自然と友だち


No.54 「歳の暮れ・・・自然の姿」

 本格的な冬の訪れ、歳の暮れは虫たちもみんな冬ごもりに入り、さみしいものです。でも、日だまりで白いチョウを発見、キャベツ畑では葉の上にまるまるとしたアオムシや、その近くで蛹も発見しました。草むらではまだ生き残っていたオオカマキリやその卵のうも発見。
 虫たちは冬ごもりですが、野鳥たちは冬でも元気に飛び交っています。木の実を求めて次々と野鳥がやってきました。冬の宝さがしは楽しいものです。
 冬は、花などは・・・と思っても、フユザクラの花やツバキの花、真っ赤なモミジの色どりが青空に映え、美しいものです。
 今年もいよいよ最後の「自然と友だち」!もちろん、来年も続きます。乞うご期待!

撮影・解説:松田邦雄

松田邦雄先生に質問やメッセージをどうぞ。
http://www3.jsf.or.jp/mlmaster/



 

モミジ・フユザクラの花 冬の木の花・実 地面にはいつく草
モミジ フユザクラ ビワ ナツミカン ロウバイ プラタナス(スズカケの木) シモ タンポポ ハルジオン
モミジ
フユザクラ
ビワ
ナツミカン
ロウバイ プラタナス
(スズカケの木)
タンポポ
ハルジオン
シモ
地面にはいつく草 師走の日だまりで発見した虫 キャベツ畑で発見した虫
リュウのヒゲ 枯れススキ 吸蜜するスジグロシロチョウ♀ 日光浴のウラギンシジミ♂ ツマグロオオヨコバイ アオムシ(モンシロチョウの幼虫)蛹 アオムシコマユバチのまゆとアオムシ
リュウノヒゲ 枯れススキ スジグロシロチョウ♀
ウラギンシジミ♂
ツマグロオオヨコバイ アオムシ(モンシロチョウの幼虫)

アオムシコマユバチのまゆとアオムシ
オオカマキリ 木の幹でガを発見 土中で眠る虫 スズメバチの巣 柿の木の実に集まる野鳥たち
オオカマキリ 卵のう キノカワガ シロオビフユシャク カブトムシ幼虫 アオスジアゲハ蛹 スズメバチの巣 メジロ ヒヨドリ ワカケホンセイインコ
オオカマキリ
卵のう
シロオビフユシャク
キノカワガ
カブトムシ幼虫
アオスジアゲハ蛹
スズメバチの巣 メジロ
ヒヨドリ
ワカケホンセイインコ
冬の野鳥
ツグミ シロハラ シジュウガラ シメ モズ
ツグミ
シロハラ
シジュウガラ
シメ
モズ

 




 





青空をバックに映えるモミジ・フユザクラの花

モミジ フユザクラ
モミジ フユザクラ
撮影日: 2009年12月1日  撮影場所:東京都千代田区北の丸公園
 東京の紅葉は、温暖化のせいでしょうか、近年だんだん遅くなり、まさに12月が盛りです。このころ、フユザクラの花も見ごろです。ほかにもどんな紅葉や冬の花が見られるか探してみましょう。

 

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冬の木の花・実

ビワ ナツミカン
ビワ ナツミカン
撮影日: 2009年12月14日  撮影場所: 東京都渋谷区
 ビワの木は緑の葉を落とさず、そして小さな白い花をこの時期に咲かせています。さて、花のあとには実ができるはずですが、あのビワの実はいつごろできるのでしょう。近くにビワの木があったら観察してみましょう。
 ナツミカンは、この時期立派になっています。収穫は来年の夏なのかな。

 

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ロウバイ
ロウバイ
撮影日: 2009年12月21日  撮影場所:埼玉県朝霞市
 おそらく1月には開花のはじまるロウバイは、今どうなっているでしょう。よく見ると、つぼみがだいぶ大きく膨らんできていました。昨年咲いた花のあとにできた実(種)も、木の枝についていました。

 

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プラタナス(スズカケの木)
プラタナス(スズカケの木)
撮影日: 2009年12月14日  撮影場所: 東京都渋谷区
 プラタナスの木を知っていますか。初冬では木の葉も散り、枝の先にまるで鈴をかけたようになる木の実が浮き出てよく見られます。まさに木に鈴をかけたように見えるのでこの名があります。

 

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地面にはいつく草

タンポポ ハルジオン シモ
タンポポ ハルジオン シモ
撮影日: タンポポ
ハルジオン
シモ
2009年12月14日
2009年12月14日
2009年12月18日
 撮影場所: 東京都渋谷区
東京都渋谷区
埼玉県さいたま市秋ヶ瀬公園
 春によく見られるタンポポやハルジオンなどの草花は、今はどうなっているのでしょう。地面にぴたっとはりつくように葉をのばしていました。太陽の光をいっぱい受けられ、風などもよけられるように、このような形で冬越ししています。これをロゼット葉(ロゼッタ)とよびます。
 12月も中旬には霜が降り、草の葉が白く光っていました。

 

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リュウノヒゲ
リュウノヒゲ
撮影日: 2009年12月14日  撮影場所: 東京都渋谷区
 リュウノヒゲという細い葉の植物の葉を少しめくりあげると、その下に美しい青い実を発見しました。まるで宝物のようです。

 

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枯れススキ
枯れススキ
撮影日: 2009年12月14日  撮影場所: 東京都渋谷区
 秋のころ、お月見に供えられたススキの銀の穂は、今では葉も穂も枯れて白い枯れススキとなってしまいました。でもまた来年、同じところから伸びてきます。上は枯れても根は生きていて、春とともに新しい葉がでてくるのです。

 

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師走の日だまりで発見した虫

スジグロシロチョウ♀ ウラギンシジミ♂
スジグロシロチョウ♀ ウラギンシジミ♂
撮影日: 2009年12月4日  撮影場所: 埼玉県朝霞市
 日だまりのムラサキカタバミの花では、吸蜜中のスジグロシロチョウ(メス)を発見。ふつうは蛹越冬するのですが、師走に入ってからでも羽化するチョウもいたのです。日光浴中のウラギンシジミは、成虫で越冬する種類です。

 

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ツマグロオオヨコバイ
ツマグロオオヨコバイ
撮影日: 2009年12月2日  撮影場所:埼玉県朝霞市
 日だまりの石べいにぴったりととまり、動かないこの黄色い虫は、ツマグロオオヨコバイです。よく子どもたちからはバナナ虫などとよばれ、親しまれています。このままどこかにかくれて成虫の姿で越冬します。

 

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キャベツ畑で発見した虫

アオムシ(モンシロチョウの幼虫)蛹 アオムシコマユバチのまゆとあおむし
アオムシ(モンシロチョウの幼虫)蛹 アオムシコマユバチのまゆとあおむし
撮影日: 2009年12月4日  撮影場所:埼玉県朝霞市
 師走に入ってモンシロチョウは、ふつうほとんど蛹の姿で越冬していますが、中にはまだ幼虫の姿で葉上にいるアオムシを見つけました。寒くなると、成長がゆっくりとなり、小さな幼虫の場合は、葉のあいだで幼虫の姿のまま越冬する場合もあるそうです。
 黄色のアオムシコマユバチのまゆと寄生されたアオムシも発見しました。アオムシは死んでしまい、この黄色いまゆからは春になると小さな蜂が羽化します。

 

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オオカマキリ

オオカマキリ 卵のう
オオカマキリ 卵のう
撮影日: 2009年12月6日  撮影場所: 埼玉県さいたま市秋ヶ瀬公園
 師走の野で草むらからなんと大きなオオカマキリを発見。つついてみると、まだ生きていました。ゆっくりとした動作で動きはじめました。お腹はとても大きく、これから産卵するかもしれません。近くには卵のうも見つかりました。

 

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木の幹でガを発見

シロオビフユシャク キノカワガ
シロオビフユシャク キノカワガ
撮影日: シロオビフユシャク
キノカワガ
2009年12月18日
2009年12月14日
 撮影場所: 埼玉県朝霞市
埼玉県さいたま市秋ヶ瀬公園
 木の幹にじっととまっているガは、キノカワガです。まるで木の皮のようにはりついています。成虫の姿で越冬します。
 クヌギの木の幹にぴったりとはりついている白いガを発見。これはシロオビフユシャクという冬限定の寒さに強いガです。

 

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土中で眠る虫

カブトムシ幼虫 アオスジアゲハ蛹
カブトムシ幼虫 アオスジアゲハ蛹
撮影日: キノカワガ
アオスジアゲハ蛹
2009年12月14日
2009年12月21日
 撮影場所: 東京都渋谷区
東京都千代田区北の丸公園
 土の中では、まるくなって眠っているカブトムシの幼虫がいました。ほとんど動かず、じっとしています。土の中でじっと春が来るのを待っているようです。
 冬枯れの公園の木の枝にひらひらと緑色のものがぶらさがっていました。何だろうと近寄ってみるとアオスジアゲハの蛹でした。10mあまり離れたところにクスの木がありました。幼虫はきっとこの木からはって、10mも離れた小木の枝で蛹になったのでしょう。風のいたずらか、糸がはがれて宙ぶらりんになっていました。来年春までねむっています。

 

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スズメバチの巣

スズメバチの巣
スズメバチの巣
撮影日: 2009年12月21日  撮影場所: 東京都渋谷区
 すっかり葉を落としたハクウンボクの10mくらいの高さの木の枝で、まるでバレーボールのような丸いものが目に入りました。双眼鏡でのぞいてみると、まさにスズメバチ(コガタスズメバチか)の巣でした。もう蜂たちは全く見られません。働き蜂や雄蜂はみんな死んで、女王蜂だけが、どこか木のうろなどの中でじっと越冬していることでしょう。

 

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柿の木の実に集まる野鳥たち

メジロ ヒヨドリ ワカケホンセイインコ
メジロ ヒヨドリ ワカケホンセイインコ
撮影日: 2009年12月14日  撮影場所: 東京都渋谷区
 柿の木の実にいろいろな野鳥がやってきていました。よく見ると、大きな野鳥はヒヨドリのほか、野生化したワカセホウセイインコでした。さかんに柿の実をつついて食べ、人が来るとぱっと飛び去りました。すると小さなメジロがやってきて、さかんに柿の実をつつきはじめました。

 

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冬の野鳥たち

ツグミ シロハラ
ツグミ シロハラ
撮影日: 2009年12月18日  撮影場所: 埼玉県さいたま市秋ヶ瀬公園
 クイックイッというツグミの声、今冬もいよいよ出会うことができました。冬の渡り鳥として北国から飛来してきたのです。またキョッキョッキョッと池畔の木のあいだで、その名のように白い腹をしたシロハラにも出会えました。

 

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シジュウガラ モズ シメ
シジュウガラ モズ シメ
撮影日: シジュウガラ
モズ
シメ
2009年12月18日
2009年12月18日
2009年12月21日
 撮影場所: 埼玉県さいたま市秋ヶ瀬公園
埼玉県さいたま市秋ヶ瀬公園
東京都千代田区北の丸公園
 シジュウガラは一年中よく見られる美しい野鳥です。高いハンの木の実をついばんでいました。
 さっと目の前の木にとまったのはモズです。寒くなると低地に渡ってきてよく見られるようになります。池のへりで、さかんにえさをつついていたのはシメです。尾をふりながら木の上からえさをねらっているようでした。この鳥も冬になって姿を現してくれました。

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