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第10回「デジタル家電」編 2/2

活躍して、やがて消えていった日本語ワープロ専用機

いまでは見かけなくなりましたが、日本語ワープロ専用機をご存じですか ?

文字を入力する際に、欧米のアルファベットと違って、日本語で扱う文字は漢字、ひらがな、カタカナがある上に、しかもかな漢字変換という大きな技術的課題がありました。いまでこそ、子どもから大人まで漢字かな混じりの文章をごく簡単に作って携帯電話などからメールを送ったりしていますが、日本語入力処理の技術開発には大変な苦労があったようです。

最初の日本語ワープロ専用機は、1978(昭和53)年に登場。本体やディスプレイ、キーボード、プリンターなどがデスクに組み込まれた大きなものでした。

その後、技術開発が進むとともに、使いやすく、小型軽量化され 、価格も下がり、一般家庭でも使われるようになりました。

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1978(昭和53)年に発表された日本初の日本語ワードプロセッサー。価格は630万円と、かなり高価な機械でした。
(写真:東芝未来科学館提供)

いっぽうで、日本語ワープロの言語処理の研究が英文のワープロソフトに影響を与えるという、おもしろい現象もありました。本来であれば英文のワープロソフトに辞書は不要ですが、日本語ワープロのように辞書を備えることによって、スペルのチェックや修正の機能を持つようになったのです。

やがてパソコンの高性能化や低価格化、日本語ワープロソフトも登場して、1990年代になると日本語ワープロ専用機は静かに姿を消しましたが、しかし、そこで培われたかな漢字変換とエディターの技術は、パソコン、携帯電話など、あらゆるIT分野の日本語入力手段として引き継がれ、発展を続けています。


デジタルカメラが写真の楽しみ方を変えた !

携帯電話やスマートフォンのカメラで撮った写真を互いに見せ合ったり、ネットにアップして友人とシェアしたり。いま、私たちの写真の楽しみ方は、フイルムを使っていた時代と比べると実にさまざまになりました。


これを可能にしたのがデジタルカメラです。レンズから入った光を、フイルムの代わりにイメージセンサーがキャッチし、その信号を専用回路がデジタルデータに変換して画像ファイルとして保存する。この一連の流れを、コンパクトなカメラの本体内で瞬時に行ってしまうのだからすごいですね。

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デジタル一眼レフカメラの場合、レンズを外した奥にイメージセンサー(矢印の部分)があります(写真はミラーアップした状態です)。
(写真:科学技術館)

デジタルカメラには、先端技術がたくさん詰め込まれています。画像を左右する要素の一つである解像度は、初期のころに比べて100倍以上も高精細になっており、最先端の半導体製造技術が使われています。また、画像を処理する大規模集積回路も、処理の高速化や色彩表現のクオリティーが追求されています。撮った写真をすぐに確認できる背面ディスプレイは、日中屋外の強い光の元でも画像が鮮明に見えるような最新のタイプが使われます。さらに、撮った写真の加工や動画撮影機能、Wi-FiやGPS機能なども備えるようになってきており、スマートフォンのカメラと競い合いながら進化しています。

プロの世界でも、デジタルカメラは大活躍しています。新聞などでは、かつては現場で撮影したフイルムを新聞社へ大急ぎで運んだりしていました。しかし現在では、例え海外からでも撮ったらすぐにインターネット経由で画像データを新聞社へ送っています。

デジタルカメラや写真の世界がこれからどうなっていくか、目が離せませんね。