自然との出会い

−第 91 号−

「秋口に出会った草木の花や実の中から」

 今年は、何時までも夏の名残の暑さが続いていましたが、やっと秋を感じさせてくれる陽気になってまいりました。
 例年になかった気温の変動が影響してかヒガンバナの開花が少し遅れ気味では?と感じる向きもありましたが、自然の様相は、すっかり秋に衣替えしてきております。
 東御苑の林の中や、板橋区の赤塚植物園の木立の中や、多磨霊園の草地の中で出会った草木の中から、今までに取り上げていない花や実をご紹介しながら、秋を感じていただきたいと思います。
 機会があったら、訪ねてみて下さい。




<秋口に出会った草木の花や実の中から>

シモバシラの花
シモバシラの花
ハッカの花
ハッカの花
キバナアキギリの花
キバナアキギリの花
ヒメジソの花
ヒメジソの花
クサボタンの花"
クサボタンの花
アシタバの花
アシタバの花
ノダケの花
ノダケの花
トネアザミの花
トネアザミの花
コセンダングサの花
コセンダングサの花
シオンの花
シオンの花
オケラの花
オケラの花
カシワバハグマの花
カシワバハグマの花
センボンヤリの閉鎖花
センボンヤリの閉鎖花
ウドの花
ウドの花
フジカンゾウの花
フジカンゾウの花
ヤハズソウの花
ヤハズソウの花
ウリクサの花と実
ウリクサの花と実
カリガネソウの花><BR>
			カリガネソウの花
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		<TD WIDTH= ダンギクの花
ダンギクの花
ミツバアケビの実
ミツバアケビの実
ムベ(トキワアケビ)の実
ムベ(トキワアケビ)の実
アケビの実
アケビの実
カラスノゴマの花
カラスノゴマの花
サルナシの実
サルナシの実
サネカズラの花と実
サネカズラの花と実



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<シモバシラの花> 【シソ科】

シモバシラの花
2007年9月10日 板橋区赤塚植物園

 山道のへりや林の木陰によく見られる多年草です(40〜70cm)。茎は四角く、根もとの方は木のようにかたくなっています、先の方が細くなって尖っている狭い卵形の葉(6〜20cm)を対生しています。葉の縁には、もとの方をのぞいてギザギザ(鋸歯=きょし)があり、表面のすじ(葉脈)の上には毛が生え、裏には、ルーペで見ると褐色をおびた点々(腺点=せんてん)が見られます。
 9〜10月頃、茎の先や葉の脇に、花穂(4〜9cm)を出して、白い筒形の花を一方向に向けて咲かせます(総状花序)。花には、がく筒が中ほどまで5裂しているがく片・唇(くちびる)形に5裂している花びら(上唇が2裂し、下唇が3裂している)・おしべ4本(2本は長く、葯は赤褐色)・柱頭が2裂しているめしべ1本が見られます。
 名前は、冬に枯れた茎の下の方に霜柱が目立つところからつけられたものです。

(撮影:永井昭三)
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<ハッカの花> 【シソ科】

ハッカの花
2007年9月16日 板橋区赤塚植物園

 日当たりがよく湿り気の多い草原に群がって生えている多年草です(20〜50cm)。細長い地下茎でふえます。茎は四角形で、両端が細く尖っている長いだ円形の葉(3〜8cm)を短い柄(1cm前後)で対生させています。葉の縁には鋭いギザギザ(鋸歯=きょし)があります。葉には茎と共にまばらに毛が生えており、葉の裏には、ルーペでのぞくと細かい透き通った点々(油点)が見られて、よい匂いがします。
 8〜10月頃、葉の脇に短い柄のある小さな白い花(淡い紅色の花もある)を群がり咲かせます。花には、筒先が5裂しているがく(毛が生えている)・筒先が4裂している白い花びら(淡い紅色もある)・おしべ4本・柱頭が2裂しているめしべ1本が見られます(株によってはおしべがめしべより長いものや短いものがある)。
 名前は、中国名の「薄苛」を音読みしたものです。

(撮影:永井昭三)
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<キバナアキギリの花> 【シソ科】

キバナアキギリの花
2007年9月23日 板橋区赤塚植物園

 林の木陰に生えている多年草です(20〜40cm)。茎は四角形で、長い柄のある盾(たて)のような形をした葉(5〜10cmで先が鋭く尖っている)を対生しています。葉のもとは三角状に左右に張り出しており、縁には大まかなギザギザ(鋸歯=きょし)があります。茎にも葉にもざらざらした毛が生えています。
 8〜10月頃、茎の先の方の苞葉(ほうよう)の脇に、黄色い唇(くちびる)形の花(約3cm)を数段、対生しています。花には、筒先が上下に割れているがく(長い毛が生えている)・唇形の黄色い花びら(下唇は3裂している)・おしべ2本(花粉がある葯と花粉のない退化した葯がある)・柱頭が2裂しているめしべ1本が見られます。
 名前は、黄色い花の咲く、桐(きり)の葉を想わせるような葉をつけている秋の草という意味でつけられたと考えられます。

(撮影:永井昭三)
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<ヒメジソの花> 【シソ科】

ヒメジソの花
2007年9月23日 府中市多磨霊園

 日当たりのよいやや湿った草地に生えている一年草です(20〜50cm)。茎は四角形で、角(稜=りょう)の上には、まばらに下向きの毛が生えています。葉は、長い柄があって対生しています。形は、両端の尖った卵形(2〜4cm)で、縁にはギザギザ(鋸歯=きょし・4〜6対)があり、両面に毛が生えています。茎も葉も緑色で、葉の裏には、くぼんだ無数の点々(油点)が散らばって見られます。
 9〜10月頃、茎の先や葉の脇から伸び出た枝先に白く(淡い紅色もある)小さな唇(くちびる)形の花が穂のように集まって咲きます。花には、鐘形の筒先が深く5裂したがく・唇形に開いた花びら(上唇は3裂、下唇は2裂している)・おしべ4本(2本は長い)・柱頭が2裂しているめしべ1本が見られます。
 名前は、かわいらしい小形のシソという意味でつけられたものです。

(撮影:永井昭三)
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<クサボタンの花> 【キンポウゲ科】

クサボタンの花
2007年9月10日 板橋区赤塚植物園

 山の日当たりのよい乾き気味の所に生えている草のような低木です(1m前後)。雄の木と雌の木があります。茎には毛が生えており、下の方は木のように変わっています。葉は、2〜3裂した卵形の小さい葉(小葉=しょうよう・4〜10cm・縁には荒いギザギザ=鋸歯=きょしがある)を3枚ずつ、つけている複葉(三出複葉=さんしゅつふくよう)で、茎に対生しています。
 8〜10月頃、茎の先や葉の脇に円すい状に花穂を出して、淡い紫がかった白で細長い鐘形の花を下向きに咲かせます。花には、長いがく筒の先が4裂したがく片(紫がかった白色・毛が生えている・先が反り返っている)があります。雄花ではたくさんのおしべが、雌花ではたくさんのめしべが見られます(雌花は雄花より小形)。
 名前は、葉がボタンの葉に似ている草という意味でつけられたものです。

(撮影:永井昭三)
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<アシタバの花> 【セリ科】

アシタバの花
2007年9月10日 板橋区赤塚植物園

 海辺に近い日当たりのよい所に生えている大形の多年草です(50〜120cm)。太い茎は上の方で枝を分けています。下の方の葉は、先の尖った卵形で、深く2〜3裂している小さい葉(小葉=しょうよう)が9枚程ついている、大きな複葉(2〜3回羽状複葉)です。縁には細かいギザギザ(鋸歯=きょし)が見られます。葉の柄のもとは鞘になって茎に互生しています。上の方の葉は、葉が小さくなって、殆んど全部が袋状の鞘になっています。茎や葉を傷つけると黄色い汁がしみ出てきます。
 7〜10月頃、枝先に10数本の長い柄を分け、さらにその先に短い柄を30数本分けて、淡い黄色の小さな花を傘(かさ)形に咲かせます。花には、淡い黄色の花びら5枚・花びらより長いおしべ5本・柱頭がへそのように見えるめしべ1つが見られます。
 名前は、葉をつんでも次の日には新しい葉が出るところからつけられたものです。

(撮影:永井昭三)
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<ノダケの花> 【セリ科】

ノダケの花
2007年9月29日 皇居東御苑二の丸庭園の雑木林

 野山の林の中に生えている大形の多年草です(80〜150cm)。茎には、縦に角張ったすじ(稜=りょう))が目立ちます。茎には、卵形の小さい葉(小葉=しょうよう)が集まっている複葉(羽状複葉)が互生しています(小葉の縁には、尖った細かいギザギザ=鋸歯=きょしが見られる)。下の方の葉は、小葉がさらに深く裂けて(小葉の間は翼でつながっている)おり、長い柄のもとは鞘になって茎を抱いています。葉は、上にいくほど次第に小さくなり、鞘の部分が大きく広がっています。
 9〜11月頃、茎や枝の先に、20数本の柄(大花柄)を分け、さらにその先に短い柄(小花柄)を30本ばかり分けて、濃い紫色の小さな花を傘(かさ)形に咲かせます(大散形花序)。花には、紫色の花びら5枚・おしべ5本・めしべ1つが見られます。
 名前の意味(由来)はよくわかりません。

(撮影:永井昭三)
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<トネアザミの花> 【キク科】

トネアザミの花
2007年9月17日 皇居東御苑二の丸庭園の雑木林

 関東地方の野山によく見られる多年草です(1〜2m)。枝をたくさん分けて褐色の短い毛とクモの糸のような白い毛が少し見られます。茎には、縁に3〜6対の深い切れ込みのある細長い葉を互生しています。裂片の先は鋭い刺(1〜7mm)になっています。葉の両面には、褐色の柔らかい毛が生えていることがあります。
 8〜11月頃、伸び出した柄の先に、紅紫色の頭状花(頭花)を咲かせます。頭花の総苞(そうほう・約2cm)は釣り鐘形をしており、総苞片は8〜9列あって、先が皆反り返っています(白い毛をかぶっている)。頭花の中には管状花が詰まっています。管状花には、がくに当たる冠毛(汚れた白色)・筒先が5裂している紅紫色の花びら・葯が筒状にくっついているおしべ5本(褐色)・細く白いめしべ1本が見られます。
 名前は、群馬県の利根郡水上に因(ちな)んで、つけられたものです。

(撮影:永井昭三)
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<コセンダングサの花> 【キク科】

コセンダングサの花
2007年9月17日 皇居東御苑二の丸庭園の雑木林

 暖かい地方の草地に生えている一年草です(1m内外)。茎は、四角形で真っ直ぐに伸び上がっています。茎には、先が尖った卵形の小さな葉(小葉=しょうよう・縁には細かなギザギザ=鋸歯=きょしがある)が3〜5枚ついている複葉(羽状複葉)を対生させています。
 秋の頃、花茎の先に、先が黄色く見える頭状花(頭花)をつけます。頭花の外側は、緑色の総苞(そうほう)が囲んでおり、その内側に1列に花びらのように見える舌状花(ぜつじょうか)が少し見られます(無い場合もある)。その内側には、先が5裂した筒形の管状花(かんじょうか)があります。花の後には、先に2本の刺=とげ(針のような毛が逆さに生えている)のある細長い実(約1.5cm)ができます。
 名前は、センダングサより小さめのセンダングサという意味でつけられました。

(撮影:永井昭三)
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<シオンの花> 【キク科】

シオンの花
2007年9月23日 板橋区赤塚植物園

 中国地方の野山の草原に生えている大形の多年草です(1〜2m)。観賞用に栽培もされています。地下茎でふえますが、長く伸びている茎には、縁に鋭いギザギザ(鋸歯=きょし)のある長いだ円形の葉を互生させています。根ぎわには大形で柄のある葉(30cm余り)が見られます。茎の上にいくほど葉は小さくなり柄は短くなっていきます。茎にも葉にもざらざらした毛が生えています。
 8〜9月頃、茎の上の方に枝を分けて、淡い紫色の頭状花(頭花・花径は3cm前後)をたくさん咲かせます(散房花序)。頭花の総苞(そうほう)は半球形で、総苞片は3列に並んでいます(毛が生えている)。頭花の外周りには、淡い紫色の舌状花が取り巻いていますが、中央には、黄色い管状花(かんじょうか)が集まっています。
名前は、中国名の「紫苑」を音読みしたものです。

(撮影:永井昭三)
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<オケラの花> 【キク科】

オケラの花
2007年9月23日 板橋区赤塚植物園

 日当たりのよい野山の乾き気味の所に生えている多年草です(30〜60cm)。雄の株と雌の株があります。円柱形の茎には、両端が細くなっただ円形のつやのある硬い葉(10cm前後・下面には短い毛がクモの糸のように生えている)を互生しています。葉は、1〜2対に裂けたものや全く裂けないものがあります。縁には細かい刺(とげ)状のギザギザ(鋸歯=きょし)がきれいにならんでいます。
 9〜10月頃、茎や枝先に、褐色の刺とげした頭状花(頭花)を1つずつつけます。頭花の総苞(そうほう)には魚の骨に似た刺が見られます。総苞の中には、筒状の花(管状花=かんじょうか)がたくさんつまっています。筒形の花びらの先は深く5裂しています。筒のもとには、がくに当たる褐色の毛(冠毛=かんもう)があります。
 名前は、古い時代の名前であるウケラのなまったものです(ウケラの意味は不明)。

(撮影:永井昭三)
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<カシワバハグマの花> 【キク科】

カシワバハグマの花
2007年9月26日 皇居東御苑二の丸庭園の雑木林

 雑木林の中のやや乾き気味の所に生えている多年草です(30〜60cm)。茎は真っ直ぐに伸び上がっていて、枝分かれはしません。茎の中ほどには、長い柄(10cm余り)のある卵状だ円形の葉(葉先と葉のもとが細く尖っている)が集まって互生しています。葉の縁には、荒いギザギザ(鋸歯=きょし)がまばらに見られ、葉全体に細かい毛も生えています。
 9〜11月頃、茎の上の方に円柱形の総苞(そうほう・2.5cm前後)に囲まれた頭状花(頭花)を穂状につけます。頭花の中には、筒状の花(管状花=かんじょうか)が入っています。管状花には、がくに当たる白くて長い毛(冠毛=かんもう)・筒先が深く5裂している白い花びら・つつ状の葯をもつおしべと、めしべが見られます。
 名前は、葉の形がカシワの葉に似ているのでつけられたというがどうでしょうか。

(撮影:永井昭三)
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<センボンヤリの閉鎖花> 【キク科】

センボンヤリの閉鎖花
2007年10月5日 板橋区赤塚植物園

 野山の日当たりのよい草地に生えている多年草です。春と秋に花穂を出します。春のものは、花茎は5〜15cmで舌状花と管状花(かんじょうか)のある頭状花(頭花)を開きます。秋のものは、花茎が30〜60cmになり、管状花だけの頭花をつけますが、花は開かないが実ができます(閉鎖花=へいさか)。葉の形や大きさも、少し様子が違います。秋のものの方が大柄で、葉は、根もとから細長い卵を逆さにしたような形の葉をたくさん出していますが、葉の縁には切れ込みが離ればなれに見られます。葉の裏は、クモの糸のような毛が生えていて白っぽく見えています。花茎には、細い小さな葉がたくさん互生しています。
 閉鎖花の苞葉は、約1.5cmで中には管状花だけが集まっています。
 名前は、秋に伸び出たたくさんの花茎の姿を槍(やり)に見立てたものです。

(撮影:永井昭三)
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<ウドの花> 【ウコギ科】

ウドの花
2007年9月17日 皇居東御苑二の丸庭園の雑木林

 野山に生えている大形の多年草です(2m内外)。円柱形の太い茎は緑色で、葉と共に毛が生えています。葉は、先の尖った卵形の小さい葉(小葉=しょうよう・10〜15cm・縁にギザギザ=鋸歯=きょしがある)がたくさん集まっている複葉(2回羽状複葉)で、太い柄で茎に互生しています。
 7〜9月頃、茎の上の方にうす緑色の小さな花がボール形に集まったもの(散形花序)が太い軸に穂状について、大きな花の集まりをつくっています(複総状花序)。花には、うす緑色の花びら5枚・おしべ5本・花柱が5本に分かれているめしべ1つが見られます。花の後には,2mmほどの球形の実が出来て、黒く熟します。
 名前の由来はよくわかりません。(太い茎がやわらかすぎて役に立たないことと結びつけて、余り役に立たない人のことを「ウドの大木」と言うことがある)

(撮影:永井昭三)
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<フジカンゾウの花> 【マメ科】

フジカンゾウの花
2007年9月18日 皇居東御苑二の丸庭園の雑木林

 林の中の木陰に生えている多年草です(0.5〜1.5m)。草全体にざらつく毛が生えています。茎の上の方に、先の尖った長目の卵形の小さい葉(小葉・10cm前後)を5〜7枚つけた複葉(奇数羽状複葉)を互生しています(長い柄のもとには托葉がある)。
 8〜9月頃、茎の先や葉の脇から長い花の軸(30cm前後)を伸ばして、穂状(すいじょう)に淡い紅色のフジやエンドウの花のような形の花(蝶形花=ちょうけいか・約1cm)を2つずつつけます。花には、筒先が5裂している小形のがく・淡い紅色の花びら5枚(旗弁1枚、翼弁2枚、竜骨弁=舟弁2枚がある)・おしべ10本(9本は花糸の下部がくっついている)・めしべ1本が見られます。
 名前は、花がフジに、葉がマメ科のカンゾウ(薬草として栽培されている草)に似ていることからつけられたものです。

(撮影:永井昭三)
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<ヤハズソウの花> 【マメ科】

ヤハズソウの花
2007年9月18日 皇居東御苑二の丸庭園の雑木林

 野原や道端の日当たりのよい草地に生えている一年草です(10〜25cm)。茎は根もとからたくさんの枝を分けており、下向きに白い毛を密生しています(茎は緑色で切れにくい)。葉は、長いだ円形の小さな葉(小葉・約1.5cm)を3枚つけた複葉(3出複葉)で、茎に互生しています。小葉には、斜めに平行に並んでいるすじ(支脈=側脈)がたくさん見られます(小葉をちぎると支脈のところで、矢はず形に切れる)。
 8〜10月頃、葉の脇にエンドウの花に似た形(蝶形花=ちょうけいか)の淡い紅色の花(約5mm)を数花咲かせます(花の柄のもとには、托葉=たくようがある。花には、筒先が5裂したがく・淡い紅色の花びら5枚(旗弁1、翼弁2、竜骨弁=舟弁2がある)・おしべ10本(9本は花糸の下部がくっついている)めしべ1本が見られます。
 名前は、葉をちぎると矢はず形に切れるところからつけられたものです。

(撮影:永井昭三)
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<ウリクサの花と実> 【ゴマノハグサ科】

ウリクサの花と実
2007年9月22日 府中市多磨霊園

 道端や草原のやや湿った所に生えている小さな一年草です(10cm前後)。茎は四角形で、四方に枝を分けて地面をはっています(伸び上がっているものもある)。葉は、先がにぶく尖っている卵形(1〜2cm)で、縁には低いギザギザ(鋸歯=きょし)があり、短い柄で茎に対生しています。茎も葉も紫色をおびています。
 8〜10月頃、茎の先や葉の脇から細長い花の柄(約2cm)を伸ばして、紫色の小さな唇(くちびる)形の花(約1cm)を1花ずつ咲かせます。花には、筒形で先が5裂しているがく(筒部には5本の角=かどが見られる)・筒先が唇(くちびる)形に開いている花びら(上唇の先が浅く2裂し、下唇は3裂している)・おしべ4本(上側2本は短い)・細長いめしべ1本が見られます。
 名前は、実の形がウリに似ているところからつけられたものです。

(撮影:永井昭三)
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<カリガネソウの花> 【クマツヅラ科】

カリガネソウの花
2007年9月24日 皇居東御苑二の丸庭園の雑木林

 野山のやや湿った所に生えている多年草です(1m前後)。茎は4角形で伸び上がり、上の方で枝を分けています。先が細長く伸びている卵形の葉(7〜13cm)を対生しています。葉の縁には、鈍いギザギザ(鋸歯=きょし)があります。草全体にいやなにおいがあります。
 8〜9月の頃、枝先の葉の脇から長い柄(粘い毛がある)を伸ばして、青紫色の花(約2cm)をまばらにつけた円すい状の花の集まりをつくります(集散状・円すい花序)。花には、広い鐘形の筒先が浅く5裂したがく(2〜3mm)・細長い筒(約1cm)の先が上下に大きく2つに分かれた紫色の花びら(上のものは3裂し、下のものは長く伸びている)・おしべ4本(2本は長い)・柱頭が2裂しているめしべ1本が見られます。
 名前は、花の形が雁(かり)が飛ぶ姿に似ているというのでつけられたものです。

(撮影:永井昭三)
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<ダンギクの花> 【クマツヅラ科】

ダンギクの花
2007年10月5日 板橋区赤塚植物園

 九州の西部に自生している所がありますが、東京では栽培しているのしか見られない多年草です(60cm前後)。茎も葉も短く柔らかい毛に覆われていて、灰緑色をしています。先の尖った卵形(2〜6cm)の葉は、1cm程の柄で茎に対生しています。葉の縁には荒いギザギザ(鋸歯=きょし)があり、葉の裏は、灰白色をおびています。
 9〜10月頃、枝先近くの葉の脇に柄を出して、茎の周りを取り囲むように、紫色の小さな花をびっしりつけた層が幾段もできます。花には、筒先が深く5裂したがく(先が尖り、毛も生えている)・細い筒先が5裂して平らに開いた紫色の花びら(中の1枚は他より大きく先に細かい切れ込みがある)・おしべ4本・花柱が2裂しているめしべ1本が見られます。
 名前は、花の層が数段にわたって見られるところからつけられたものです。

(撮影:永井昭三)
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<ミツバアケビの実> 【アケビ科】

ミツバアケビの実
2007年9月24日 板橋区赤塚植物園

 野山に生えている落葉性のつるになる木です。つるは褐色で、他の木に巻きつきながら伸びます。葉は、卵形の小さい葉(小葉=しょうよう・4〜6cm・縁に波形のギザギザがある)を3枚つけている複葉(3出複葉・長い柄がある)で、今年出たつるには互生していますが、古いつるには短い枝(短枝)の先にたくさんつけています。
 4〜5月頃、新しい葉と共に短枝の先の葉の間から花の穂を垂らして、濃い紫色の花を咲かせます。花には雄花と雌花があります。雄花は、花の軸の先の方に小さな花をたくさんつけており、雌花は軸のもと近くに長い柄で1〜3花つけています。雌花の後には、太い柄の先に長いだ円体の実が出来ます。10月末頃、紫色に熟した実は縦に裂け、黒い種のある白い果肉が見えて来ます(果肉は甘いので食べられる)。
 名前は、三枚の小葉をつけているアケビという意味でつけられたものです。

(撮影:永井昭三)
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<ムベ(トキワアケビ)の実> 【アケビ科】

ムベ(トキワアケビ)の実
2007年9月24日 板橋区赤塚植物園

 暖かい地方の野山に生えている常緑のつるになる木で、庭にも植えられています。つるは褐色で、他の木に巻きつきながら伸びます。葉は、先の尖っただ円形の小さい葉(小葉=しょうよう・5〜9cm)5〜7枚を手のひら形につけている複葉(掌状複葉・表は濃い緑色でつやがある・裏は淡い緑色)で、長い柄でつるに互生しています。
 4〜5月頃、新しい葉や鱗片の脇から長い花穂を出して、淡い紅紫色の花を3〜7花つけます。花には雄花と雌花があります。花には、がくが6枚(広い外片が3枚・細い内片が3枚)あり、雄花には、おしべが6本、雌花にはめしべが3本あります(雌花の方が大きいが、花は少ない)。実は他のアケビのように裂けないが食べられます。
 名前は、昔、この実をかごにいれて朝廷に献上した物をオオムベといっていましたが、それを略したものといわれています。

(撮影:永井昭三)
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<アケビの実> 【アケビ科】

アケビの実
2007年10月9日 板橋区赤塚植物園

 野山に生えている落葉性のつるになる木です。つるは褐色で、他の木に巻きつきながら伸びます。葉は、長めのだ円形の小さな葉(小葉=しょうよう・3〜5cm)5枚を手のひら形につけている複葉(掌状複葉・長い柄がある)で、今年出た若いつるには互生しています。古いつるでは短い枝(短枝=たんし)の先にたくさんつけています。
 4〜5月頃、新しい葉と共に短枝の先の葉の間から花穂を垂らして、淡い紫色の花を咲かせます。花には、雄花と雌花があります。雄花は、花の軸の先の方に多数つきますが、雌花はもと近くに長い柄を出して、その先に1〜3花をつけます。雌花の後には、太い柄の先に長いだ円体の実が出来ます。10月末頃、紫に熟した実は縦に裂け、黒い種を含んだ白い果肉が姿を表わします(果肉は甘いので食べられる)。
 名前は、「開け実」。熟した実が縦に裂けて開くことからついたといわれています。

(撮影:永井昭三)
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<カラスノゴマの花> 【シナノキ科】

カラスノゴマの花
2007年9月29日 皇居東御苑二の丸庭園の雑木林

 暖かい地方の野山の日当たりのよい草地に生えている一年草です(60cm内外)。茎は円柱形で細く、下向きに曲がった柔らかい毛でおおわれています。葉(4〜7cm)は、先が細くなった卵形で、縁にはギザギザ(鋸歯=きょし)があり、長い柄(葉柄=ようへい)で茎に互生しています。葉柄のもとには、托葉(たくよう)という細く小さな葉がついています(早く落ちる)。
 9〜10月頃、葉の脇に、柄のある小さな黄色い花(花径1.5〜2cm)が1花ずつ下向き気味に咲きます。花には、細長いがくが5枚(毛が生えている)・黄色い花びらが5枚・葯がついているおしべが10本・葯のない仮おしべといわれるものが5本(おしべより長く、直立している)・柱頭が浅く3裂しているめしべ1本が見られます。
 名前は、種の姿がゴマに似ているので、カラスの食べるゴマに見立てたものです。

(撮影:永井昭三)
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<サルナシの実> 【サルナシ科】

サルナシの実
2007年10月1日 板橋区赤塚植物園

 山の林の中や林の縁で木や岩をよじのぼりながら生えている、つるになる木です。雄の木と雌の木があります。幹や枝は褐色で、太くなります(直径20cm位になるものもある)。先が短く尖っているだ円形の葉を、長い柄(赤みが見られる緑色)でつるに互生しています。葉には縁に刺のような硬いギザギザ(鋸歯=きょし)があります。葉の裏は、淡い緑色をしており、葉脈の脇には褐色の毛が残っています。
 5〜7月頃、雄・雌の木それぞれに、梅の花に似た白い花を咲かせます。花には、がく片が5枚・白い花びらが5枚ありますが、雄花にはおしべが多数見られ、雌花には柱頭に切れ込みがあるめしべが見られます。秋には、だ円体の褐色の実(2cm前後)が見られます。実は甘酸っぱく細かい種がたくさん入っています(食べられる)。
 名前は、サルが実を好んで食べるところからつけられたものです。

(撮影:永井昭三)
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<サネカズラの花と実> 【マツブサ科】

サネカズラの花と実
2007年10月9日 板橋区赤塚植物園

 山の林の中や林の縁に生えていますが、庭や街路脇に植えられていることもある常緑のつるになる木です。雄の木と雌の木があります。茎は褐色でよく枝分かれしています。やわらかい皮に包まれており、その皮からは粘い汁が出ます。両端が尖った長いだ円形の、つやのある厚い葉(5〜10cm)を互生しています。葉には1cm余りの柄があり、葉の裏は紫色をおびていることもあります。
 8〜9月頃、淡い黄色の花(花径1.5cm前後)を葉の脇に1花ずつつけます。花には、黄色い花びら状のもの(花被・9〜15枚)の中に、雄花にはおしべが、雌花にはめしべ(球状にたくさん集まっている)が見られます。雌花の後には、5mmほどの丸い実が球状に集まってつき、赤く熟します。中に、腎臓(じんぞう)形の種があります。
 名前は、「実葛=サネカズラ」。美しい実がなるところからつけられたものです。

(撮影:永井昭三)
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