自然と友だち


No.32 「冬を生きぬく生きものたち」

 しも柱がたち、池にも氷が張り、つららも見られる厳しい冬本番。生きものたちは寒さや乾燥に耐え、いろいろな環境の中でじっと冬を過ごしています。
 水の中、土の中、かれ葉の中、木の幹、葉裏・・・さまざまな場所で、いろいろな虫たちを見つけ出しました。冬の虫さがしはとても楽しいものです。ぜひ冬の野に出て、いろいろな虫たちの冬を耐えぬく姿をさがしてみましょう。

撮影・解説:松田邦雄

 






つらら しも柱 池の氷
つらら
池の氷
しも柱

ウメの花 リュウノヒゲ
ウメの花
リュウノヒゲの実
水の中
トウホクサンショウウオ おたまじゃくし
トウホクサンショウウオ
おたまじゃくし

マツモムシ コオイムシ ヤゴ
マツモムシ
コオイムシ
ヤゴ
土の中
オオクビボソゴミムシ スズメガ蛹
オオクビボソゴミムシ
スズメガ蛹
木の皮の下
ヤニサシガメ ベニヒラタムシ
ヤニサシガメ
ベニヒラタムシ
板の裏・葉裏
オオトビサシガメ ツマグロオオヨコバイ
オオトビサシガメ
ツマグロオオヨコバイ
木の幹
ヨコヅナサシガメ ヒメカマキリの卵嚢 ヨツモンカメムシ キノカワガ
ヨコヅナサシガメ
ヒメカマキリの卵嚢
ヨツモンカメムシ
キノカワガ
木の根元の葉裏
オオムラサキ・ゴマダラチョウ幼虫 トホシカメムシ エサキモンキツノカメムシ
オオムラサキ・ゴマダラチョウ幼虫
トホシカメムシ
エサキモンキツノカメムシ
キジョランの葉裏
アサギマダラ幼虫
アサギマダラ幼虫
冬限定の虫
ウスバフユシャク シモフリトゲエダシャク イチモンジフユナミシャク
ウスバフユシャク
シモフリトゲエダシャク
イチモンジフユナミシャク(めす)
まゆ
ヤママユ クスサン ウスタビガ イラガ
ヤママユ
クスサン
ウスタビガ
イラガ
木の葉裏・板塀
ウラギンシジミ スジグロシロチョウ蛹
ウラギンシジミ
スジグロシロチョウ蛹





つらら 池の氷 しも柱
つらら 池の氷 しも柱

撮影日:つらら 2009年1月7日
池の氷 2009年1月16日
しも柱 2009年1月13日
  撮影場所: 福島県浪江町
埼玉県秋ヶ瀬公園
東京都千代田区北の丸公園
しも柱撮影:すずきまどか
 地中の水分がこおり、土をもちあげて、見事な氷のしも柱が見られました。池には5mmほどの氷が一面に張り、朝日をあびて光っていました。福島県へ出かけた折には、水車小屋のそばでりっぱなつららを見ることができました。

 

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ウメの花 リュウノヒゲの実
ウメの花 リュウノヒゲ

撮影日:  2009年1月13日  撮影場所:東京都渋谷区
 ウメの花が早くも咲き始めました。あたりに梅の香がほのかにただよっています。
リュウノヒゲの青い実も見事で、子どもたちはまるで宝物を見つけたように喜びました。

 

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水の中
トウホクサンショウウオ おたまじゃくし
トウホクサンショウウオ おたまじゃくし

撮影日: 2009年1月7日  撮影場所:福島県浪江町
 小川の中は、ちょっと見ると何もいないようでしたが、あみですくってみると、なんとサンショウウオやおたまじゃくしが泥の中にもぐっていました。東北地方のトウホクサンショウウオとツチガエルのおたまじゃくしでした。池にいたイモリは陸上にあがって、どこかへもぐっているようでしたが、発見できませんでした。

 

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マツモムシ コオイムシ ヤゴ
マツモムシ コオイムシ ヤゴ

撮影日: 2009年1月8日   撮影場所:福島県浪江町
 小川の水底の泥の中ではマツモムシ、コオイムシ、ヤゴなども見つかりました。マツモムシは水の中で泳ぎはじめました。寒中はいずれも泥の中へもぐって越冬しているようです。

 

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土の中
オオクビボソゴミムシ スズメガ蛹
オオクビボソゴミムシ スズメガ蛹

撮影日: 2009年1月7日   撮影場所:福島県浪江町
 がけの土を掘ってみると、ゴミムシやムカデなどが出てきました。また土の中から大きなスズメガの蛹も出てきました。

 

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木の皮の下
ヤニサシガメ ベニヒラタムシ
ヤニサシガメ ベニヒラタムシ

撮影日:ヤニサシガメ 2009年1月8日
集団越冬するヤニサシガメ 2009年1月19日
ベニヒラタムシ 2009年1月7日
  撮影場所:福島県浪江町
東京都千代田区北の丸公園
福島県浪江町
 松の木の皮の下では、ヤニサシガメや紅色鮮やかなベニヒラタムシなどが見つかりました。
 ヤニサシガメは体を寄せ合って集団をつくっていました。

 

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板の裏・葉裏
オオトビサシガメ ツマグロオオヨコバイ
オオトビサシガメ ツマグロオオヨコバイ

撮影日:オオトビサシガメ 2009年1月7日
ツマグロオオヨコバイ 2009年1月8日
  撮影場所:福島県浪江町
 木の板の裏では、オオトビサシガメを発見しました。また木の葉裏にはツマグロオオヨコバイが静かにとまっていました。

 

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木の幹
ヨコヅナサシガメ ヒメカマキリの卵嚢
 ヨツモンカメムシ キノカワガ
ヨコヅナサシガメ ヒメカマキリの卵嚢 ヨツモンカメムシ キノカワガ

撮影日: ヨコヅナサシガメ 2009年1月15日
ヒメカマキリの卵嚢 2009年1月15日
ヨツモンカメムシ 2009年1月18日
キノカワガ 2009年1月15日
  撮影場所:東京都八王子市高尾町
 木の幹ではヨコヅナサシガメが集団になっていました。またヒメカマキリの卵嚢もついていました。
 ヨツモンカメムシは珍しいカメムシですが、冬にはメタセコイアなどの木のくぼみなどに集団でかくれているようです。
 また木の皮そっくりのキノカワガも幹にとまっていました。ちょっと見ても木と見分けがつかないほどです。

 

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木の根元の葉裏
オオムラサキ幼虫 ゴマダラチョウ幼虫
トホシカメムシ エサキモンキツノカメムシ
オオムラサキ・ゴマダラチョウ幼虫 トホシカメムシ エサキモンキツノカメムシ

撮影日: オオムラサキ幼虫
ゴマダラチョウ幼虫
トホシカメムシ
エサキモンキツノカメムシ
 2009年1月15日
 2009年1月15日
 2009年1月18日
 2009年1月19日
  撮影場所:東京都八王子市高尾町
東京都八王子市高尾町
東京都八王子市高尾町
東京都千代田区北の丸公園
 大きなエノキの根元には、国蝶オオムラサキの幼虫、ゴマダラチョウの幼虫、大きなトホシカメムシ、ハートマークのエサキモンキツノカメムシなどを発見しました。いずれも枯葉にぴったりくっついて春まで眠りつづけます。

 

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キジョランの葉裏
アサギマダラ幼虫
アサギマダラ幼虫

撮影日:  2009年1月15日  撮影場所: 東京都八王子市高尾町
 キジョランの葉裏で、アサギマダラの小さな幼虫を発見しました。丸い食こんのあるところをさがすと、葉裏にかくれていました。卵も1つ見つかりました。アサギマダラの成虫は、旅をする蝶としても有名です。

 

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冬限定の虫
ウスバフユシャク シモフリトゲエダシャク
イチモンジフユナミシャク(めす)

ウスバフユシャク シモフリトゲエダシャク イチモンジフユナミシャク

撮影日:  2009年1月18日   撮影場所: 東京都八王子市高尾町
 冬限定・・・冬にだけ出現するフユシャクの仲間も発見しました。普通の虫は15℃以下ではほとんど動かなくなりますが、フユシャクは寒さに強く、2〜3℃でも飛びます。
 めすははねがないか、あってもすごく小さく、そのかわり足が長く発達しています。フェロモンを出しておすをよびます。

 

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まゆ
ヤママユ クスサン ウスタビガ イラガ

撮影日: ヤママユ 2009年1月8日
クスサン 2009年1月8日
ウスタビガ 2009年1月7日
イラガ 2009年1月15日
  撮影場所:福島県浪江町
福島県浪江町
福島県浪江町
東京都八王子市高尾町
 いろいろな蛾のまゆが見つかりました。
 ヤママユガの仲間のヤママユ、クスサン、ウスタビガのまゆは、いずれも中はからです。夏〜秋にかけて成虫は羽化し、卵を産みます。冬は卵で越すのです。
 イラガのまゆには蛹が入っています。

 

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木の葉裏・板塀
ウラギンシジミ スジグロシロチョウ蛹
ウラギンシジミ スジグロシロチョウ蛹

撮影日: ウラギンシジミ 2009年1月19日
スジグロシロチョウ蛹 2009年1月15日
  撮影場所: 東京都千代田区北の丸公園
東京都八王子市高尾町
 ツバキの木の葉裏には、ウラギンシジミがじっととまって冬を越していました。11月頃から、葉裏にしっかりとつめをたててとまり、3月頃まで眠りつづけます。そのあいだに乾燥や風雨に耐えられず、落下して死んでしまうものも多いのです。
 スジグロシロチョウはモンシロチョウによく似た白い蝶です。蛹の姿でじっと春を待っています。

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