ
アミガサハゴロモ
スケバハゴロモ
アオバハゴロモ アミガサハゴロモ スケバハゴロモ
撮影日: アオバハゴロモ
アミガサハゴロモ
スケバハゴロモ
2010年8月10日
2010年8月10日
2010年8月11日
 撮影場所: 埼玉県所沢市
埼玉県所沢市
埼玉県所沢市
 セミ、カメムシなどの仲間で、ハゴロモという虫がいます。いずれも、小さい虫ですが、草や木にとまって、針の口をもち、草の汁を吸います。緑色のはねのアオバハゴロモ、あみがさもようのアミガサハゴロモ、透明なはねのスケバハゴロモを見つけました。

 

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カメムシ

オオキンカメムシ
コオイムシ
オオキンカメムシ コオイムシ
撮影日: オオキンカメムシ
コオイムシ
2010年8月1日
2010年7月16日
 撮影場所: 東京都千代田区北の丸公園
千葉県
 このカメムシも南国系のカメムシで、東京近郊ではめずらしいカメムシです。都心の北の丸公園で見つけました。
 水中生活するコオイムシもカメムシの仲間です。メスがオスの背中に卵を産みつけることで有名ですが、この頃ではめったに見られない虫になってしまいました。

 

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チョウたち

ナガサキアゲハ
ナガサキアゲハ
撮影日: 成虫めす

幼虫
終令幼虫
2010年7月15日
2010年7月22日
2010年7月22日
2010年8月19日
 撮影場所: 東京都千代田区北の丸公園
 今夏も南国のチョウ、ナガサキアゲハは東京近郊でもよく見られました。メスを採集し、産卵をさせました。その幼虫も終令幼虫になりました。

 

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アオスジアゲハ
アオスジアゲハ
撮影日: 2010年7月25日  撮影場所: 東京都千代田区北の丸公園
 真夏の暑くなった道に水をまいたところ、アオスジアゲハが飛来してさかんに吸水をはじめました。すぐにまた、ほかの1頭のアオスジアゲハが飛んできて、並んで水を吸っていました。よく見ると、おしりからときどき水を出しているようでした。こうして体温があがるのを防いでいるのです。

 

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ジャコウアゲハ
ジャコウアゲハ
撮影日: 2010年8月9日  撮影場所: 埼玉県新座市
 ジャコウアゲハの幼虫は、ウマノスズクサの葉を食べます。川原の土手のウマノスズクサで幼虫を発見し、飼育しました。メスのジャコウアゲハが羽化しました。

 

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ミドリシジミ
コミスジ
ミドリシジミ コミスジ
撮影日: ミドリシジミ
コミスジ
2010年7月22日
2010年7月25日
 撮影場所: 埼玉県さいたま市秋ヶ瀬公園
東京都千代田区北の丸公園
 ハンノキ林のミドリシジミは、5月末から6月にかけて次々に羽化し、その姿を見ることができますが、7月下旬から8月にかけてもまだ下草にとまっているミドリシジミが見られました。
 コミスジは里山に多いチョウですが、最近は都心でも見られるようになりました。

 

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ゴマダラチョウ
アカボシゴマダラ
ゴマダラチョウ アカボシゴマダラ
撮影日: ゴマダラチョウ
アカボシゴマダラ幼虫
アカボシゴマダラ
2010年7月22日
2010年7月9日
2010年7月22日
 撮影場所: 埼玉県さいたま市秋ヶ瀬公園
 夏の雑木林では、林縁でゴマダラチョウを見つけ、撮影しました。その後、次々と現れたのは、なんと中国からの移入種アカボシゴマダラでした。
 東京近郊では、アカボシゴマダラの方が多くなっているようで、在来種のゴマダラチョウの消長が心配です。エノキの葉では、アカボシゴマダラの幼虫が見つかりました。

 

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スジグロシロチョウ
ウラギンシジミ
スジグロシロチョウ ウラギンシジミ
撮影日: 2010年7月22日  撮影場所: 埼玉県さいたま市秋ヶ瀬公園
 森の中の半日かげの草地でスジグロシロチョウのオス、メスが見られました。オスはメスを求めて近寄りますが、メスは尾部をあげていました。これは交尾拒否の姿勢です。オスはあきらめて飛び去りました。
 少し湿った土のうえで、はねの裏面が銀色のウラギンシジミがしきりに水分を吸収していました。

 

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スズメガ

シモフリスズメ
ベニスズメ
シモフリスズメ ベニスズメ
撮影日: シモフリスズメ
ベニスズメ幼虫
ベニスズメ蛹
ベニスズメ成虫
2010年8月8日
2010年7月12日
2010年7月16日
2010年7月26日
 撮影場所: 東京都練馬区大泉町
東京都渋谷区
東京都渋谷区
東京都渋谷区
 林の中で大きなシモフリスズメを発見しました。昼間はじっととまったまま動きません。きっと夕刻には、あかりを求めて活動することでしょう。
 ホウセンカの葉で大きなスズメガの幼虫を見つけました。やがて蛹化し、ベニスズメが羽化しました。

 

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クロメンガタスズメ
クロメンガタスズメ
撮影日: 2010年8月22日  撮影場所: 東京都練馬区大泉町
 胸部背面の模様がまさに面形(まるでドクロ面)のスズメガです。九州地方以南の南国のガでしたが、この1〜2年関東地方でも観察採集の記録があり、自然と友だち50号でも紹介しました。
 なんと今年は稲荷山図書館の昆虫観察会でクヌギの樹皮にじっと静止していたクロメンガタスズメを参加者の金子君のお父さんが発見しました。皆さんの近くでも見つかるかもしれません。

 

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甲虫

マメコガネ
コフキコガネ
マメコガネ コフキコガネ
撮影日: 2010年7月22日
2010年7月24日
 撮影場所: 埼玉県さいたま市秋ヶ瀬公園
 ヤブカラシの花上で、マメコガネが交尾をしていました。ジャパニーズ・ビートルと呼ばれ、アメリカシロヒトリとは逆に、日本から外国へ入り込んだ甲虫です。
 淡黄色のコフキコガネも見つけました。

 

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バッタ カマキリ

ヤブキリ
オオカマキリ
ハラビロカマキリ
ヤブキリ オオカマキリ ハラビロカマキリ
撮影日: ヤブキリ
オオカマキリ幼虫
オオカマキリ成虫
ハラビロカマキリ幼虫
2010年7月25日
2010年7月21日
2010年8月17日
2010年8月9日
 撮影場所: 東京都千代田区北の丸公園
 草むらを歩くと、バッタ、キリギリス、カマキリなどがはねて出てきます。ヤブキリのオスとオオカマキリを発見しました。ヤブキリは、7月には、はねがはえて成虫になっていました。オオカマキリは大きくなってはいましたが、はねは、まだはえていませんでした。同じように、ハラビロカマキリもまだはねがありませんでした。8月では、はねもはえて成虫となり、セミをつかまえて食べていました。

 

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ハチ

コアシナガバチ
ニホンミツバチ
コアシナガバチ ニホンミツバチ
撮影日: コアシナガバチ
ニホンミツバチ
2010年8月8日
2010年7月23日
 撮影場所: 東京都練馬区大泉町
埼玉県さいたま市秋ヶ瀬公園
 家の軒下には、小さなアシナガバチの巣がありました。コアシナガバチで、巣にさかんに出入りしていました。巣には幼虫や蛹が見られました。
 クヌギの木の穴の近くにニホンミツバチの集団を見つけました。穴にはニホンミツバチが出入りしていました。

 

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ベッコウバチ
オオクロモンゲッコウ
ベッコウバチ オオクロモンゲッコウ
撮影日: ベッコウバチ
オオクロモンゲッコウ
2010年7月23日
2010年8月8日
 撮影場所: 埼玉県さいたま市秋ヶ瀬公園
東京都練馬区大泉町
 公園の道の上でオレンジ色のベッコウバチを発見しました。狩人蜂はクモなどを見つけるとつかまえて産卵し、土中の穴へ運び込むのです。
 黒に白紋のあるオオモンクロベッコウも見つけました。

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