自然と友だち


No.58 「三寒四温」

 2月は春手前・・・暖かい日があったと思ったら、次の日はなんと十数度も気温が下がり、春から冬へと逆戻り。目覚め始めたカエルや虫たちもおおいに戸惑い、また、隠れ家へと逃げ込んでいます。でも、産みつけられたカエルの卵塊は、冷たい水の中でゆらゆらとゆれていました。
 早咲きのサクラ、カンザクラやカワズザクラの花もかなり開花していますが、寒い日は開花が進まなかったようです。下旬になって、カワズザクラは今満開です。
 草も木も動物たちも、この寒くなったり、温かくなったりしている一日一日を戸惑いながらも、春の準備を少しずつ少しずつ進めているようです。
 東京では2月上・中旬は1月より寒く、雪の日も多かったですが、下旬に入って気温も上がり、都心の池でもアズマヒキガエルの姿や卵塊が見られました。

撮影・解説:松田邦雄

松田邦雄先生に質問やメッセージをどうぞ。
http://www3.jsf.or.jp/mlmaster/



 

2月のあわ雪 早咲きの種類のサクラ 木の花・実
2月のあわ雪 カンザクラ カワズザクラ マンサク ビワの実
2月のあわ雪 カンザクラ カワズザクラ マンサク ビワの実
野草たち キノコ 虫たち
カラスノエンドウ ホトケノザ ナズナ タネツケバナ フキノトウ ツチクリ クロテンフユシャク ♂♀ ヒロバフユエダシャク フサヤガ
カラスノエンドウ
ホトケノザ
ナズナ
タネツケバナ
フキノトウ
ツチクリ クロテンフユシャク
♂♀
ヒロバフユエダシャク
フサヤガ
カエル 野鳥たち
土の穴の中で冬眠中 交接 卵塊 モズのはやにえ カワウ コガモ アオサギ ダイサギ
土の穴の中で冬眠中
交接
卵塊
モズのはやにえ カワウ コガモ アオサギ
ダイサギ

 




 





2月のあわ雪

2月のあわ雪
2月のあわ雪
撮影日: 2010年2月18日  撮影場所:埼玉県朝霞市
 東京近郊では、今冬は2月によく雪が降りました。木や石の上にふわっと降ったあわ雪はとてもきれいで、このまましばらくとけないで・・・と思いました。でも、あわ雪はその日のうちにすっかりとけて消えてしまいました。

 

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早咲きの種類のサクラ

カンザクラ
カンザクラ
撮影日: 2010年2月3日  撮影場所:東京都千代田区北の丸公園
 1月末には咲きはじめたカンザクラは、もう満開を過ぎて散りはじめています。
 花にはメジロやヒヨドリがよく訪れています。大きなヒヨドリがやってくると、小さなメジロはさっと飛び去ります。ヒヨドリが他へ飛び去ると、メジロはまたサクラの花へ戻ってきます。しばらく観察していると、いろいろなおもしろい発見があります。

 

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カワズザクラ
カワズザクラ
撮影日: 2010年2月23日  撮影場所:東京都千代田区北の丸公園
 カンザクラに続いて2月上旬から咲き始めたカワズザクラもいよいよ満開。見ごろになりました。カンザクラの花と比べてみると、花の色や花柄の長さなどのちがいに気づきます。ぜひ比べて観察してみましょう。
 ヒヨドリ、メジロ、シジュウガラなどが次々に訪れていました。また、ミツバチも花の蜜あつめで元気よく活動をはじめました。

 

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木の花・実

マンサク
マンサク
撮影日: 2010年2月23日  撮影場所:東京都千代田区北の丸公園
 木の黄色い花が目立つようになってきました。マンサクです。まるで糸のような花びらが日を浴びてキラキラ光っていました。春になるとまず咲くということから、この名があるようです。開いてないのは葉になる芽です。

 

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ビワの実
ビワの実
撮影日: 2010年2月23日  撮影場所:東京都渋谷区
 おいしいそうなオレンジ色をしたビワの実は、みなさんご存知でしょう。食べ頃は初夏の頃ですね。あまり目立たない白い花は11〜12月頃に咲き、花のあとに小さな緑色の実がつきます。
 2月の下旬、もう梅の実ほどの小さな実が見られました。春の訪れとともに、この実はどんどん大きくなっていくことでしょう。

 

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野草たち

カラスノエンドウ ホトケノザ ナズナ
カラスノエンドウ ホトケノザ ナズナ
撮影日: 2010年2月23日  撮影場所:東京都千代田区北の丸公園
 野辺の草原では、野草たちが少しずつ背をもたげ、伸びてきていました。
 豆の仲間のカラスノエンドウや、シソの仲間のホトケノザの小さな花が咲き始めています。
 ペンペングサとも呼ばれるナズナの白い花や、三角の実なども見られるようになりました。

 

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タネツケバナ フキノトウ
タネツケバナ フキノトウ
撮影日: 2010年2月20日  撮影場所:東京都渋谷区
 タネツケバナの白い花も、ちょっとしめった土のところなどでよく見られるようになりました。アブラナのような実もたくさんついています。
 フキノトウもどんどん土をもたげて現れてきています。

 

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ツチグリ
ツチグリ
撮影日: 2010年2月13日  撮影場所:東京都大田区東京港野鳥公園
撮影:松井佑里香
 林のヘリの上でおもしろいものを発見しました。星のような形の茶褐色のキノコです。これはツチグリというキノコです。中央の球状の袋の中には何が入っていると思いますか?
 このキノコは、雨などが降ってしめり気の多い日に袋の中の胞子が外へとび出すようです。袋に当たる雨つぶのしげきで、胞子がぱっと煙のように出るのです。自然観察会に参加した小学生の松井さんが指で袋をつついて実験し、胞子が出るところをカメラにおさめました。

 

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虫たち

クロテンフユシャク ♂♀
クロテンフユシャク ♂♀
撮影日: 2010年2月19日  撮影場所: 東京都千代田区北の丸公園
 寒い冬の限定種・フユシャクも見られました。めすははねがなく、まるでクモのような感じです。そのかわり足が長く発達していて、高いところまで登ります。冬のあいだのメールマガジンでもたびたび登場しましたが、2月下旬現在でも見られました。

 

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ヒロバフユエダシャク フサヤガ
ヒロバフユエダシャク フサヤガ
撮影日: ヒロバフユエダシャク
フサヤガ
2010年1月29日
2010年2月4日
 撮影場所: 神奈川県川崎市向ヶ丘遊園
東京都千代田区北の丸公園
 一番早く出現するモンキチョウやモンシロチョウの姿はまだ見られませんが、フユシャクの仲間のヒロバフユシャクが壁にじっと張りついていました。また、壁の天井にフサヤガという、尾端が反りあがっている、ちょっとおもしろい形をした蛾を発見しました。

 

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カエル

土の穴の中で冬眠中 交接 卵塊
土の穴の中で冬眠中 交接 卵塊
撮影日: 土の穴の中で冬眠中
交接 卵塊
2010年2月9日
2010年2月23日
 撮影場所: 東京都渋谷区
東京都千代田区北の丸公園
 また寒くなったので、土の穴の中へもぐりこんでじっとしているアズマヒキガエルを見つけました。
 三寒四温をくりかえすうちに、2月下旬には暖かくなり気温も15℃近くになりました。都心の池でもアズマヒキガエルが出てきて交接し、まるでヘビのように長い管の卵塊がたくさん見られました。中の黒い点のようなものがおたまじゃくしに変化していきます。

 

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野鳥

モズのはやにえ
モズのはやにえ
撮影日: モズ
モズのはやにえ
2010年1月30日
2010年2月11日
 撮影場所: 埼玉県朝霞市黒目川
東京都大田区東京港野鳥公園
 枯れ草の先にムカデらしきものを発見。これは、モズのはやにえといいます。モズは虫をとらえ、このように木や草につきさす習性があります。あとでまたこのえさを取りにくるのでしょうか?

 

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カワウ
カワウ
撮影日:
2010年1月29日
2010年2月11日
 撮影場所: 東京都大田区東京港野鳥公園
 カワウは水の上を泳いだり、もぐったりして川の中のえさを探していました。時折、水中に立ったくいの上などで、はねをひろげ乾かしている様子も見られました。

 

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コガモ
コガモ
撮影日: 2010年2月11日  撮影場所: 東京都大田区東京港野鳥公園
 他のカモたちより少し小型の美しいカモを発見しました。コガモです。コガモも北国から飛来した冬ガモの仲間です。

 

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アオサギ ダイサギ
アオサギ ダイサギ
撮影日: 2010年2月11日  撮影場所:東京都大田区東京港野鳥公園
 東京港野鳥公園の池畔でアオサギが数羽集まってじっと立っていました。また池の枯れ草の中でまっ白いダイサギの姿も見られました。

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