自然と友だち


No.16 「初夏の野で出会った生き物たち」

 25℃を越す暑い日が続いたかと思うと、15℃前後の肌寒い日もあり、天候の急変に戸まどうこの頃です。
 でも野外へ出てみると、次々と新顔の生き物たちに出会えます。トンボやオトシブミ、蝶、カエル、野鳥などとの出会いは、日々楽しいものです。
 ぜひ雨の合間にフィールドへ出てこの時期の生き物をさがしてみましょう。

撮影・解説:松田邦雄



 

トンボ・1
サラサヤンマ クロスジギンヤンマ
サラサヤンマ
クロスジギンヤンマ
トンボ・2
ミヤマカワトンボ ダビドサナエ
ミヤマカワトンボ
オオシオカラトンボ
オトシブミ・1
ヒゲナガオトシブミ
ヒゲナガオトシブミ
オトシブミ・2
カシルリオトシブミ
カシルリオトシブミ
オトシブミ・3
ヒメコブオトシブミ
ヒメコブオトシブミ
オトシブミ・4
ゆりかご
ヒメゴマダラオトシブミのゆりかご
エゴツルクビオトシブミのゆりかご
ラクダムシ オオワラジカイガラムシ
ラクダムシ
オオワラジカイガラムシ
ウスバシロチョウ イチモンジチョウ ミスジチョウ
ウスバシロチョウ
イチモンジチョウ
ミスジチョウ
ゴマダラチョウ アカボシゴマダラ
ゴマダラチョウ
アカボシゴマダラ
アオバセセリ
アオバセセリ
カエル・ヘビ
カエル ヘビ
トウキョウダルマガエル
アオダイショウ
イワツバメ アオサギ
イワツバメ
アオサギ

 





トンボ・1
サラサヤンマ クロスジギンヤンマ
サラサヤンマ クロスジギンヤンマ

撮影日:サラサヤンマ 2008年4月28日
クロスジギンヤンマ 2008年5月2日
  撮影場所:埼玉県秋ヶ瀬公園
東京都渋谷区
 トンボの姿もよく見られるようになりました。
 ヤンマの仲間で早く出現するのは、サラサヤンマ、クロスジギンヤンマです。サラサヤンマはハンノキの林の間の道で、行ったり来たりして、小さな虫をとらえていました。クロスジギンヤンマは池の上を同じコースで飛翔していました。いずれも美しいトンボでほれぼれしました。

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トンボ・2
ミヤマカワトンボ オオシオカラトンボ
ミヤマカワトンボ オオシオカラトンボ

撮影日:ミヤマカワトンボ 2008年4月28日
オオシオカラトンボ 2008年6月10日
  撮影場所:埼玉県秋ヶ瀬公園
東京都渋谷区
 山里の渓流ぞいには、体の細いカワトンボの仲間のミヤマカワトンボがみられました。
 池のまわりでは、ふつうのシオカラトンボより少し大きく色も濃いオオシオカラトンボもみられるようになりました。

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オトシブミ・1 ヒゲナガオトシブミ
 オトシブミははねのかたい甲虫の仲間です。成虫のめすは木の葉を切りさき、卵を産みつけてから葉をくるくると巻いてゆりかごを作ります。その形が昔の巻紙の手紙に似ているところからこの名がついたようです。

ヒゲナガオトシブミ

撮影日:ヒゲナガオトシブミ(上) 2008年5月26日
ヒゲナガオトシブミ(下) 2008年6月1日
  撮影場所:東京都八王子市高尾町
 おすの首はとても長く、ひげも長いオトシブミです。
 めすはアブラチャンという木の葉をまいて、ゆりかごを作成中でした。この中に卵が産みつけられています。

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オトシブミ・2 カシルリオトシブミ
カシルリオトシブミ

撮影日:カシルリオトシブミ(上) 2008年5月26日(※)
カシルリオトシブミ(下) 2008年5月26日
(※)撮影:早武真理子
  撮影場所:東京都八王子市高尾町
 一番小さなオトシブミです。イタドリという草の葉をまいていました。虫めがねでよくみると、体は紺色で頭は金色でした。

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オトシブミ・3 ヒメコブオトシブミ
ヒメコブオトシブミ

撮影日:ヒメコブオトシブミ(交尾) 2008年5月26日
かみ傷 2008年5月26日(※)
ヒメコブオトシブミ 2008年6月1日
(※)撮影:早武真理子
  撮影場所:東京都八王子市高尾町
 カラムシの葉ではヒメクロオトシブミが交尾をしていました。またカラムシの葉を巻いてゆりかごを作成中のめすの姿も発見しました。
 このゆりかごは他のオトシブミのゆりかごにくらべてとても大きいものでした。

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オトシブミ・4
ヒメゴマダラオトシブミのゆりかご
エゴツルクビオトシブミのゆりかご
ヒメゴマダラオトシブミのゆりかご・エゴツルクビオトシブミのゆりかご

撮影日:ヒメゴマダラオトシブミのゆりかご
2008年5月26日
エゴツルクビオトシブミのゆりかご
2008年6月2日
  撮影場所:東京都八王子市高尾町
 成虫は見つかりませんでしたが、エノキではヒメゴマダラオトシブミのゆりかご、エゴの木ではエゴツルクビオトシブミのゆりかごを発見しました。
 オトシブミの成虫が中から出てくるのが待ち遠しいです。

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ラクダムシ オオワラジカイガラムシ
ラクダムシ オオワラジカイガラムシ

撮影日:ラクダムシ 2008年5月4日
オオワラジカイガラムシ 2008年5月18日
  撮影場所:埼玉県新座市
東京都渋谷区
 ちょっと珍しい虫で、ラクダムシという虫を見つけました。この虫はアミメカゲロウという虫の仲間です。マツ林で見つかる虫です。
 また、オオワラジカイガラムシのおすは黒いはねがあります。めすははねがなく、よく、へいの石などにくっついています。
 日本では最大のカイガラムシで、他のカイガラムシは2令幼虫になると脚は退化してなくなり、寄生植物に固着しますが、このカイガラムシは2令以後も脚があり、歩いて移動します。

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ウスバシロチョウ イチモンジチョウ ミスジチョウ
ウスバシロチョウ イチモンジチョウ ミスジチョウ

撮影日:ウスバシロチョウ 2008年5月4日
イチモンジチョウ 2008年5月2日
ミスジチョウ 2008年5月2日
  撮影場所:東京都八王子市高尾町
 低山地に見られるウスバシロチョウは一年に一回、春〜初夏の頃にだけ見られます。シロチョウというとモンシロチョウの仲間と思われがちですが、これはアゲハチョウの仲間です。生きている化石とも言われる原始的なチョウです。
 イチモンジチョウはその名のように白いイチモンジの模様があり、ミスジチョウは横三つのすじが特徴です。イチモンジチョウは幼虫の食草スイカズラのまわりで、ミスジチョウは幼虫の食草カエデの木のまわりなどで見かけます。

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ゴマダラチョウ アカボシゴマダラ
ゴマダラチョウ アカボシゴマダラ

撮影日:ゴマダラチョウ 2008年4月29日
アカボシゴマダラ 2008年5月4日
  撮影場所:東京都八王子市高尾町
埼玉県朝霞市
 ゴマダラチョウは黒と白のまだら模様で、5月頃から見られますが、アカボシゴマダラは最近、湘南地方に人為的に侵入したと思われる中国の蝶の子孫です。春型は白化した個体が多いです。赤い紋もありません。
 奄美大島には日本独特のアカボシゴマダラが生息しています。

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アオバセセリ
アオバセセリ

撮影日:2008年5月6日  撮影場所:東京都八王子市高尾町
 山里の渓流ぞいに白いウツギの花が目立ちました。その花にアオバセセリという美しい蝶が訪れてさかんに吸蜜していました。

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カエル ヘビ
トウキョウダルマガエル アオダイショウ
カエル ヘビ

撮影日:トウキョウダルマガエル 2008年5月6日
アオダイショウ 2008年5月6日
  撮影場所:埼玉県秋ヶ瀬公園
埼玉県新座市
 小川や池はまさにカエルの天国、埼玉県秋ヶ瀬公園ではトウキョウダルマガエルやウシガエルの声がひびいていました。
そっと近づいて、ついにトウキョウダルマガエルの姿をカメラにとらえました。また川の土手で1m余のアオダイショウにも出会うことができました。

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イワツバメ アオサギ
イワツバメ アオサギ

撮影日:イワツバメ 2008年5月6日
アオサギ 2008年5月6日
  撮影場所:東京都八王子市高尾町
 東京の高尾の里では、イワツバメがしきりに飛び交い駅の建物の軒下には数多くの巣があり、そこへ次々とイワツバメが飛んで来ました。子育ての最中なのでしょう。
 渓流の河原にアオサギを見つけました。アオサギはぐっと体をのばして、見事に小魚をつかまえました。

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