自然と友だち


No.19 「国蝶オオムラサキが舞う頃」

 40年ほど前に日本昆虫学会で、何種類かの候補の中から最も国蝶にふさわしい蝶としてオオムラサキが選ばれました。
 青紫色に輝く大きなはね、堂々たるその姿は、雑木林で出会うことができます。
 特に山梨県長坂付近はオオムラサキの多産地です。
 オオムラサキセンターがあり、ビバリュームの中では、幼虫、蛹、成虫がじっくりと観察できます。

撮影・解説:松田邦雄



『自然と友だち』バックナンバーはこちら
『北の丸公園の自然HP』バックナンバーはこちら
『自然との出会いHP』バックナンバーはこちら



 

国蝶オオムラサキ・1
おす
おす
国蝶オオムラサキ・2
めす・おす 食事中
めすとおすが食事中
国蝶オオムラサキ・3
メスグロヒョウモン
幼虫・蛹・成虫
産卵する蝶
ツマグロヒョウモン
ツマグロヒョウモン

花で吸蜜する蝶・1メスグロヒョウモン
メスグロヒョウモン
花で吸蜜する蝶・2
カラスアゲハ
カラスアゲハ
飛翔する蛾
モモブトスカシバ
モモブトスカシバ
夏の虫・1
ヘビトンボ
ヘビトンボ
夏の虫・2
ニイニイゼミ ヒグラシ
ニイニイゼミ
ヒグラシ
夏の虫・3
コクワガタ ルリボシカミキリ
コクワガタ
ルリボシカミキリ
夏の虫・4
ウチワヤンマ ノシメトンボ
ウチワヤンマ
ノシメトンボ
夏の虫・5
チョウトンボ
チョウトンボ
スイレン
スイレン
トンボのぬけがら

 





国蝶オオムラサキ・1
おす
オオムラサキ

撮影日:2008年7月6日   撮影場所:山梨県北杜市長坂
 この青紫色の輝きを見て下さい。何といっても貫禄十分なオオムラサキ。
 しかし町中ではとてもお目にかかれないのです。樹液が十分出る雑木林、幼虫の食樹、太いエノキがあるような里山がオオムラサキの生息地です。
 冬の間の乾燥には弱く、エノキの根元の湿った葉の下で冬越しします。

▲写真を選ぶ▲

 



国蝶オオムラサキ・2
めすとおすが食事中
めす・おす 食事中

撮影日:2008年7月3日   撮影場所:山梨県北杜市長坂
オオムラサキセンター
 オオムラサキの成虫は花にはほとんど来ません。
 成虫はカブトムシの成虫などと同じように樹液がえさになっています。プーンと甘ずっぱい香りのする樹液の出ているところは、虫の酒場で、甲虫、ハチ、蝶などが集っています。
 めすはおすのように青く光りません。

▲写真を選ぶ▲

 



国蝶オオムラサキ・3
幼虫 さなぎ 羽化した成虫

幼虫 さなぎ 羽化した成虫

撮影日: 幼虫 2008年7月3日
さなぎ 2008年7月6日
羽化した成虫 2008年7月6日
  撮影場所:山梨県北杜市長坂
オオムラサキセンター
 幼虫はエノキの葉を食べて育ちます。6月末〜7月にかけて蛹(さなぎ)となります。蛹はまるで葉のようで葉裏に尾端をつけてぶら下がっています。羽化したての成虫のはねはまだふわふわでやわらかく飛ぶことができません。やがて時間とともにはねがかわくと力強く飛び立ちます。

▲写真を選ぶ▲

 



産卵する蝶
ツマグロヒョウモン
ツマグロヒョウモン

撮影日:2008年7月5日   撮影場所:東京都渋谷区
 温暖化で、この亜熱帯の蝶はもう東京あたりではとても多く見られる蝶になってしまいました。
 冬を幼虫で越し、春から成虫として出現します。そしてヒョウモンチョウの仲間はふつう年1回発生なのですが、ツマグロヒョウモンは次々と産卵し、モンシロチョウのように年に何回も繰り返し発生します。
 夏の草原でさかんに産卵しているツマグロヒョウモンのめすを見つけました。食草のスミレに産卵するのかと思っていたら、なんと、スミレ以外の草の茎などに次々と産卵していました。

▲写真を選ぶ▲

 



花で吸蜜する蝶・1
メスグロヒョウモン
メスグロヒョウモン

撮影日:2008年7月3日   撮影場所:山梨県北杜市長坂
オオムラサキセンター
 ブットレアーの花に来て吸蜜していたのはメスグロヒョウモンでした。めすとおすはまるで違う種類のように異なります。 その名のようにめすは黒と白、そしておすは動物のヒョウのような紋がめだちます。

▲写真を選ぶ▲

 



花で吸蜜する蝶・2
カラスアゲハ
カラスアゲハ

撮影日: 2008年7月13日
(撮影:加藤智之)
  撮影場所:東京都千代田区北の丸公園 
 ハナゾノツクバネウツギの花に美しいカラスアゲハが吸蜜に来ていました。クロアゲハとちがって青光りするはねです。

▲写真を選ぶ▲

 



飛翔する蛾
モモブトスカシバ
モモブトスカシバ

撮影日: 2008年7月13日
(撮影:加藤智之)
  撮影場所:東京都千代田区北の丸公園 
 蛾の仲間にもはねがすきとおっているスカシバがいます。飛んでいると、まるでハチのようです。

▲写真を選ぶ▲

 



夏の虫・1
ヘビトンボ
ヘビトンボ

撮影日:2008年7月7日   撮影場所:山梨県北杜市日野春
 山の清流に住む、ヘビトンボの幼虫は「孫太郎虫」といわれる漢方の薬として知られています。
 名前はトンボでも、いわゆるトンボの仲間ではありません。夜、燈火などにも飛んできます。

▲写真を選ぶ▲

 



夏の虫・2
ニイニイゼミ ヒグラシ
ニイニイゼミ ヒグラシ

撮影日: ニイニイゼミ
ヒグラシ
 2008年7月13日
 2008年7月7日
  撮影場所:東京都千代田区北の丸公園
山梨県北杜市長坂
 セミの声は夏の間中ひびいてきます。
 東京では7月初旬からニイニイゼミが鳴き出しました。ちょっと見ると木の皮のもようそっくりで、なかなか見つけにくいです。小型のセミでチーチーと木の高いところで鳴いています。
 ヒグラシはカナカナカナと夏の夕刻美しい声をひびかせます。杉林の多いところでよく見られます。

▲写真を選ぶ▲

 



夏の虫・3
コクワガタ ルリボシカミキリ
コクワガタ ルリボシカミキリ

撮影日:2008年7月7日
  撮影場所:山梨県北杜市長坂
 夏の虫の人気者はカブトムシ、クワガタなどの虫です。
 電柱にとまっているコクワガタを見つけました。夜、電柱のあかりに向かってとんできて、そのまま朝を迎えたようです。ひげの長い美しいルリボシカミキリも見つけました。

▲写真を選ぶ▲

 



夏の虫・4
ウチワヤンマ ノシメトンボ
ウチワヤンマ ノシメトンボ

撮影日: ウチワヤンマ
ノシメトンボ
 2008年7月2日
 2008年7月5日
  撮影場所:東京都千代田区北の丸公園 
 早くもウチワヤンマが姿を現しました。名前はヤンマでもこのトンボはサナエトンボの仲間です。その名のように尾端にウチワのような突起がついています。
 サナエトンボは枝の上へ水平にとまります。
 ノシメトンボは、はねの先が黒いのが目立つアカトンボの仲間です。

▲写真を選ぶ▲

 



夏の虫・5
チョウトンボ
チョウトンボ

撮影日:2008年7月7日   撮影場所:東京都千代田区北の丸公園
 その名のようにまるで蝶のように黒いはねをひらひらさせながら飛んでいるのはチョウトンボです。
 最近都心の公園でも割合よく見られるようになりました。

▲写真を選ぶ▲

 



スイレン
スイレン

撮影日:2008年7月5日   撮影場所:東京都渋谷区
 水面に白く咲いているスイレンの花は実に美しいです。そのまわりをまっ赤なショウジョウトンボやコシアキトンボが数多く見られるようになりました。
 トンボにとって水草の茎は産卵するのに格好の場所です。茎にはトンボのぬけがらも見られました。

▲写真を選ぶ▲

 






『自然と友だち』バックナンバーはこちら
『北の丸公園の自然HP』バックナンバーはこちら
『自然との出会いHP』バックナンバーはこちら




このサイトのすべての画像・記事について、無断使用・転載を禁止します。
Copyright (C)2007 Science Museum Tokyo, ALL RIGHTS RESERVED.