自然と友だち


No.30 「初冬の頃の生きものたち」

 師走に入り、東京辺りでは、寒い日は5〜10℃、時には小春日和の暖かい日で10〜15℃くらいの日が、何日かずつ続きます。虫たちの活動は15℃以下ではぐっと少なくなり、虫たちの姿も見当たりません。
 でもよく探すと、日だまりや川の土手などで、カマキリ、チョウやイナゴ、テントウムシ、カメムシなどが見つかりました。いよいよ本格的に冬越し状態に入ったゴマダラチョウの幼虫や、ヨコヅナサシガメの集団なども発見しました。

撮影・解説:松田邦雄



 


ムギ畑
ムギ畑

ヤツデ ヒイラギ
ヤツデ
ヒイラギ

モンキチョウ ヒメアカタテハ ベニシジミ
モンキチョウ
ヒメアカタテハ
ベニシジミ

テントウムシ
テントウムシ

ハラビロカマキリ・オオカマキリ
ハラビロカマキリ
オオカマキリ

ヨコヅナサシガメ クサギカメムシ
ヨコヅナサシガメ
クサギカメムシ

ゴマダラチョウ幼虫・冬越し
ゴマダラチョウ幼虫
冬越し

キセルガイ
キセルガイ

イナゴ
イナゴ

カマドウマ
カマドウマ

モンシロチョウ蛹
モンシロチョウ蛹

 





ムギ畑
ムギ畑

撮影日: 2008年12月7日  撮影場所:埼玉県朝霞市
 畑一面に、小さな草がそろってのびています。でも雑草ではありません。これはコムギです。冬の間はあまり育ちませんが、春の訪れとともに背丈ものび、やがて穂も出て、初夏に収穫されます。

 

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ヤツデ ヒイラギ
ヤツデ ヒイラギ

撮影日:  2008年12月8日  撮影場所:埼玉県朝霞市
 冬に咲く花にもいろいろありますが、ヤツデ、ヒイラギの花を見つけました。少し暖かい日には、ヤツデにハナアブやハエがやってきます。
 ヒイラギは白い小さな花ですが、近づいて香りをかいでみましょう。とてもいい香りがしますよ。

 

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まだ生き残っていたチョウ
モンキチョウ ヒメアカタテハ ベニシジミ
モンキチョウ ヒメアカタテハ ベニシジミ

撮影日: 2008年12月3日  撮影場所:埼玉県朝霞市
 日だまりの川の土手で、3種類のチョウに出会いました。いずれも花や草にとまって日光浴をしていました。気温がさらに下がって5℃くらいになると全く活動できなくなり、やがて死んでしまいます。でも、幼虫は生きて冬を越すのです。

 

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テントウムシ
テントウムシ

撮影日:上 2008年12月3日
下 2008年12月19日
  撮影場所:埼玉県朝霞市
埼玉県秋ヶ瀬公園
 小春日和の日に、なんとテントウムシがたくさん飛んできて木の幹やトイレのかべなどに集まってきました。気温は15℃くらいでした。このテントウムシたちは、やがて木の幹の穴やトイレの屋根裏、草むらのかれ葉などにもぐって成虫の姿で冬を越すのです。

 

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ハラビロカマキ オオカマキリ
ハラビロカマキリ オオカマキリ

撮影日:  ハラビロカマキリ
 オオカマキリ・卵嚢
 2008年12月3日
 2008年12月19日
  撮影場所:埼玉県朝霞市
埼玉県秋ヶ瀬公園
 木の幹でゆっくり歩いていたハラビロカマキリとオオカマキリを見つけました。お腹は大きく、きっとこれから卵を産むのでしょう。卵を産み終わると、カマキリは力尽きてしまいます。オオカマキリの卵嚢も見つけました。卵で寒い冬を越すのです。

 

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ヨコヅナサシガメ クサギカメムシ
ヨコヅナサシガメ クサギカメムシ

撮影日:ヨコヅナサシガメ
クサギカメムシ
 2008年12月7日
 2008年12月3日
  撮影場所:埼玉県朝霞市
 寒さがきびしくなってくると、ヨコヅナサシガメの幼虫は、身体を寄せ合い、黒い集団となって冬越し態勢に入ります。じっとしたまま全く動きません。
 クサギカメムシは木の幹を歩いていました。やがてどこか越冬によい場所を見つけることでしょう。

 

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ゴマダラチョウ幼虫
冬越し
ゴマダラチョウ幼虫冬越し

撮影日:木の根元・地面の幼虫
枝上の幼虫
 2008年12月7日
 2008年12月21日
  撮影場所:埼玉県朝霞市
千葉県立中央博物館
 とうとうゴマダラチョウの幼虫も、木の下へ降りました。落葉とそっくりの色になり、エノキの根元で冬越しします。
 また、別のところで木の枝についているゴマダラチョウの幼虫も見つけました。この幼虫は地面に降りず木の枝で越冬するのでしょうか。今までもこのように樹上越冬する例も見つかっています。

 

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キセルガイ
キセルガイ

撮影日: 2008年12月7日   撮影場所:東京都渋谷区
 落葉など腐葉土の中で、小さなキセルガイを多数見つけました。こんなところに集まって、冬越しをするようです。

 

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イナゴ
イナゴ

撮影日:  2008年12月8日  撮影場所:東京都渋谷区
 草むらでぴょんとはねるバッタを発見(?)、イナゴでした。こんなに寒くなったのに、まだ生き残っていました。しかしやがて死んでしまいます。でも、卵は土中に残してあります。命は続くのです。

 

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カマドウマ
カマドウマ

撮影日: 2008年12月10日  撮影場所:埼玉県朝霞市
 なんと家の中でバッタの仲間のカマドウマを見つけました。どこかにかくれていたのでしょう。エアコンの暖かさで目をさまし、出てきたようです。
 ゴキブリなども暖かい部屋では、冬でも出てきます。

 

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モンシロチョウ 蛹
モンシロチョウ 蛹

撮影日: 2008年12月3日  撮影場所:埼玉県朝霞市
 キャベツ畑の脇のへいに褐色の蛹がついていました。これはモンシロチョウの蛹です。
 このまま越冬し、じっと春の訪れを待ちます。いつモンシロチョウになるのか・・・ こういう蛹を見つけたら、そのままにして時々観察してみましょう。

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