北の丸公園の自然
−第 30 号−
「現われ始めたトンボたち」
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トンボというと夏や秋の虫と思われる人が多いと思いますが、実さいには、4月の末頃から5月にかけて、次々とトンボが姿を見せるのです。 北の丸公園では、まずシオカラトンボがまっさきに現われます。そして5月中頃には、コシアキトンボがたくさん飛び交うようになります。初夏の頃にはギンヤンマ・ヤブヤンマ・ウチワヤンマ・ウスバキトンボなども続いて見られるようになります。また、赤とんぼというと秋の頃のトンボと思われますが、6月ごろには発生を始めます。でも秋の頃のようにまっ赤なアカトンボではありません。 みなさんも気をつけてさがしてみると、トンボに出会えるでしょう。
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<新しい生命の躍動>
<シオカラトンボ(おす)とムギワラトンボ(シオカラトンボのめす)>
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2005年5月12日 交尾の写真・2004年5月13日 北の丸公園
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北の丸公園で一番早く現われるトンボです。体が白っぽいのをシオカラトンボ、茶色っぽいのをムギワラトンボと呼んでいますが、実は、この二つは同じ種類のおすとめすなのです。 おすは羽化して日がたつと体の色がもっと白くなりはっきりと区別ができます。
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(撮影:松田邦雄)
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<オオシオカラトンボ(おす)と(めす)>
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2004年6月10日・おす 2003年6月5日・めす 北の丸公園
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シオカラトンボにそっくりですが、はねのつけねが黒く、体の色もずっとこいです。めすはやはりムギワラのように茶色っぽいです。
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(撮影:松田邦雄)
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<コシアキトンボ(おす)>
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1999年6月17日 北の丸公園
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5月の中旬頃から、たくさん出現します。コシアキというのは、黒色の体の腰のところが白く空いているところから、この名がついているようです。めすは腰のところが黄色っぽく、クリーム色です。 都会でもたくさん見られるトンボです。 |
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(撮影:松田邦雄)
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<アキアカネ>
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2001年6月27日 北の丸公園
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秋の頃、まっ赤なアカトンボの代表のようなトンボですが、このトンボは6月頃に発生し、暑い夏の間は、山地の方へ移動して夏を越し、再び秋に里へ戻ってくる頃におすはまっ赤になっているのです。 発生したばかりの頃は、まだ赤くなっていません。 |
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(撮影:松田邦雄)
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<ナツアカネ>
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2002年8月3日 北の丸公園
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アキアカネによくにていますが、夏の頃には顔まで赤くなってきます。アキアカネのように移動はしないようです。 |
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(撮影:松田邦雄)
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<ウスバキトンボ>
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2004年7月3日 北の丸公園
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ウスバキトンボは、南の国からだんだんに渡ってくるトンボです。北の丸公園では7月頃から秋にかけてたくさん見られます。はねが大きく、ほとんどとまらずに飛びまわっています。でも幼虫は寒さに弱く、冬には水の中の幼虫は全部死んでしまうようです。 |
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(撮影:松田邦雄)
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<ショウジョウトンボ(おす)(めす)>
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2003年6月20日・おす 2005年5月16日・めす 北の丸公園
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5月頃から、まっ赤なトンボがみられます。これはショウジョウトンボです。 めすは赤くなく、淡いオレンジ色をしています。 |
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(撮影:松田邦雄)
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<アジアイトトンボ(おす)>
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2005年5月16日 北の丸公園
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その名のように糸のようにほそい体のトンボです。 草木のまわりや、池の水草の上などでよくみられます。 |
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(撮影:松田邦雄)
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<ウチワヤンマ>
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2004年7月3日 北の丸公園
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尾の先端にまるでうちわのような突起があるので、すぐわかります。 大型なのでウチワヤンマとよばれますが、ヤンマの仲間ではなく、サナエトンボの仲間なのです。棒や枝の先端に尾端を上げるようにしてとまるのが特徴です。 |
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(撮影:松田邦雄)
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<ギンヤンマ>
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2000年8月29日 北の丸公園
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大型でとても美しいヤンマです。初夏の頃から現われ始め、池の上などを旋回しています。おすの腹のつけねは青いですがめすは白っぽいです。 |
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(撮影:松田邦雄)
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<ヤブヤンマ>
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2004年7月13日 北の丸公園
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オニヤンマににていますが、これはヤブヤンマです。 昼間は木の枝などに、じっととまっています。夕方飛びまわるようです。
さあみなさんもトンボをさがしてみましょう。 |
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(撮影:松田邦雄)
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