北の丸公園の自然
−第 41 号−
「夏の虫セミ(成虫)の誕生」
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いよいよ8月…北の丸公園は今、セミの声で満ちあふれています。 メルマガ39号で、4種類のセミを紹介しましたが、そのセミたちの誕生や、セミのぬけがらなどの写真をたくさんのせましたのでご覧ください。 そしてぜひこのセミのベストシーズンに、セミからいろいろなことを教えてもらいましょう。きっと楽しい発見があることでしょう。
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<夏の虫セミ(成虫)の誕生>
<セミの幼虫が土の中で成長しいよいよセミの成虫になるまで>
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夏の間に木の枝に産みつけられたセミの卵から生まれた小さな幼虫は、土の中へもぐり、木の根から汁を吸って、土の中で、何年間もかかってゆっくり成長していきます。 種類によって違いはありますが、6年目頃の夕方、土の穴からはい出しやがて木に登り、適当な場所を定めると、そこにしっかりと足のつめで固定し、まったく動かなくなります。そしていよいよセミの誕生が始まります。 背中がたてに割れ、ゆっくりと頭、胸部が出てきます。頭を下にそり返り体全部がせみがらから抜き出てきます。せみがらにつかまって、じっとしている間に、くしゃくしゃだったはねがのびてきます。すっかりのびきって、せみらしくなりますが、まだはねの色・体の色は白っぽいです。おおよそ2時間くらいかかります。翌朝・明るくなる頃にははね、体の色もはっきりしてきます。
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<セミの穴・セミのぬけがら>
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2002年8月15日
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木の下の地面を見ると小さな穴がたくさん見つかります。 アリの穴よりはずっと大きいこの穴は、セミの幼虫がはい出した穴です。夕方こういう穴をのぞくと、まだ中に幼虫が見つかることもあります。やがて木に登り、次々とせみ(成虫)が誕生します。木の上にはぬけがらがたくさん見つかります。
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(撮影:松田邦雄)
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<ミンミンゼミの羽化>
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1993年8月2日
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この瞬間は、目をみはるものがあります。静かにゆっくりと体が出てくるようすは感動的です。でも中にはせっかくせなかが割れたのに、そのままで止まってしまい死んでしまうこともあります。
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(撮影:松田邦雄)
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<ミンミンゼミの羽化>
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・夜半に羽化したミンミンゼミの体・はねの色は白っぽくミンミンゼミの色がまだ出ていません。 ・翌朝、ミンミンゼミの体・はねは色づきました。時間がたつとさらに色はこくなります。
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(撮影:松田邦雄)
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<ミンミンゼミの交尾>
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1991年8月10日
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羽化したセミは、おすはミーンミーンとよく鳴き、やがてめすをさがし、子孫をのこすために交尾をします。こうして生命は続いていくのです。
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(撮影:松田邦雄)
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<アブラゼミ(成虫)の羽化>
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1993年8月3日
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これは、アブラゼミの羽化の段階で、ひっくり返るようにして体全体がからから抜ける瞬間のようすです。
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(撮影:松田邦雄)
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<ニイニイゼミの羽化>
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2003年7月23日
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朝早く羽化したばかりのニイニイゼミは、ぬけがらのそばでじっとしています。色もだんだんについてきました。日中になると、やがて木の高いところへ登っていきます。おすはやがて鳴き始めます。
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(撮影:松田邦雄)
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<木の皮そっくりのニイニイゼミ>
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2003年7月20日
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虫たちは敵に見つからないように、実にうまく体の形や色が周りのものにとけこむようにできています。
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(撮影:松田邦雄)
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<ツクツクボウシのおすとめす>
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1993年9月26日
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おしりの先端をくらべてみると、めすの方がとがっていて産卵管が見えています。
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(撮影:松田邦雄)
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<ぬけがらくらべ>
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北の丸公園で見られる4種類のせみのぬけがらを並べてくらべてみるとよくわかります。 大きさ、色、形などその特長をよくとらえて自分で見つけたぬけがらの種類をたしかめましょう。 また、おすとめすの尾端のちがい…特にめすの産卵管のしるしを見分けましょう。
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(撮影:松田邦雄)
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<セミに近いなかま>
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この小さな虫は、セミに近いハゴロモのなかまです。 セミのようには鳴きませんが、木の枝から木の汁を吸うところはセミと同じです。 さあ、この夏休みきっとすばらしい発見があるでしょう。
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(撮影:松田邦雄)
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