自然と友だち


No.13 「いよいよ春たけなわ」

 桜の花もソメイヨシノからサトザクラ(八重)に変わり、咲く花の種類もふえ、気温も15℃〜20℃と、いよいよ虫たちもさかんに活動できる季節となりました。
 さて、みなさんも春の野や山を歩くときっといろいろな発見がありますよ。
 私の出会った虫や草木の花など写真をとおしてご覧ください。

撮影・解説:松田邦雄



 

春の女神ギフチョウ
春の女神ギフチョウ
ヒオドシチョウの日光浴
ヒオドシチョウの日光浴
白いチョウ
白いチョウ
モンシロチョウ・
スジグロシロチョウ・
ツマキチョウ
小さい蝶
小さい蝶
ヤマトシジミ・
ルリシジミ・
ベニシジミ
ゴマダラチョウ幼虫
ゴマダラチョウ幼虫
おたまじゃくし
おたまじゃくし
アメンボ
アメンボ
木の花
木の花
サトザクラ・
ハナズオウ・
ヤマブキ
野の花
野の花
シュンラン・
カタクリ・
イカリソウ
いろいろなタンポポ
いろいろなタンポポ
セイヨウタンポポ・
カントウタンポポ・
シロバナタンポポ
いろいろなスミレ
いろいろなスミレ
タチツボスミレ・
ケマルバスミレ・
エイザンスミレ
山野草の花
山野草の花
ヒトリシズカ・
ヨゴレネコノメ・
ヤマルリソウ・
ミミガタテンナンショウ

 





春の女神ギフチョウ
春の女神ギフチョウ

撮影日:2008年4月9日  撮影場所:神奈川県藤野町石砂山
 春まだ浅い3月末〜4月初めの頃、この美しい春の女神「ギフチョウ」が羽化します。幼虫はカンアオイなどの葉を食べて育ちます。カンアオイの若葉の裏にギフチョウの卵を発見しました。
 よく観察しておもしろいことを発見しました。ギフチョウは青色に反応し、そこへやってくると言われています。私はスポーツドリンクの青色のペットボトルを木の根元においてみたところ、何回もこのペットボトルへギフチョウが飛来しました。また枯葉の上におちていた青色の紙にも反応していました。
 40年程昔には、東京近郊部の高尾や多摩丘陵でも細々と生息していましたが、絶滅してしまいました。
 しかし現在、東京近郊では神奈川県藤野町の石砂山で県の特別天然記念物に指定し、地域の方々が保護に努めたお陰で、石砂山では毎春ギフチョウの舞いが見られます。

▲写真を選ぶ▲

 



ヒオドシチョウの日光浴
ヒオドシチョウの日光浴

撮影日:2008年4月9日  撮影場所:神奈川県藤野町石砂山
 ギフチョウとともに山野の日だまりに飛来したこの蝶はヒオドシチョウです。
 一年に一回、6月頃に発生し、初夏の野山で活動した後、しばらくは夏眠といって暑い夏の間も活動をやめて眠り、春早く目覚めて、初春の山里に出現します。
 何と一年近くも生きていたのです。さすがにはねにきずも多いですが、元気に春の陽をいっぱいに浴びて日なたぼっこをしていました。

▲写真を選ぶ▲

 



白いチョウ
モンシロチョウ・スジグロシロチョウ・ツマキチョウ
白いチョウ

撮影日:モンシロチョウ 2008年4月11日
スジグロシロチョウ 2008年4月12日
ツマキチョウ 2008年4月11日
  撮影場所:東京都渋谷区
埼玉県朝霞市
東京都渋谷区
 春の野の黄色いアブラナの花に白い蝶が舞う光景は人の心に春を実感させてくれます。これは大部分がモンシロチョウですが、白い蝶には白に黒いすじのあるスジグロシロチョウや、少し小型ではねの先がとがっているツマキチョウもいます。白い蝶を見つけたら、ちょっと気をつけて観察してみましょう。ツマキチョウは春だけに発生する蝶です。

▲写真を選ぶ▲

 



小さい蝶
ヤマトシジミ・ルリシジミ・ベニシジミ
小さい蝶

撮影日:ヤマトシジミ 2008年4月15日
ルリシジミ 2008年4月4日
ベニシジミ 2008年4月21日
  撮影場所:東京都千代田区北の丸公園
埼玉県さいたま市秋ヶ瀬公園
東京都千代田区北の丸公園
 春の野で小さなかわいらしい蝶をみつけることがあります。
 ごく普通にいるのはヤマトシジミですが、よく似ているルリシジミという蝶もみられます。はねの表の明るいルリ色が鮮やかです。
 また草原で紅色鮮やかなベニシジミにも出会いました。

▲写真を選ぶ▲

 



ゴマダラチョウの幼虫活動開始
ゴマダラチョウの幼虫活動開始

撮影日:褐色の幼虫 2008年4月16日
緑色の幼虫 2008年4月21日
  撮影場所:東京都千代田区北の丸公園
 ゴマダラチョウの幼虫は、メールマガジン170号・自然と友だちNo.7「真冬の自然の宝さがし」で紹介しましたように、冬の間はエノキの根元でじっと春を待っています。4月も半ばとなり、ゴマダラチョウの幼虫も目覚めて、エノキに登り、エノキの若芽を食べ木の枝にはりついて脱皮の時を待ちます。(4月16日)
 そして4月21日にはすでに脱皮して緑色鮮やかな幼虫に変身し、若葉を食べていました。
 5月の半ば頃にはいよいよゴマダラチョウになって出現するでしょう。

▲写真を選ぶ▲

 



おたまじゃくし
ヤマアカガエル・アズマヒキガエル
おたまじゃくし

撮影日:ヤマアカガエル 2008年4月9日
アズマヒキガエル 2008年4月9日
  撮影場所:東京都八王子市小下沢
 今年は1〜2月が気温が低かったせいか、アズマヒキガエルやヤマアカガエルの産卵が普通の年より遅れました。
 それでも4月の野の水たまりでは割合大きく育ったヤマアカガエルのおたまじゃくしやまだ小さなアズマヒキガエルのおたまじゃくしが見つかりました。

▲写真を選ぶ▲

 



アメンボ
アメンボ

撮影日:2008年4月9日  撮影場所:東京都八王子市小下沢
 山野の水たまりでアメンボをみつけました。
 水面に浮いているアメンボの姿をアップでとらえて見ると水の上の表面張力でできた水の輪がくっきりと写っていました。これは交尾しているところです。下がめすで上がおすです。
 アメンボは水生のカメムシの仲間です。はねもあって飛ぶこともできます。

▲写真を選ぶ▲

 



木の花
サトザクラ・ハナズオウ・ヤマブキ
木の花

撮影日:サトザクラ 2008年4月11日
ハナズオウ 2008年4月15日
ヤマブキ 2008年4月15日
  撮影場所:東京都渋谷区
東京都千代田区北の丸公園
東京都千代田区北の丸公園
 ソメイヨシノは今春も3月下旬〜4月上旬に満開になり、今では葉ザクラになりましたが、咲き始めた八重咲きのサトザクラは4月中旬が満開になりました。こい紫色のハナズオウや黄色のヤマブキの花が咲き春の野の色どりを増しています。

▲写真を選ぶ▲

 



野の花
シュンラン・カタクリ・イカリソウ
野の花

撮影日:シュンラン 2008年4月5日
カタクリ 2008年4月1日
イカリソウ 2008年4月5日
  撮影場所:埼玉県朝霞市
 春のみに咲く、シュンラン、カタクリ、イカリソウは、すばらしい野の花です。東京近郊でも3月下旬〜4月中旬にかけてこれらの花に出会えます。イカリソウの花の形はまさに錨の型を思いおこします。

▲写真を選ぶ▲

 



いろいろなタンポポ
セイヨウタンポポ・カントウタンポポ・シロバナタンポポ
いろいろなタンポポ

撮影日:セイヨウタンポポ 2008年4月15日
カントウタンポポ 2008年4月4日
シロバナタンポポ 2008年4月2日
  撮影場所:東京都千代田区北の丸公園
埼玉県さいたま市秋ヶ瀬公園
東京都千代田区北の丸公園
 春の野は黄色いタンポポの花盛りが見事です。
 セイヨウタンポポは春だけでなく一年中咲きますが、日本古来のカントウタンポポは春頃のみに咲きます。
 また日本では関東より西の地方に多い白花のタンポポも、東京で時々見られます。

▲写真を選ぶ▲

 



いろいろなスミレ
タチツボスミレ・ケマルバスミレ・エイザンスミレ
いろいろなスミレ

撮影日:タチツボスミレ 2008年4月2日
ケマルバスミレ 2008年4月9日
エイザンスミレ 2008年4月9日
  撮影場所:東京都千代田区北の丸公園
東京都八王子市小下沢
東京都八王子市小下沢
 野の花スミレも可憐ですが、ごく普通にみられるタチツボスミレのほか、山野ではケマルバスミレや、葉に切れこみのあるエイザンスミレなどにも出会うことができました。

▲写真を選ぶ▲

 



山野草の花
ヒトリシズカ・ヨゴレネコノメ・ヤマルリソウ・ミミガタテンナンショウ
山野草の花

撮影日:2008年4月9日  撮影場所:東京都八王子市小下沢
 春の山野には実にいろいろな野の花が咲いていました。4月の野ではヒトリシズカ、ヨゴレネコノメ、ヤマルリソウ、そして背の高いミミガタテンナンショウが見られました。山野へ出かけてぜひ可憐な野の花に出会いましょう。

▲写真を選ぶ▲

 






『自然と友だち』バックナンバーはこちら
『北の丸公園の自然HP』バックナンバーはこちら
『自然との出会いHP』バックナンバーはこちら




このサイトのすべての画像・記事について、無断使用・転載を禁止します。
Copyright (C)2007 Science Museum Tokyo, ALL RIGHTS RESERVED.